2019年12月05日

イスラエル王ダヴィデ(3)

そして、ゴリアテの目に、やはり頑健なカラダつきで周囲からも卓越して見えたダヴィデの姿が止まった。両手に刀を持ち、イスラエル兵の死骸を踏みつけながらゆっくりと進んできた。その前にいたイスラエル兵は果敢に立ち向かったが、ゴリアテの敵ではなく、ただ一太刀で致命傷を受けて次々に倒れていった。だが、ダヴィデは神から祝福されており、その運命は神によって決められていた。大きな岩のかけらを持つと、その類い希な力でゴリアテめがけて投げつけた。さすがにこの至近距離では避けきれず、かといって剣で受けては刃がこぼれてしまうので、ゴリアテはその鍛え込まれた腕で、そして胸で受け止めた。むしろ岩の方がその硬さに耐えることができず、無数の欠片となって砕け落ちていった。「化け物だ。」ダヴィデはそう思ったが、背を向けては殺られる以外に選択肢はない。ゴリアテは大きな刀を煌めかせながら、殺意を持って近づいてきた。武器を持っていないダヴィデには、ここに落ちている岩が唯一の武器であった。黒く輝き、小さいながらも結構な重量のある石を取り上げて、その石に願いを込めて投げつけた。
「あうぅぅ。」
その石は、ゴリアテの頭附近を狙って投げたようだったが、ある時点で急に降下して、弧を描いてゴリアテの腰に巻かれた帷子をものともせずに下腹部に命中した。ゴリアテはたまらず二つの刀を放りだし、実にあっけなく仰向けに倒れた。ダヴィデは何重にも巻かれた帷子を力任せに剥ぎ取ると、先ほどの石でその巨人に見合った立派なモノへと渾身の力を込めて叩きつけた。
「うがぁ、うがぁ!!!」
その石を下腹部に振り下ろす度、ゴリアテのカラダは大きく跳ね上がり、その振動がダヴィデにも伝わってきたが、次第に声も小さくなって反応も薄れてきた。見たこともないほど巨大なモノだけに無我夢中で叩き付けたため、その立派なモノは内出血で真っ赤に充血してただでさえデカかったのにさらに太さを増し、その背後にある二つの玉は、あまりの衝撃で一つは袋に入りきらないほどにパンパンに膨れ上がり、もう一つは潰れてしまっていた。すっかり意識を失ったところで、ダヴィデはそこに落ちていた大きな刀でゴリアテの首を切り落とし、禍々しく彩られた首を上に掲げた。すると、そのゴリアテの死に恐れをなしたペリシテ人は、一気に兵を引いたのであった。

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