2019年08月19日

デリバリーC(1)

「お疲れ様でしたぁ。」「お疲れぇっす。」22時になると続々と営業所に配達を終えた者たちが戻ってくる。連れだって飲みに行くものもいるが、大抵は終電を気にしつつ家路に急ぐ。もちろん仕事着を着替えてから帰るのだが、耕太郎だけは仕事着のまま帰ることがあった。もちろん気にする人もいて聞くと、「急いでるんっすよ。」との答えが返ってきたが、確かに耕太郎は他のドライバーよりも急いで帰り支度をしているのはよく分かるが、それにしても着替える時間なんて大したことはないし、かといって着替えて帰る日ももちろんある。朝が仕事着で来ることはないので、大抵着替えを持って帰るのだ。急ぐという理由もよく分からない。終電にはまだ時間は大分あるし、こんな時間から約束などしないだろう。皆それぞれが忙しいから気にも留めていないが、淳平は引っかかっていた。淳平はふとしたことから携帯のアプリを見て、耕太郎がゲイであることを知っていた。なので、大体見当は付いていた。

人気ブログランキングへ ブログランキング・にほんブログ村へ
にほんブログ村

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
toppoi01 at 08:30│Comments(0)デリバリーC 

コメントする

名前
 
  絵文字
 
 
アクセスカウンター
  • 今日:
  • 昨日:
  • 累計:

記事検索
最新コメント