2017年06月04日

終わりの見えないデスマッチ(21)

「治まりました?」智哉が、先ほど拳で突き上げた玉を優しく揉みほぐす。「強くなったな。」智哉の長い髪を掻き分けるように撫でる。「ケツの方がズキズキする。」元々、弘一はバックの経験がほとんどない。しかし、智哉だけは受け入れるのだった。そもそも、智哉とは、このタワーマンションに附設されているジムで知り合った。当初は黙々とトレーニングをこなしていた二人だったが、ミストサウナで一緒になったときに、お互いがお互いを見つめあい、磁石の如く惹かれるようにキスを交わしたのだった。お互いのカラダが何かを嗅ぎ取ったのだろう、そこで試合のことを聞き、そして観覧をして、試合そのものよりも弘一と言う存在に深く入り込んでいったのであった。「なぜ、試合をするんですか?」弘一に聞いたことがある。「分からない。」それが答えだった。答えになっていないようで、答えを出しているのだろう。金が稼ぎたいわけではない、もちろん名声でもない。自分の可能性をとことん試してみたいからなのだろう。ただ、優勝とか最強とか称号や権利がもらえるわけではない。試合の積み重ねにしか過ぎない。ただ、経験値の蓄積が答えで、智哉の存在はその答えに包含されている。ふてぶてしくシャープな腹の上に乗っかっている弘一のモノを手の平に乗せてみた。その先からは5分ほど前に噴水のように飛ばした後に遅れて溢れ出してきた液体が染み出していた。さっきまで静かに横たわっていたものが、また徐々に重みを増して硬直していった。「風呂、入るか。」「はい。」そして、二人は温かいぬくもりの中で、また一つになった。

人気ブログランキングへ ブログランキング・にほんブログ村へ
にほんブログ村

コメントする

名前
URL
 
  絵文字
 
 
アクセスカウンター
  • 今日:
  • 昨日:
  • 累計:

記事検索
最新コメント