2017年06月13日

終わりの見えないデスマッチ(30)

腹蹴り0011
今日の試合はまさしく人間と言うよりはゴリラでも相手をしているかのような、ひどい組み合わせだった。プロとは言わないが、レスラーのように筋肉で覆い尽くされたカラダで、体重にすれば俺の1.5倍はあるのではないかと思われる男だった。オッズもさすがに今までにないくらいな開きになった。俺はどこか頭が朧気というか、何かガラスの破片が脳の深くに刺さったような、妙な感覚だった。試合に勝ちたいといった欲がなかった。むしろ他の人が試合をしているのを遠くで見ているかのような、客観的というか他人事のような感じで試合に臨んだ。試合が始まったが、相手には余裕がありありと感じられた。どんな衝撃も吸収してしまうだろう胸の厚み、俺の脚よりも太いと思われる胸、腹も筋肉でプロテクトされているようにどの部分も隙間なく囲われている感じだった。首から肩にかけても、こんなところまで鍛えられるのかと言うくらい筋肉が付いていて、足も棍棒なのかと言うくらいの膨れぶりだ。一撃を喰らえば致命傷なのだろうし、明らかに俺の攻撃を待っていた。掴まれても終わりだ。
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