2019年12月07日

イスラエル王ダヴィデ(4)

ダヴィデは巨人ゴリアテの首を切り落とし、名声をあげた。そしてバビロニアと屈辱的な領土割譲条約を結ぼうとした旧王を退かせ、新たにダヴィデを新王に据えたのである。一方で、隣国ユダでは、神が古に起こした大洪水の教訓から民の安全を確保するため、バビロニアの支援を受けて通称バベルの塔の建設に取り掛かっていた。多くの人民がこの一大プロジェクトに駆り出されたが、ユダ王エホヤキンの狙いは、そんなところにはなかった。人間がアダムとイブしかいなかったころ、アダムは天使ガブリエルに尋ねた。人間は果たして天使になれるのかと。ガブリエルは、神に仕えていれば、天国へ上り、そして天使の道が開けると確かにこう言ったと伝承されている。しかし、アダムは神が定めた掟を破ったために地上に落とされたのだ。エホヤキンは考えた。天使に翼があり、アダムとイブは落とされた、つまりは天空に天国があるのは間違いない。我々は翼がないから天国に行けないのだ。であれば、天高い塔を作ればいいのではないか、そして天国に限りなく近づき、そこから支配するものは自然と聖的な力を与えられ、民は自らを神と同一視するに違いない。そうすれば、敵国イスラエルを倒し、神聖ユダ王国を建てることができるのだと。

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