オッズ

2020年12月11日

終わりの見えないデスマッチB(32)

試合の日、会場にはデビュー戦では姿を見せなかったシディークと健の姿があった。応援しに行くと言っていたが、少なくとも健は賭けに来たにちがいない。元々、皆生活は保障されているのであるが、現金を持っているわけではない。試合に出てようやくファイトマネーをもらえるが、健たちの場合は一般の人と違って勝とうが負けようが、もらえるお金は同じだった。また、試合に出る出ないについても、こちらで決められるものではなかったし、体調が悪いからとか怪我をしているからと言った理由でも出ろと言われたら出なければいけなかった。そうした場合は早々に負けるようにするのだが、成績が芳しくなければここにはいることはできず、いつの間にか消えていく運命にあるのであった。最初の試合であり、さすがに実来は0勝1敗で6秒KO負けと書かれていたこともあって、相手が初戦だというのに3倍近いオッズになっていた。実来は前回と異なり、試合時間ギリギリになって現れた。対戦相手は毛先が金髪で逆立っていて、目つきも悪かったが、カラダつきはあばら骨が見えるほどまでに痩せ細っていた。そもそも、この格闘場では武器は持ち込みできない。また、全くの裸であるから防具も何もない。シューズやマウスピースどころか包帯やサポーターも禁止されている。それに体格差も考慮されているとはいえ、全然違う体格同士が組まされることもよくある。オッズも賭ける人の数に全く比例してつけられているわけではない。意図的に一方に高いオッズがつくこともある。また、八百長ももちろんあるのだけれど、先ほど言った賭ける人の数に比例しているわけではないので、ここは良心的に八百長を「示唆した」オッズになっている。賭けている方も八百長があると言うことは織り込み済みで、どれが八百長の試合なのかを楽しむというのも上級者の賭け方なのである。

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toppoi01 at 08:30|PermalinkComments(0)
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