家庭教師

2019年10月15日

家庭教師(1)

僕の家に新しい家庭教師が来た。国立B大学の2年生。基本的に母親が選んで、そして母親がこの科目を中心に教えてほしいとかいろいろ言ったんで、僕は全然関与していない。そもそも、B大は父親の出身校だからと指定しただけで、家から大学まで1時間以上かかるようなところにあるからなかなか成り手が見つからなかったらしい。条件も全然折り合わずに3か月、ようやく決まったのがこの、髪もボサボサで若干天パーで黒縁の結構度のきつい眼鏡をかけ、また苦学生なのかどうか知らないけれど、毎日毎日同じ服を着てくる。サイバー研究会とか入っていそうな、のそっとしていて鈍臭い、イケていない大学生。俺はゲイに最近目覚めた高校2年生。そんな俺の好奇心を満たしてくれそうもない、ごくごく真面目な家庭教師。
「よろしくお願いします。」
って声もボソッてしていて、コイツ大丈夫かよって感じがする。

人気ブログランキングへ ブログランキング・にほんブログ村へ
にほんブログ村

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
toppoi01 at 08:00|PermalinkComments(0)

2019年10月17日

家庭教師(2)

教える内容は、もちろん大学受験を意識しているけれども、俺は内申があまり芳しくなく、どちらかというとバリバリ死ぬ思いをして受験勉強をするよりは、推薦で楽にサッサと決めてしまいたい方。親も、浪人とか金がかかるし、そもそも一人っ子な割にそんな頭の方に期待をかけられているわけでもない。ま、親の遺伝なんだから、そりゃ限界を知っているんだろうけれど、せめてB大くらいにはってことなんだろう、こんなクソ真面目な家庭教師を選んできやがって、なんて、よくよく見るとね、暗そうだけれどイケないこともないんじゃない?って気もしてきた今日この頃。俺の勉強机、既に物心がついたときからここにあったんだけれど、今どきこんな勉強机で勉強している奴なんていねーやと思ったが、先生が横について見てくれるってのはちょっとドキドキするよな。でも、顔見たいけど、横だと見えないんだよな。鏡でも置こうかな。

人気ブログランキングへ ブログランキング・にほんブログ村へ
にほんブログ村

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
toppoi01 at 09:00|PermalinkComments(0)

2019年10月19日

家庭教師(3)

先生の声はボソボソと小声で言うからうまく聞き取れない。だから、教えてもらうときは結構密着して聞く。髪はボサボサの天然パーマだけどちょっといい香りがする。縁が黒みがかった青い眼鏡をかけていて、眉は結構濃くて、顎髭を生やしている。鼻筋はすっとしていて高くて、息がちょっと甘い香りがするんだよね、いつも。全然勉強が手につかなくなってきた。母親はさ、僕のことを考えてむさくるしい男の家庭教師を頼んだんだろうけれど、逆効果なんだよね、実は。ちょっと暖房効き過ぎているからか、先生が上着を脱いだ。腕が太い。俺も空手しているからそこそこ腕が太いんだけど、俺より二回り位太い。胸もちょっと見えるけど、胸毛うっすらと生えてない?胸、見てみたい。見たいって言ったら見せてくれるかな?男同士だけど、何か変だよな。唐突すぎる。部屋をもっともっと暑くして脱がすとか?俺が率先して脱いでみる?難しい。簡単なようで難しい。この英語の訳よりよっぽど難しい。

人気ブログランキングへ ブログランキング・にほんブログ村へ
にほんブログ村

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
toppoi01 at 08:30|PermalinkComments(0)

2019年10月22日

家庭教師(4)

「先生、腕相撲しようぜ?」「ん?後で。」「先生、俺、美大行こうと思ってんだけど。」「じゃ、勉強して。」素っ気ない。全然素っ気ない。僕のことを生徒にしか見ていない。そりゃそうなんだけどさ、僕だって高2じゃない?そんな青春時代をさ、そんな勉強だけで過ごしたら勿体ないと思わないかね?勉強以外にだっていろいろ教わってみたいじゃん?遊び盛りじゃん、好奇心旺盛な高校生が目の前にいるじゃん、何とも思わないんかね?そうだよな、そりゃそうだわ、全然。先生、別にゲイなんかじゃないもんな。興味があるわけないもんな。「先生、やっぱ体育大行こうかな?」「どうして?」「勉強ばっかできるだけより、カラダもいい方がなお良くない?」「じゃ、カラダだけの大学より運動もやりつつ勉強もできるB大の方が良くないか?」真面目だわ。「体育大なんて男ばっかでむさいだけだぞ?」「全然平気っす。」言ってしまった。でも、抑えが効かない。「俺、その方がいいんだ。」「俺も。」ん!?先生が俺のことを見つめる。俺も?「何やりたいかはご両親とよく相談してさ、それによって受験科目が変わるんだし、そもそも授業料を払うのはご両親なんだから。」「・・・、じゃ、今日は生物だっけ?どれ?」いや、あの、・・全然動じない。そうだよね。家庭教師だもんね。

人気ブログランキングへ ブログランキング・にほんブログ村へ
にほんブログ村

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
toppoi01 at 08:30|PermalinkComments(0)

2019年10月25日

家庭教師(5)

「決めた?」「・・B大。」「そう。じゃ、当初と同じだ。」「先生と一緒の大学に行きたいから。」言っちゃったよ。「ふーん、じゃ、頑張って。」「先生は俺のこと好き?」「そこそこ。」「付き合って。」「無理。」勢いでイケるかなと思ったけれど、ふーんって言われている辺りから望みは薄かった。そうだよな、そうだよ。勉強する気がなくなったわ。「先生と生徒の関係だから無理。」「じゃあ、キスは?」「成績が上がったらな。」俺は顔がすごく赤くなっていただろう。全身が火照って火照って仕方がなかった。無論、あっちの方だって収まりがつかなくって・・。こんなに勉強をしたくなったことがあるだろうかと思うくらい、急にモチベーションが上がってきたよ。ヤル気が出てきた。今思えば、キスくらいでさって感じなんだけれど。

人気ブログランキングへ ブログランキング・にほんブログ村へ
にほんブログ村

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
toppoi01 at 08:30|PermalinkComments(0)

2019年10月27日

家庭教師(6)

結局、B大には行かなかった。東京のK大に受かっちゃったからさ。2年生のときに成績がグンと伸びて、志望校を変更したんだ。でも、家庭教師はずっと変えず。ご褒美を小出しに小出しに出してきて、俺の意欲をくすぐり続けたからこうなったんで、家庭教師を変えたら一気に下降線を辿っただろう。だったらB大行けばいいじゃん、先生がいるんだからって思うだろうけれど、先生、俺と同じネコちゃんで。あんなエロいカラダしてネコちゃんだったなんてね。それに、先生は俺の合格と同時に卒業して、就職したんだ。で、猫ちゃん同士、同じ屋根の下に住んでいる。最後のご褒美は、一緒に住むことだったし、両親にもカムアウトしたんだけれど、むしろM銀行のエリートと一緒ならって喜んでいたよ。でも、実は今はこっちが褒美をあげる方。先生の教育のおかげで、俺はネコちゃん以外にもできるようになっちゃったからさ。そうだ、俺、大学生なんだから、バイト、家庭教師やろうかな・・。

人気ブログランキングへ ブログランキング・にほんブログ村へ
にほんブログ村

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
toppoi01 at 08:30|PermalinkComments(0)
アクセスカウンター
  • 今日:
  • 昨日:
  • 累計:

記事検索
最新コメント