2023年01月31日

ウルトラマンジャック(6)

一番衝撃を与えたのは、久喜のイオンの屋上に現れたときだった。「おっと、現れました。ゼラブ星人に遅れること5秒、ウルトラマン、直近の戦いでは骨を少なくとも3か所は折られているのですが、全くダメージはないようです。」前回の戦いで、明らかにウルトラマンは骨折をして絶体絶命だったのだが、なぜか次に現れるときには無傷の状態で現れる。地球の科学では何ともならないが、ゼラブ星人は超回復の技術を持っているようだ。「われらがウルトラマン、いつものように果敢に挑む、キック、今日はキックが冴え渡るが、ゼラブ星人には効いていないようだ。」と、ウルトラマンについていうと、ゼラブ星人に対しての攻撃は単調で、そもそもゼラブ星人と戦うようにインプットされているようにしか見えないくらい、現れるとすぐに戦い始める。ゼラブ星人自体は、攻撃は得意ではないらしい。ただ、カラダが鋼鉄でできているので、むしろ攻撃をする側がダメージを受け、最後の方はグダグダになって時間切れになるのだが、今日はかなりのハイテンションでゼラブ星人を圧倒しているかのように見える。ゼラブ星人はカラダが固く、腕も足も短いので、足はせいぜい60度くらいしか上がらないし、腕も振り回すくらいしかできない。しかし、アクシデントが起こった。ウルトラマンが蹴ろうとしたところ、水たまりに足を取られて滑り、結果ゼラブ星人の頭部に股間が激突したのだ。股間を両手で押さえて緑色の床を転げ回るウルトラマンの姿を見て、ゼラブ星人がおそらく笑っているのだろう、衝撃波のような音波が検出された。人間の耳では鼓膜のすぐ近くでセミが鳴いているような、途轍もない音であり、デパートの周辺に集まった人も皆地べたにうずくまって耳を塞いだ。そして、それ以上の進展は見られず、泡を吹いて白目を剥いて痙攣しているウルトラマンと音波を出して体を揺らすゼラブ星人は、カラータイマーの点滅のタイミングで時空の歪みへ消えていった。

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