2019年09月04日

デリバリーC(6)

「ぐおっ。」
下腹部から突き上げるような痛みが耕太郎を襲った。淳平の拳が耕太郎の無防備な股間にまともに入ったのだった。
「いい声、やれば出せるじゃないっすか。もっと聴かせてくださいよ。」
と、股間にめがけて正拳突きを繰り返し喰らわせた。耕太郎は腰を引いて庇おうとするが、もちろん無駄な努力で、狙い通りに正確にヒットした。
「あっ、ああぅ、ああぁぁぁ。」
と、悲鳴に近い甲高い叫びが倉庫に虚しく響いた。
「やべえ、こんな筋肉してるくせに女みてえな声出してやがる。もうすぐ本物の女にしてやっからよ。」
と、またも正拳突きを股間へとめり込ませた。さっきのボディブローとは違い、しっかりとしためり込むような感触が手に感じられた。腰を引いて少しでも避けようとするそのポーズが、日頃の益荒男ぶりの耕太郎とは打って変わって対照的で滑稽だった。
「止めろ、もう止めろ、本当に潰れるから止めてくれ。」
「何、こんな小さいもん、いっそのこと潰したって構いはしねーんじゃないっすか?潰しちゃいましょうよ、わけないっすよ、こんなの。」
と、また一撃を喰らわすと、
「ひぃぃぃ。」
と気管支の奥から漏れ出てきた悲鳴のような、さらに甲高い声を上げた。
「こんな小さくても男の痛みっつうのは同じなんっすね。勉強になるわ。いやらしいっすよ、耕太郎さん。」
乱雑にその小さな股間を揉みあげる。耕太郎の褐色の筋肉が汗でじっとりと濡れて、その一部が雫となって床に滴り落ちていた。倉庫のやけに突き刺すような白色灯が、筋肉のくびれや苦悶を一つ一つ浮かび上がらせて芸術的に煌めいていた。鍛えられた太い足をキュッと閉じて、腰を引けるだけ引いて痛みに耐えていた。苦悶に引き攣る顔が、どうしようもなく愛おしく感じた。
「キスしていいっすか?」
「・・・。」
「それとも、まだやられ足りないっすか?」
と拳を股間にそっと当てたので、首を大きく分かるように横に振った。

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toppoi01 at 07:30│Comments(0)デリバリーC 

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