2018年02月06日

デリバリー(11)

下とは逆に、上の方ではキスを止めて、恍惚に浸る顔を眺める耕太郎の姿があった。 「痛くない?」 「平気です。」 と、また耕太郎は今度は軽く口づけをすると、腰をゆっくりと振り始めた。腰を振るたびにそのくっきり割れた腹筋が波打ち、そして熱く熟れた胸の筋肉が揺れ動く。胸から上は熱を帯びて赤くなり、また腰遣いは最初はゆっくりだったが徐々に速くなっていき、腹筋が忙しそうに蠢いていた。「すごくいいぞ。」 と、達彦が耕太郎の頭を撫でる。耕太郎は達彦の一方の手を重ねて、絡めて握り締める。達彦のもう一方の腕は耕太郎のゴツゴツした岩盤のような不揃いで荒々しい腹筋の上に置かれ、そして日頃の労働の蓄積によって筋張った胸の上にある乳首を刺激するかのように指がそっと乗っていた。時折、まるで耕太郎のより深いところまで貫くドリルかの如く、先端が怒張してねじ込むように入る。その到達した箇所は、先ほど指で丹念に、そして執拗に責められた敏感な部分でもあった。先端部の張りが、一番敏感な部分を刺激するたびに、耕太郎は今までとは異なった、もっと喉の深いところから発せられるようなくぐもった、そして甲高い声を上げる。 「ううん、ああん。」 と、自分でも意識して発せられないような奇声が自然と漏れる。カラダを後方にエビ反りになって、指よりも数段に太くて硬いけれども、その動きとはまた異なったリズムカルな動きが、まるで押し寄せる波のように波状的に耕太郎に伝わり、快楽が脳へと達するのである。耕太郎のカラダが不規則に震え出した。リズムカルな吐息と漏れて聞こえてくる奇声、そして出し入れするときの潤滑油との摩擦音だけが、この空間の音全てだ。まるでホールで交響曲を聞いているかのようなストーリー性を持ち、そして隅々まで響き渡りカラダの筋肉が解れていくようなこの三重奏。いつまでもこんな状態が続けばいい、薄れゆく意識の中で耕太郎はそう思った。
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toppoi01 at 08:00│Comments(0)デリバリー 

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