会場はざわつきだし、ブーイングも聞こえてきた。何人かがそいつを取り囲んでリングに戻そうとしている。賭けている奴らだろう。リングは2回まで降りていい、ただ、1分以内に戻らなければ負けになるというルール。もしくはダウンして10秒間立ち上がらないか、3回リングをタップすれば負け。セコンドがいるわけではないから、傷の手当ても水の補給もしてくれない。負けたものにあるのは野次と罵りだけ・・野次だけならかわいいものだが、大抵裏で焼きが入ったりするんだけどさ。どうも色黒は号泣しているらしい。こんなんじゃいくら説得したって試合にならないわ。新人と言っても、別に俺みたいに金に執着せず、ただ試合をしたいから出てきているわけではない。その筋の下っ端だったり、借金かさんだポン引きだったり、詐欺グループの金の受け取り役だったりと、訳アリの人たちが集まる。ま、ボクサー崩れとか相撲部屋を抜け出してきたデブとか、体重体格差すら関係なく千差万別だけど、裏組織とのつながりがある以上、金を賭ける人、試合をする人、ここにいる人全てが裏ルートから何らかのつながりがあって来ている人だった。片輪のじいさんがリングを掃除しているから、ケリがついたのだろう。勝者の青いバンドをつけたのが戻ってきた。眉毛細いし色白と言うよりも青白くて喧嘩が強そうにも見えないけど、あのパンチはボクシングでもちょっとはかじっていたのかもな。
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