2020年08月

2020年08月30日

終わりの見えないデスマッチB(24)

それからは、また一から健とトレーニングに励んだ。今までと違う点と言えば、シディークも時々様子を見に来るようになったことだ。健の指導は主に技術面だが、シディークは栄養面とカラダのサポートを主として行った。健に散々やられた後、打ち身に湿布を張ったり、パンパンに膨れ上がった金玉を冷やしたりと、献身的に世話をしてくれた。まだ体毛がようやく生え揃ったばかりで、もちろんそんなに人にマジマジと見られたこともなかったので、最初は恥ずかしかったけれど、それからは何でも相談できる仲になった。施設にいた頃と違って人と接触する機会があまりなく、また健は生来が無口な質で話しかけにくかったと言うのもあった。それこそ、額にできたニキビは潰した方がいいのかとか、髪はどこでカットしているんだとか、包皮は剥いた方がいいのかとか、思春期特有の悩みを相談する唯一の相手であった。ただ、まだ言い出せないでいる深刻な悩みも抱えていた。

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2020年08月28日

終わりの見えないデスマッチB(23)

「なんだ、もっとできるだろ。お前の実力はこんなものか?」と、エビのようにカラダを丸めていた実来の髪の毛をむんずと掴んでカラダを無理に起こさせた。「どうなんだっけ?俺では役不足なんだって?おい、どうした?俺が弱っちいからお前の実力が伸ばせないんだっけ?」と、乱雑に仰向けにさせると足を開き、膝を股間へと押し当てた。「あぁぁ、違います、違います。」「何が違うんだっけ?」と、まるで擂り粉木で押しつぶすかのように、股間をグリグリといたぶり始めた。「あぁぁぁ!止めて、潰れるから止めて、止めてください!」「じゃあ、お前が弱いのは俺のせいか?」「違います、違います。」「違わないだろ?」短パンで隠されていても、不思議と二つの玉の場所を知っているかのように、膝による玉責めは続いた。「本当に!潰れちゃうからぁ、もう許してください。」「じゃあ、俺とお前、どっちが強いか言ってみろ。」「健さん、健さんです。」「本当は違うだろ?」「本当、本当です。」「怒らないから、本当のことを言ってみろよ。」膝はしかし、答えずとも思っていることを何もかも知っているかのように、念入りに潰しにかかっていた。「何でもします、何でもしますから、もう許して・・。」と言うと、ようやく地獄のような玉責めからは解放された。

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2020年08月25日

終わりの見えないデスマッチB(22)

悶える01
シディークが下から心配そうに見つめているのが見えたが、もう後には引けなかった。「金玉行くから、しっかり守っておけよ。」ナデートと異なり、健と実来はほぼ同じような体格だ。急所狙いって分かっているならそれを封じればいい話だ。距離を取って蹴りを繰り出したが、それをまともに受けるとその足を掴んで捻り、そのまま健は全体重をかけて実来のカラダを倒した。「あぁぁぁぁぁぁ!!!」一瞬だった。素材がツルツルの短パンを履いていたので、バスっという、いかにも的確に入ったかのような心地よい音が響いた。健のつま先が実来の股間にめり込んだ。男にしかわからない激痛とよく表現されるが、股間を強打するともう一気に戦おうという気をなくすほど強烈な痛みがギリギリと襲った。「あぁぁぁ。」と実来はリングの上でもんどり返っていた。「言ったのに守らないからだろ。」呻き声をあげる実来に健は非情な言葉をかけた。「おい、そんなの誰も待ってくれないぞ、来い。」しかし、実来は股間をジンジンと波状攻撃のように襲ってくる痛みをこらえるので精一杯だった。「おら、立たないなら、こっちから行くぞ。」と、実来がここだけはと隠している手を無情にも除けて、ほぼ同時にまたも力いっぱい蹴りを喰らわせた。バスっと先ほどと同じいい音を立てて、またも正確に股間を捕えた。「んーん、うーん。」またも、股間に手をやりリング上を転げ回った。さっきの鳩尾とは違って動く元気は何とかあるけれど、痛みは尋常ではなかった。カラダ全体で息をして呼吸を整えようとするが、過呼吸気味でとても立ち上がれそうにはなかった。

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2020年08月22日

終わりの見えないデスマッチB(21)

「どうだった?シディーク先生は。楽勝?」実来は顔を俯いた。健はニヤニヤして顔を上げない実来を見ている。「ちょっとは手ごたえあった?」もう、顔を真っ赤にして俯くしかなかった。健はきっと実来が普段抱いていた不満を皆知っていたのだ。「俺ともやる?」いや、実来は健が足技が使えることを全く知らなかったので、正直驚いた。いつもボクシング用のグローブをはめて練習していたからだ。「いいぞ、同じで、ハンデつけても。」しかし、正直ほぼ互角にいつもスパーリング相手を務めているわけで、ハンデというのは引っかかるものがあった。それに、健に不満があったというのは健の能力不足に物足りなさを覚えていたからであって、それはそれで自分のことを分かっていないなとも思った。「まあ、止めとくか、シディーク先生にしこたまやられただろうしな。」さっき、思いっきり当たって全然歯が立たなかったのは事実だが、健には勝てる気がしていた。「いや、やります。ハンデなくてもいいですけど?」「おいおい、今日は強気だな。ま、ハンデやるから、俺を後悔させてみたら?」実来は顔を紅潮させて、どうなっても知らないぞという思いでリングに上がって行った。

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2020年08月21日

雑記帳(2020/8/21)

半年ぶりにちょっと更新しました。こう見ると、いろいろ書いていますね。俺の場合は途中でも載せてしまっているので、ずっと未完成じゃないかって思っている人もいるのかもしれませんが、・・これって主人公が生きている限りエンドレスですよね。BとかCとかドンドン派生していってますし。「概要」を更新しました。まだ載せていないのもいろいろあります。他の人の小説も読んだりするのですけれど、何かこうピンとくるものがなく。これってのがあればこんな小説なんて無理して書いたりしなくて済むのでしょうけれど。こういうのは好き好きですからね・・。

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toppoi01 at 08:30|PermalinkComments(0)雑記帳 

2020年08月19日

終わりの見えないデスマッチB(20)

「俺が狙うのは金玉。他は皆フェイント。ナデートは何でもあり。簡単だろ?しっかり守れよ。」そっか。それで履いていないんだ。より実践に近い感じだけれど、大きなハンデだ。ナデートの方がカラダは大きいし、なんせその身体中を覆う剛毛がクッションともなるし厳つさを増していた。尻尾も握手ができたりコップを取ったりできる程自由自在だ。足を掴んで倒すくらいわけがない。それでいてこんなハンデを付けるとは、正気の沙汰じゃないな、痛い目に遭って見なければ分からないんだと、健を過小評価している実来はそう感じていた。「がああぁっ。」と獣のような雄叫びをあげて健に突進するが、健の間合いに入ると躊躇した感じがありあり見えた。こっちはもどかしくて見て入れらなかった。そんなの一撃で一発KOできるんだからガンガンいってかましてやれ、そう思っていた。ヒュンと空を切る音がした。尻尾がかなりの速さで健を襲い、背後から膝のあたりを絡めとった。健はバランスを崩し、・・「あがあぁぁ。」と叫んだのはナデートの方だった。尻尾が到達する前に仰け反り気味に倒れていき、足の裏でナデートの股間をかち上げたのだ。「うーん、うーん。」と獣みたいな姿をしていても股間の痛さは変わらないようで、実来も思わず自分の股間に手をやった。シディークがすかさずナデートに近寄って、股間を押さえていた手を除けて、まじまじと見ながら揉んでいた。「あーあ、ひどくやられたね、ナデート。ボールがこんな腫れてるよ。これ、何回やられたの?相当無理したんじゃない?」ナデートは今までの厳めしい顔つきとは打って変わって、シディークの小さなカラダに飛びついて泣き出した。シディークがその大きなカラダを抱き寄せつつ、「もう、まだ早いって言ったのに、聞かないからさ。少しは分かったでしょ?」「だってぇ、だってぇぇ。」と泣きじゃくっているのを横目に、健が近寄ってきた。
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2020年08月16日

終わりの見えないデスマッチB(19)

そこには、あの獣毛をまとったナデートが、うつ伏せになって伸びていた。隣で背なし椅子に座って、健は携帯電話を弄っていた。「やぁ、健。休憩中?」シディークが声をかけると、健が近寄ってきた。「どうも頭では理解しているのかもしれないけどさ、カラダが動かないよ。」「何、ディフェンスのこと?」「そうそう、倒そうって気ばかり強くて防御が疎かになっているって言ってんのにさ、分かんないんだよね。」よく見ると、ナデートはアンダーウェアを身に着けていなかった。黄色の毛で覆われた尻尾と対照的に、尻がきれいにツルツルなのが際立って見えた。「ああ、じゃあこの実来と同じだ。」「え、手加減してくれた?」「もちろんだよ。大事な君の実来を壊したら、僕、どんな目に遭わされるんだか。」ってシディークが笑っている。健はシディークよりも強いのか?そもそもなぜナデートは伸びているのだろうか?「まあ、いいよ。約束でシディークに戻すってことにしてあるから。」ん?もしかして、お互いに戻すって約束させてスパーリングさせていた?「ナデート、じゃ、約束だから。」「まだ、まだ、俺、できる。」俺と同じことを言っている。「いいけど、同じだろ?」と、健はグローブを器用にはめ始めた。

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2020年08月14日

終わりの見えないデスマッチB(18)

「じゃ、約束は守ってくれるよね?」呻吟している実来を上から見下ろす形で、心配そうに見つめながらシディークが話しかけた。約束・・吐き気が邪魔して声を出すことさえできないが、肯きもしなかった。「僕から健に言うよ。健はボクシングというルールの縛りで、君に手加減をしていたんだし。」「なんで・・。」と言おうとしたけれど、声に出すことは叶わなかった。「健に逆にスパーリングの相手をしてくれって言ったらどうかな?そうすればボクシングって縛りはなくなるわけだから。それでも健に不足を感じたら、僕のところに来たらいいよ。」「・・・。」約束なので、こっちから言う権利は何もなかった。しかし、こんなにまで力の差があるとまでは思わなかった。シディークは何者なんだ?「そうそう、健はナデートとスパーリングしているんだった。見てみようよ。」と、未だに鳩尾への鈍痛で動くのもままならない俺の手を引いて、奥にある、まだ入ったことのない密室に入って行った。

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