2017年05月03日

堕ちるところまで堕ちて(8)

大きな図体をした男に手錠を外され、赤い顔をしていつものにやけた笑いを浮かべたオヤジと、痩せぎすで金庫を開けて札を数えている中年の、浩輔を含めて4人がこの空間に残っている。
「どうだった?浩ちゃんよ、感想は?」
まだ頭の整理ができていなかったので、何も言うことはできなかった。
「これでチャラよ。」
「あの・・」
なんだか合点がいかないが、とりあえずこの行為に金が絡んでいることは間違いなさそうだった。
「これは一体どういうことなんですか?」
「何、秘密倶楽部とでも言えばいいかな?俺もそうなんだけどさ、会員になると不定期にこういう、ショーっていうと大げさだけどさ、まあ特典があるわけよ。月会費を払えば無料で楽しめるわけ。」
「いえ、でもあれは何ですか?」
千円札を何度も何度も手に唾をつけながら数えている。
「お、目がいいね。賭けだよ、賭け。分かる?」
さっぱり見当がつかない。
「1人1000円で2回のチャンス、勃たせることができたら返金、できなかったら没収。見事勃たなかったから、こっちの収益ってわけ。」
なるほど。まあ、よほどの汚れ専でもなければこんなのに勃つ奴なんていないだろう。
「今回はまあ訳ありなんでこっちの収入だけどさ、本来は演者の取り分なんだよ。」
え?
「だって、そりゃそんなの、我慢比べなんだからさ、演者に実入りがなかったら成立しないだろ?」
「あの、ちなみに、・・。」
「なんだ、興味あるの?」
説明を聞くと、週末にこうしたショーが行われる。ベースは今のような手首を後ろで縛られた状態で立ち、それを多数参加型でいたぶる形式だが、今回のような「賭け」ではなく、普通は「競り」らしい。そして、「競り」の部分は一部を除いて演者に入るそうだ。ただ、「競り」にかからなかったときは、供託金が没収される。
「きょーたく金?」
「まあ、登録料みたいなもんだな。出るのは勝手だが、需要と供給でなりたってるんでね。需要がないのに出られても困るから、供託金ってことで演者からもちょっともらってんのよ。もしなんなら、次のショー見てみるかい?タダだから見るだけで参加はできないけどさ。」
ショーがあっけないほどすぐに終わって、取り立てて用もなかったので、ちょっと見物することにした。

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