2019年12月13日

イスラエル王ダヴィデ(7)

そして、ダヴィデは実行の翌朝に目が覚めると、その8つに割れた腹の上にずっしりと重く、そして自らが誇る鋼の腹筋よりも硬いのではないかと思われる棍棒状のモノが堂々と横たわり、そしてヒクヒクと蠢いているのを見て歓喜した。神が我が呪いを解いてくださったのだと。しかし、ダヴィデは致命的な勘違いをしていた。そこがクピドのままであれというのは神の意志であったのだ。世の中の慢心や驕り高ぶりの元凶をクピドのままにしておくことで、イスラエルの国を安泰に末永く治めさせることが神の意志であった。ダヴィデは自分は神に匹敵する姿を身につけた、そう思うことが背徳であり神の忌避することであった。神は激怒し、首都エルサレムに疫病を流行らせた。急激な人口低下により治安は急速に悪化し、首都エルサレムのみならず、旧ユダ王国も反乱を起こした。バビロニア王ネブカドネザルは、旧ユダ王の導きによりエルサレムに入城すると、ダヴィデ王を難なく捕虜としてバビロンに連れて帰った。ダヴィデはバビロンの中央広場にある大理石で造られた建造して間もないネブカドネザル像の脇に、ただくすんだクリーム色をした皮の腰巻きだけをまとった姿で、鉄の鎖で両腕を上げるようにして、また脚には重りで両足首がつながれていた。鍛え上げられた肉体に、両腋からはみ出るように生える腋毛と、臍から下腹部にかけて密生する臍毛が、勇猛な戦士であったダヴィデの、しかし王になった今でも健在であるという姿をまざまざと見せつけた。すると、まだ髭も生えそろわないくらいあどけない顔つきだけれども、まだまだ育ち盛りではあろうが既に一人前の大人程まで背が伸び、健全に育ってきてはいるものの、陰鬱で眉間に深い皺を寄せた目つきの鋭い少年が現れた。よく見ると亡きゴリアテにそっくりだった。その少年は、ダヴィデを憎々しい表情で見つめると、簡素な腰巻きでは到底隠せきれずにその大きさを見せつけているモノにめがけて勢いよく蹴りつけた。

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