2019年06月26日

堕ちるところまで堕ちて(18)

目論見が外れてしまったと言うこともあるが、そもそも楽勝と思っていたことが、いざやってみるとこんなにも思うように行かないということを思い知らされた。もう止めておいた方がいいのかなという感じもするが、もっと簡単なことをやればいいんだ、別に鍛えられた俺のカラダが目当てって奴だっているんだろうし、ごく普通の奴らとは違うんだから。早速赤ら顔のオヤジに電話をかけてみた。そして、またいつものゲイバーに呼び出された。
行くと、赤ら顔の親父はさらに顔を赤くして、でかい声で店子と何やら話して、下品でけたたましい嗤い声を上げていた。
「おお、来た来た。」
「やだ、あんた、勃たなかったんだって?」
と店子とすれ違い様にいきなり股間をむんずと掴まれた。ま、話すよな。来ていたオヤジたちもきっと俺のことを方々で噂して、そのうち行くところ行くところで意味ありげな含み笑いをされることだろう。勃たないのが普通だろ?あんなオヤジに性欲感じる方が異常なんじゃねーの?とファウンデーションを塗りたくって自分のネイルアートに見入っている店子に唾でも吐き掛けたくなったが、赤ら顔のオヤジが酒臭さと魚が腐ったような口臭の入り混じった吐息をして話しかけてきた。
「どう、あれからヤッた?」
と、人差し指と中指の間から親指を出して気味の悪い顔をして聞いてくる。
「ヤッたって何をですか?」
「あれっきりインポになったか心配でよ。」
とゲヘヘヘと下品な笑い方でこっちを見ながら尋ねる。決して心配している様子などこれっぽっちもない。欠けた前歯から食べかすが飛び出した。
「いや、それは平気ですけど。」
「なんだ、辛気臭いな、飲むか。おい、ウーロンハイ一つ。」
「イヤ、俺は大丈夫ですから。」
「で、どうするよ?」

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