2024年08月11日
Le Pendu-吊るされた男-(5)
「吐きたいだけ吐いておけ。吐くものがあればなぁ、ククっ。」
見上げると嗤っている。何のために、なぜ俺が、声に出したいが、口は動いても声にならない。呼吸をするのが精一杯だ。
「いいぞいいぞ、ずいぶん真っ赤になったな。いい色だ。」
やられた中央部を中心にして真っ赤になっている腹を手の甲で撫でている。
「ふぅぅ、ふぅぅぅ。」
と、
「ここだぁ!」
と脇腹を連打された。
「うぐぅ、うぐぅぅ、うぐぅぅ、うがぁぁぁ!」
脇腹への力の入れようが分からず、4発目が耐えられずに声を上げた。
「はぁぁ、はぁぁぁぁ。」
手を上で縛られているのでガードなどはもちろんできず、避けようにも身を捩る程度しかできない。そして、身を捩れば捩るほどに、そこだけを集中して狙われて殴られる。若干涙目になり、口からよだれが流れ落ちていた。汗も尋常ではないくらい搔き、床にボトボトと垂れ落ちている。
8つに割れた腹筋の中心部が青く変色し、その右側が赤く変色している。右側がさっきから集中的に狙われた脇腹だ。両サイドからスポットライトで照らされて、自分のつるされているところだけが明るく照らされている。コンクリートでできた地下室、静寂の中を自分が吐く息と、時折流れ落ちる汗の落ちる音だけが聞こえてくる。
「ほぉぉぉ、腹責めが感じるか。」
崇は自分自身では意識していなかったが、一物は若干硬さを増し、床と平行程度まで上がってゆらゆらと様子を窺っている。決して性感帯ではない、ただ悶え苦しんでいる時間がずっと続いているだけだが、なぜか自分の意に反して崇のそこだけは元気である。
「そうかそうか、ふふふ。」
と、指先が崇の硬く引き締まった胸の上にある小さな先端部分に触れる。限界まで脂肪を削り取って硬く鍛え上げられた胸の中で、その一点だけが淡い桃色に輝いていたが、指先がそっと触れただけでキュッと硬く引き締まり、ビクビクっと体を震わせた。そして、その下の一物はカチ上げるかの如く存在感を示した。
「こっちはどうだ?えっ?」
反対側の尖った先端にもそっと指先が掠める。
「ククっ。」
もちろん何も抵抗できずにただ快楽が体中を突き抜けていく。腹部へのあれだけの衝撃の後のこの快楽、体中の血管に強炭酸水が入り込んだかのようにジュワっと不思議な感覚が駆け巡った。そして、
「今だぁ!」

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