2017年03月13日

そんなに仕事が大事?(2)

「何、前に言ったじゃん。何で分からないの?」 「それくらいのこと、言わなくても分かるじゃん。何年付き合っているの?」 「ねえ、本当に俺たちって恋人?俺のこと理解している?ねえ?」 「目を見てよ。恋人なんでしょ?目を見られない理由は?」 「ねえ、口あるんだから何か言えるでしょ?ねえ、ねえって。」 「本当に忘れてた?本当に??付き合った日を?今まで、俺たち何だったの?ねえ、ずっと前から約束していたじゃん。一昨日も念を押したよね?何で?ねえ、何で?」 「ふざけないでよ、こっちはずっと前から楽しみにしていたのに、そんな仕事の方が大事?」 「聞いてますか、6%。理由を私は知りたいですね。なぜ故に6%という数字が出てきたかを。」 信明は堰を切ったように、頭、顔、膝、胸、ふくらはぎ、背中、尻、二の腕、首を掻きむしり出した。そして、席を立ち、猛烈に掻きむしった。ネクタイを緩め、ワイシャツのボタンをはずして直接胸の辺り、背中をかき、ワイシャツの手首のボタンを外して腕をボリボリ、また肩の肩甲骨の辺りをかき、足も靴のまま、ふくらはぎ辺りをまずは右足で、そして左足でかき出した。 「仕事、仕事、大事じゃない、大事ではない。」 頬を激しく掻きむしり、頬から血が滲み出てきた。頭もかき毟って、ジェルで固めた髪の毛が最早見る影もないようなクセ毛になってしまった。 「どうしましたか?佐々木君、君、何しているんですか?」 「あぁぁ、あぁぁわぁ!」 制御不能で、皮膚の中のいたるところに糸のように細い虫が這いまわっているような感覚。

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