2017年04月18日

耐えてみろ!(5)

「惜しい。これは一つしか入れられないだろ?分詞構文だよ。」
後ろから先生が声をかける。でも、声をかけられたかと思ったら、前の奴に声をかけている。
「うん、そうそう。ん?ここはもうちょっと考えた方がいいな。ヒント。「か」。」
夏期講習。いつもとは違って、見慣れない奴も半分くらい混じっている。先生、前の奴なんて昨日初めて会ったんじゃん?
「おー、正解。やるね。」
先生は右に左にと声をかけながら、生徒のプリントをチェックしていく。
先生、もう俺終わったよ。でも、先生は俺なんか最初から見えていないかのように、他の奴に声をかけている。
「はい、では、だいたい終わったようなので、32ページを開きましょう。仮定法はよく出るので、もう一度確認します。」
うーん、先生はかっこいいね。今日は黒縁メガネをして一段と冴えている。背も高いし、甘いマスクで、うーん、絶対彼女いるよ。
「(3)admitは分詞構文にすると、長塚君。・・長塚君?」
え、え、俺?何、何?
「難しいかな?これは過去分詞だからadmitedだね。次、(4)。」
やっちまったー。下手こいた。先生の前でいいとこ見せられなかったー。
「じゃ、今日はここまで。」
先生が言うのを待って、皆帰り支度をする。夏期講習以前からいる生徒のうち何人かは先生を囲んでいる。
「先生、彼女いるの?先生、いくつ?ねえ、先生。」
ウッセー女だな。俺の先生に軽々しく声かけるな。心にそう念じつつ、ダラダラと分厚いテキストをリュックに入れる。次は数学なので別の教室に行かなければならない。
「先生、腕相撲やろうぜ。」

人気ブログランキングへ ブログランキング・にほんブログ村へ
にほんブログ村

toppoi01 at 18:16│Comments(0)耐えてみろ!Ⅲ 

コメントする

名前
URL
 
  絵文字
 
 
アクセスカウンター
  • 今日:
  • 昨日:
  • 累計:

記事検索
最新コメント