2019年08月21日
デリバリーC(2)
淳平が残って集荷の仕分けをしていた。ドライバーは担当エリアが決まっているので、どこをどうやって配達したらいいかということを予め決めている。ただ、指定配達時間や急な集荷、クール便など期限付きで配達すべきものなどいろいろあるので、荷物の入れ方もただ漫然と積めばいいと言うものではなかった。耕太郎のように考えて行動するタイプの人間には簡単でも、淳平のような、根っからの行き当たりばったりで生きてきたような人間にはそう簡単にできるものではなく、いつも積み残しができ、それが累積していつも遅くなってしまうのであった。耕太郎は、そんな淳平のことを仕事熱心で、仕事を抱え込んでしまっているからいつも夜遅くまで残ってやっているんだなと誤解していた。これは、耕太郎の人のいいところを進んでとらえようとする性格から来るものであって、大抵は好循環でうまくいくのであるが、今回は逆効果であった。「手伝おうか?」と淳平の答えを待たずに荷物の仕分けをして、ある程度見通しがつくと、「じゃあ、また明日。」と急ぐように帰っていく、そんなやり取りが数回行われた。
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toppoi01 at 08:30│Comments(0)│デリバリーC