ゲイなんすっけど、小説書いてみました。

ゲイ系の小説を書いてみました。素人が書く小説ですし、発表するほどのものでもないのですが。エロい内容も若干含まれていますので、気にされる方はお勧めしません。コメント残してくれるとうれしいです。

耐えてみろ!Ⅱ

耐えてみろ!(2)

「ボスッ。」
鈍い音が冷たい室内に響く。
擦り切れたグローブが俺の腹をえぐる。
「バスッ、バスッ。」
リズムよく、グローブは俺の腹を捕える。相手は俺の顔を無機質な目で見て、俺を腹をサンドバックのように、狙い澄まして叩く。
「ボスッ。」
俺は逃れようと腰を引かせるが、鎖で両手を拘束されて吊るされているから、逃げられないし反撃もできない。
ただ、弧を描くように、相手から逃げるだけだ。
だが、相手は少なくともボクシングの経験があるようで、ステップを踏み、リズムよく俺の腹を的確に狙ってくる。
「ボスッ、ボスッ。」
コーナーのロープには、毛の薄く中年太りしたオヤジが、両手をロープに乗せて、薄ら笑いを浮かべながらジッと見ている。
「ボスッ。」
やべぇ、気を抜いたらモロに入った。
慎吾の顔は苦痛で歪む。対照的に、金属質のライトで照らされたオヤジは、軽くうなずいてにやけていた。

10日前、自転車で15分ほどしたところにあるスーパー銭湯に行った。そこは風呂もそこそこ広く、サウナも2種類あるのだが、なぜか日焼けマシンが置いてある。
平日の午後は客も数えるほどしかいない。水曜日の午後は講義もなく、バイトまで時間があるので、週に1回はスーパー銭湯に通ってリラックスを図るのがここ数か月の習慣となっていた。
15分ほど日焼けマシンを使った後、シャワーを浴びてサウナに入った。サウナは薄暗く、特にミストサウナは視界が悪く、近くに来て初めて人がいることに気付くこともしばしばだった。
ミストサウナに入って3分くらい経っただろうか、
「兄さん、いいカラダしてんな。」
と、左手から声をかけられた。慎吾は、ここがゲイのハッテン場になっていることも知っていた。特にサウナがハッテン場としての機能を果たしているようで、ゲイ特有の強い視線を感じることもよくあった。
ただ、慎吾のタイプからは程遠い人ばかりで、今日も声のする方を見ずに、気持ちだけ会釈した。
「兄さん、そのカラダ生かして、仕事してみないかい?」
聞いてもいないのに、こちらの意思とは関係なく向こうはしゃべり続ける。
「何、兄さんのカラダの写真を使って広告作りたいんだわ。3万円払う。どうだ?」
写真で3万?一瞬心が揺れ動いたが、そんなうまい話があるわけはない。ただ、たったそれだけで済むならばという気もあった。
慎吾は水泳で推薦入学していて、寮生活をしていた。ただ、仕送りは授業料と寮費に消えて、残りは自分で稼がなければならなかった。
と言っても、朝も夜も練習で拘束され、疲れ果てた状態でできるアルバイトというのはそんなにあるわけではない。
「いつでもいいんだ、兄さんの都合のいい時でさ。興味持ったら電話くれよ。」
なぜか電話番号の書かれた紙を出して置いていった。サウナに入る前から、知らず知らずのうちに目をつけられていたのだろう。


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耐えてみろ!(3)

「ボスッボスッ。」
くっ・・左脇腹に喰らうパンチがじわじわと効いてきた。半身傾けてかばおうとするが、相手はそれを見越して打ってくる。
リング内に固定されたカメラが一台、またオヤジのところにもカメラがあって、時折モニターを見ながら操作をしている。
いくらバキバキに割れた腹筋を誇る慎吾でも、吊るされ、手の自由を失い、ただ延々と耐えるだけ、しかも崩れ落ちることさえ許されない、絶望的な状況。終わりがあるとすれば、相手が疲れ果てて根を上げるか、それとも・・

3日後、慎吾は思い切って電話をしてみた。話だけでも聞いてみようと。
先方は、ゲイ向けの広告に使うんだと、はっきり言った。カラダだけの写真で3万、顔付きだと5万、いずれも現金先払い。条件として、アンダーウェアはこちらで用意したものを使うこと、拘束時間は半日程度であることを告げられた。
ちょっと早口で説明を受けて聞き逃した点があるかもしれないのと、念を押す意味で、写真撮影だけで3万なんですね、って聞き返した。それだけだと、そしてその場で写真はお互いに確認するとの答えが返ってきた。
金に困っているというわけではないんだけれど、写真で3万は悪い話ではない。時間も融通が利くし。

「ボスッボスッ。」
この単調な動き、決して乱れず的確に腹を狙う感じ、決して強くはないが衰えない威力、当たり前だな。俺は練習台だ。相手にダメージを与えられない、ただのサンドバックだ。いや、サンドバッグより弱い、消耗していくサンドバッグ。
俺の呼吸が乱れていること、俺に余裕がなくなってきていること、でも無表情で俺の腹を打ち続ける。自分のペースを崩さずに、腹だけを狙って。

写真撮影は順調に進んだ。というのも、ただ言われたとおりのポーズをして撮るだけだ。似たような写真ばかりを撮って、チェックした。1時間もかからなかったが、それで3万円をもらった。
「本当にいいんですか?」
こっちが逆に申し訳なく思って聞いた。
「契約通りのことだから当たり前だよ。それにしても、兄さん、いいカラダしてるね。」
既にTシャツに着替えていた慎吾だが、まだ裸体を見られている感じがした。
「兄さん、腹筋がすごいね。鍛えてるんだ?」
まあ、慎吾は腹筋が特に自慢で、水泳以外にも毎日腹筋のトレーニングを欠かさなかった。腹筋のブロック一つ一つが岩でも詰め込んだかのように固く、浮き出ていた。
「でさ、広告で動画も取りたいんだわ。腹筋を殴る、ただそれだけなんだけど、8万、、いや10万でどうかな?」
「それは痛がったり苦しがったりする必要があるんですか?」
妙な質問だった。演技する必要があるのかという、何とも腹筋に自信のある慎吾ならではの発言だった。
「自然でいい、それに演技だとどうしてもわざとらしく映って、ロクな作品にならない。自然体にしていればいい。」
その回答は、それはそれで何か噛みしめると言うか、自分に言い聞かせるような感じでゆっくりと出された。


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耐えてみろ!(4)

ふと、攻撃が止んだ。そして、フックから鎖が外され、さっきまで一方的に殴られた相手に、抱えられるようにして誘導された。
腹筋用の人一人寝られる程度の台に寝かされて、また腕の鎖を腹筋台の脚に縛り付けた。そして決まりきったかのように、慎吾のトランクスを脱がせた。慎吾のモノは、弓形に反り返り、荒い息で波打つ腹に突き刺さっていた。
撮影機材はそのまま置き去りにされていた。でも、なされるがままに身を委ねた。グローブのロープを手際よくほどいて、トランクスを脱ぎ捨てると、小振りだけれども生きのいいモノが、上へ上へと行こうとするかのように硬直して天井を見つめていた。
オヤジは腕組みしたままその光景を眺めていた。慎吾は、ただただ待っていた。ウケはしたことがなかったのだけれども、ウケるんだっていうことが自分でも分かっていた。不安はなかった。こうなることが必然なんだと言う、確信めいた想いを心のどこかで抱いていた、そんな気がした。
トランクスをやや乱暴に脱ぎ捨て、小振りではあるけれども若干上反りになったモノが露わになった。慎吾の両足を広げられて上方に荒々しく持ち上げられた。お互いのカラダは汗まみれで、白色ライトに照らされてキラキラと輝いている。慎吾よりも細く、どちらかというとスリムで華奢な体つきで、体中が静脈が走っているかのように青白い。
けれど、手を通して伝わってくる熱が、これから数秒後に起こることを予感させた。鉄のように固く、しかし熱を帯びたモノは慎吾のケツに押し付けられた。そして、ゆっくりと、ネジを回すかの如く、押し付けられていった。慎吾は、目を見開いて相手の顔を見つめた。相手は慎吾のことに無関心なような、乾いた目をしていた。脚は両腕で挟まれて、一瞬内臓まで突き刺さるような痺れを感じたが、すぐにリズムカルな動きと息遣いへと変わった。
意外なほどすんなり受け入れた自分に驚いていたし、またこのリズムが先ほどの腹をえぐるパンチといかに酷似していることか。ただ一点を目がけて単調に、そして機械的に続けられる動き。相手の半ば義務めいた、好んでやっているわけでもないような態度、そして受け入れている自分も、拘束は外れているにもかかわらず、一連の流れに逆らえない、諦めに似た感情。いつしか相手のリズムは速くなり、軽いうめき声と共に慎吾の岩のように尖った腹の上に噴き出した。
「終わった。」
相手は何も言わずに、そのままシャワー室へ向かった。慎吾もそれに続いた。その間、ずっと無言だった。金は、事前に聞いていた額より3万円多かったが、訳も聞かずに受け取った。その後のことはよく覚えていない。家に帰った後、倒れこむように布団に入り、昏々と眠り続けた。
太陽の強い日差しが窓から差し込んで、目覚めた。長い夢を見ていたようだった。疲労は嘘のように取れ、むしろ爽快な気分だった。何か新しい一頁が始まりそうな、そんな予感さえした。腹をいたわるようになでながら、洗面所に向かった。

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