ふと、攻撃が止んだ。そして、フックから鎖が外され、さっきまで一方的に殴られた相手に、抱えられるようにして誘導された。
腹筋用の人一人寝られる程度の台に寝かされて、また腕の鎖を腹筋台の脚に縛り付けた。そして決まりきったかのように、慎吾のトランクスを脱がせた。慎吾のモノは、弓形に反り返り、荒い息で波打つ腹に突き刺さっていた。
撮影機材はそのまま置き去りにされていた。でも、なされるがままに身を委ねた。グローブのロープを手際よくほどいて、トランクスを脱ぎ捨てると、小振りだけれども生きのいいモノが、上へ上へと行こうとするかのように硬直して天井を見つめていた。
オヤジは腕組みしたままその光景を眺めていた。慎吾は、ただただ待っていた。ウケはしたことがなかったのだけれども、ウケるんだっていうことが自分でも分かっていた。不安はなかった。こうなることが必然なんだと言う、確信めいた想いを心のどこかで抱いていた、そんな気がした。
トランクスをやや乱暴に脱ぎ捨て、小振りではあるけれども若干上反りになったモノが露わになった。慎吾の両足を広げられて上方に荒々しく持ち上げられた。お互いのカラダは汗まみれで、白色ライトに照らされてキラキラと輝いている。慎吾よりも細く、どちらかというとスリムで華奢な体つきで、体中が静脈が走っているかのように青白い。
けれど、手を通して伝わってくる熱が、これから数秒後に起こることを予感させた。鉄のように固く、しかし熱を帯びたモノは慎吾のケツに押し付けられた。そして、ゆっくりと、ネジを回すかの如く、押し付けられていった。慎吾は、目を見開いて相手の顔を見つめた。相手は慎吾のことに無関心なような、乾いた目をしていた。脚は両腕で挟まれて、一瞬内臓まで突き刺さるような痺れを感じたが、すぐにリズムカルな動きと息遣いへと変わった。
意外なほどすんなり受け入れた自分に驚いていたし、またこのリズムが先ほどの腹をえぐるパンチといかに酷似していることか。ただ一点を目がけて単調に、そして機械的に続けられる動き。相手の半ば義務めいた、好んでやっているわけでもないような態度、そして受け入れている自分も、拘束は外れているにもかかわらず、一連の流れに逆らえない、諦めに似た感情。いつしか相手のリズムは速くなり、軽いうめき声と共に慎吾の岩のように尖った腹の上に噴き出した。
「終わった。」
相手は何も言わずに、そのままシャワー室へ向かった。慎吾もそれに続いた。その間、ずっと無言だった。金は、事前に聞いていた額より3万円多かったが、訳も聞かずに受け取った。その後のことはよく覚えていない。家に帰った後、倒れこむように布団に入り、昏々と眠り続けた。
太陽の強い日差しが窓から差し込んで、目覚めた。長い夢を見ていたようだった。疲労は嘘のように取れ、むしろ爽快な気分だった。何か新しい一頁が始まりそうな、そんな予感さえした。腹をいたわるようになでながら、洗面所に向かった。

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