2017年12月01日

スプラッシュ(4)

「ちょっとさ、それ何?」不愉快なことがあった後で、ビールの勢いもあってか、普段は隠れている正義感がもたげてきた。「だからオナニーショーだって。」「お兄さん、してるっしょ、しょっちゅう。」金髪で髪の長い男がちょっと上ずり気味の声で言い、手を丸めてしごく動作をすると、また一人を除いて爆笑が起こった。残された一人はずっとうつむいて動かなかった。正義の味方登場なんだから、ちょっとは目を輝かせて喜んでもいいだろうという感じだ。もう一人の気持ちばかり口ひげをはやした男がポッケに両手を突っ込んだまま近づいてきた。「あのさぁ、別に用ないならどっか行ってくれる?」と、そのとき、今までずっと下を向いて硬直していた男が脱兎のごとく反対方向へ駆けだしていった。「おい、待てコラッ!!!」「ふざけんなテメェ!!!」「分かってんだろうな?」ぬかるみに足を取られながらも全力で走り去っていく姿を、皆あっけにとられたように罵声を浴びせながら、誰も追いかけることなくただ見つめていた。
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toppoi01 at 08:00│Comments(0)スプラッシュ 

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