ゴーグルマンⅠ

2018年05月01日

ゴーグルマン(1)

昼2時半、駅から数分離れたところにある、あまり人気のない喫茶店で待ち合わせた。
「こんにちは。はじめまして。」
「こんにちは。」
三上が先に着き、ソファで待っていた。
亘行は、青いハーフパンツに横にストライプの入ったポロシャツを着て現れた。シャツの前ボタンを開け、胸の筋肉の谷間がくっきり見え、そして厚い胸を浮き彫りにしている。腕の辺りははち切れそうだ。
「・・エロいね。モテるでしょ?」
「いえ、トレばっかしてるんで。」
なかなかの好青年だ。芋系ではあるけれど、笑顔がかわいい。
「体脂肪率何%?」
「今は8%くらいです。」
「腕の筋肉、すごいね。」
Tシャツから張り詰めた腕を上げ、上腕二頭筋を見せつける。腋からうっすら汗が滲み出て、Tシャツの色を変えている。
「足もすごいよね。ちょっと見せて?」
ハーフパンツから異様に膨れ上がった内腿を見せる。思わず生唾を飲み込んだ。

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2018年05月04日

ゴーグルマン(2)

アイスコーヒーが二つ運ばれてきたが、三上はあっという間に飲み干した。その肉体の持主である亘行は、とある格闘会場でスカウトした。こんな賭けで行われるような試合に出る輩は、中には格闘マニアもいるが、だいたいが何かしら金銭関係で悩みを抱えているケースが殆どだ。三上が声をかけて連絡先を渡すと、金に困っているのかすぐに電話がかかってきた。
「ちょっと触ってみていい?」
ふくらはぎと言い内腿と言い、どうしたらこんなに筋肉がつくのかっていうくらい筋肉の塊がついている。テーブルの下から内腿をなぞってハーフパンツの中身の方へ手を這わす。
「自分の中では、どの部分が一番自慢できるところ?」
「肩から背中にかけてです。」
確かに逆三角形のカラダで肩が盛り上がって見える。
「普段は女の子と?」
「はい。」
当然と言えば当然か。
「すごいって言われない?」
「言われます。」
若干笑みがこぼれた。会話は緊張をほぐすことが目的で、ましてや男と関係を持ったことがないノンケはそもそも警戒心が強く、ふとしたことでこの話はなかったことにとなりかねない。徐々に徐々に慣らしていくことが大切だ。
「男同士で、扱きあったりはしないの?」
「比べあったりはしたことあります。」
「どう?こういうの。」
内腿をそっと撫でるように触る。
「・・・。」
俯いた。どうもこうもないか。でも、前の試合で、相手に金的を責められたときの様子が目に浮かぶ。耳をつんざくような悲鳴をあげて、リングをのたうち回っていた。モノ自体は小さかったけれど、これは絵になる、とそのとき直感した。
「ま、知り合いにバレることを心配しているんだったら、問題ないよ。」
と、水泳のゴーグルと大き目のサングラスを取り出した。
「こんな感じで目隠しをして撮るし、そんなに緊張しなくていいんだ。何部だったっけ?サークルは?」
「ワンダーフォーゲルです。」
期待していた体育会系サークル名ではなかった。
「え、それでそんな太い足に?」
「ジムで鍛えてます。」
(できれば学生っていう体で出したいから、ラグビー部あたりにしておくか。)
三上は摩りながら今後の戦略を考えていた。
「自分のカラダで自信のあるところはどこ?」
「腕です。」
と、恥ずかしげに消えるような声で上腕二頭筋の辺りをさすっている。
「来週の昼で空いている時間ある?」
数秒間が空いて、やはり消え入るような声で答えた。
「・・。後で電話してもいいですか?」

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