2019年05月15日

デリバリーB(7)

「そうそう、この分銅みたいなのが気になるよな。何に使うんだ?」
500グラム単位で、上がフックになっている。それがいくつもあって、おそらくつなげて使うもののようだ。ふと、床を見るとS字フックがセンターに付けられた針金が落ちていた。それを取ると、普通の針金よりも随分と柔らかい素材だった。
「なるほどなるほど、こんなのをわざわざ手作りで作るんだ。面白いな。自分で使ったことあんのか?」
「いや、これはマジで無理です、本当に、勘弁してください。」
「いやいや、それはないわ。」
分銅を複数手の平の上に乗せ、こっちに持って来た。
「これからは自分で試してからやろうぜ。」
縮みあがった金玉をむんずと掴み、手荒く引っ張ると、職業柄慣れているのか手際よくその針金を根元に巻いた。半勃ちだったモノも徐々に元気を取り戻し、左へと湾曲して硬直していった。
「何だ、まんざらでもなさそうじゃねーの。嫌よ嫌よも好きのうち、か。」
と、500グラムの分銅を吊り下げた。足を閉じて分銅を支えるようにしたので、金属やすりで活きのいいモノを思いっきり引っぱたいた。
「開け、ちゃんと足を。もっと、もっとだよ、そうそう。おっほー、すっげえユラユラしてんぜ。もう1個いってみっか。」
と、さらに500グラムの分銅を下げた。金玉二つが皺が取れ、剥き立てのゆで卵のようなきれいな形をしていた。篤の足はプルプル小刻みに震えていた。
「おいおい、動かない方がいいんじゃねーの?分銅がユラユラ揺れちゃうよ。」
吊り下がった分銅は、小さく弧を描くように回転していた。そして、一気に1キロの分銅を追加してぶら下げると、金玉は尋常ではないほどに垂れ下がって赤く紅潮した。
「ぐわぁぁぁぁ!!!」
という悲鳴とほぼ同時に、元々柔らかめの素材の針金だったからか、重さに耐えきれずにすごい音と立てて床に落ちた。

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toppoi01 at 08:30│Comments(0)デリバリーB 

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