崇は無言でその熱くなった部分に手を差し伸べる。固さを確認するかのように、そしてこの行為が当然であるかのようにきわめて自然に、緩急を込めて握っていった。
そして、またそんなことを忘れたかのように話し出した。
「腹筋かな、やっぱり。この鏡、ちょっと持ってくれる?」
長方形の鏡を差し出されたので、受け取った。
「右と左の腹筋でずれているの、分かる?鍛え方を同じにしているつもりでも、どうしても偏ってしまいがちなんだよね。」
説明は淡々と行われているが、崇の膝は、その固くなっている部分をゴリゴリと回すように押している。
「腹直筋の方より腹横筋、腹斜筋の方を見ると分かりやすいかもね。ああ、鏡じゃ分からないか。ここはインナーマッスルって言ってさ、」
スウェットは淡々と説明する中で自然と脱がされ、また崇も履いていたロングパンツを脱ぎ、トランクス1枚になった。腹の辺りから、また胸にも、腕にも太い血管がくっきり浮き出ている。体毛は濃くはなさそうだけれど、臍の辺りから急にその下へと腹毛がラインを描いている。トランクスからもわっと熱を帯びた圧力が伝わってくる。崇はもう説明を止めていた。崇の汗がボタボタと滴り落ちて慎吾のカラダを濡らし、渡されてただ天井だけ写されている手鏡にも垂れ落ちている。古びた扇風機がいくら激しい音を出して風を生みだしても、湿り気を帯びた熱風となって返ってくるだけだ。男臭くて、じっとりとまとわりつくような風にあおられた汗がそれぞれのカラダを凄まじい勢いで流れ落ちる。慎吾の方から悟のトランクスのあるべきところを掴んだ。そんな大きいわけではないけれど、確かにそのモノは存在感を顕わにしていた。ほぼ一緒のタイミングでお互いの下着は取り払われた。悟は慎吾のその白くて無駄なところのない脚を両腕で開くようにして持ち上げて、そして黒々とつやっぽく輝き天を向いているモノを足の根元へ、そして引き締まった尻の間へと惹きつけられるかのように徐々に持って行った。そして、そのモノは、特段何も塗っていなかったのだが、汗とその先端から溢れ湧き出てくる液体のおかげで、吸い込まれるかのように慎吾の中へと入っていった。慎吾は痺れるような感覚を味わっていた。
崇は滝のように流れ落ちる汗を拭きつつ、慎吾を見下ろす形で腰をリズミカルに振っている。そして、右手で慎吾の凸凹して、臍の辺りの溝にところどころ汗溜まりのできた腹筋を撫で回し、そして時折拳をその腹筋に向かって振り下ろした。腹への衝撃より、その腹筋へと打ち込むタイミングで中に入っているものが跳ねるように踊る様子が中から感じられた。妊婦が「赤ちゃんが足で蹴っている。」っていうのはこんな感覚なんだろうかと、ふと永遠に体験することのない妊婦のことを思った。思ったより早く、その瞬間はやってきた。「ううっ。」急に結合から離れたと思うと、その液体は弧を描いて、慎吾の顔の上方を通過して斑模様になった柱の手前まで到達した。崇は、事が済むと、肩で荒く呼吸をし、そしてふわっと、急にバランスを失って、慎吾の方へ倒れてきた。慎吾は軽く抱いて、崇を仰向けに寝かせたのだった。


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