2015年10月18日

愛しているって言って(7)

夜、新宿で買い物をして、CMでやっていたホラー映画を見た。まあ、CM以上に怖い場面が出て来なくて、途中から半ばウンザリして見ていた。
悟は実はホラーとか苦手なんだなって思ったよ。ポルターガイストが椅子でガラスを割るシーンなんか、こんなに力ある?ってくらい強く握られた。かわいいところもあるものだよ。
悟がイタリアンが食べたいと言う。アルタのポポラマーマで、ニンニクをたっぷり入れたパスタを食べたら、結構いい時間に。終電にはまだまだ間に合うけれどさ、明日もあるし。
会計を済ませた後、エレベータに乗り込もうとするとき、ちょっと暗かったから、後ろにいる悟に急に振り向いて「わっ。」って大きな声を出したんだ。
悟が驚いて、後ろによろけて、階段の方まで行っちゃって落ちそうになったからさ、とっさに悟の腕を掴んだ。まさかそんなに驚くとは思わないからさ。さっきのホラーを引きずっているんだな。
俺も何かにやついちゃって、悟に「なんだよ。」って言われた。
「何でもないよ。」って言いつつ、やっぱりにやけちゃうね。自分でホラー見たいって言ってたのに。
「クラブ行こうよ。」
「え?終電そろそろじゃね?」
「いいじゃん、今日は。」
悟が言うんで、2丁目のクラブに行くことにしたよ。眠くなったら、どこかラブホにでも入ればいいし。
2階に上がると、もうドアの前からガンガン音楽が聞こえてくる。開けると、もうすごい人。たまたま吹き抜けの階段のすぐ脇のテーブルが開いていたので、腰をかけた。とりあえずドリンク、何飲む・・
「踊ろうよ。」
普段は座って静かにドリンク飲んでいる悟が、珍しい。二人で螺旋階段を下りて行った。カラフルなスポットライトが目まぐるしく動き回り、壇上で踊っている男たちとは対照的に、階段下は薄暗く、リズムから微妙にずれたステップで緩やかに、そして人にぶつからない程度の申し訳なさそうな間隔を空けて踊っている。
悟を見ると、別に特段楽しそうでもなく、周囲と同じく、何となく皆が踊っているから合わせて踊ろうかといった調子で風景と一体化している。
悟が上で飲んでいるんだったら壇上に行ったっていいんだけどさ。俺も周りを見渡しながら、でもついついイケメンのいる壇上の方を見てしまうけれど。
後ろから悟がそっと抱きついてきた。手を脇腹のところにあてている。あれか、俺がナンパされるのを阻止しようという魂胆か。別にナンパされたっていいじゃん。
次第に密着度が高くなる。俺の胸辺りに手が伸びる。そして俺の乳首をコリコリ。悟、それはダメだって。
というか、全然止めようとしない。人前でも構わず、執拗に乳首をコリコリされる。
「悟、ダメだって。周りの人が見ているから。」
悟の腕を取るけれど、力が入らない。結構ジロジロ見られているし。
股間に手を伸ばしてきて、俺の曲がったまま固くなったモノを撫でる。・・クラブってどの辺まで許されるんだっけ??あの、この先はトイレとか別のところで・・
皆に見られて、もうどうにでもしてくれって感じ。周りもゲイだし。というか、もうイカせて・・
ガンガン体を突き抜けていくような音楽と反比例して、メルトダウンしていく俺。
サーチライトのような強烈な光が時折俺を照らしては何もなかったかのように去っていく。
トランス状態のようにヨダレを垂らしながら悶える俺とは対照的に、冷静沈着に俺のカラダをまさぐる悟。
悟はおもむろに半パンのチャックを下げて、俺のモノを乱暴に掴んで取り出した。俺のモノは勢いよくのけ反って俺のヘソをえぐり、先から流れ出す潤沢な汁が俺のTシャツの裾を濡らし滴る。
殆ど踊ってもいないのに息が荒い。カラダが異様に熱い。全てを脱いで、生まれたままの状態になってしまいたい。
って、ん?悟、既にサイドテーブルに手をかけて、なんか飲んでいるし。え、終わり?俺は?
周囲の冷たい視線を浴びつつ、柔らかくなったモノを無理矢理しまい込んで、トイレに駆け込んだ。悟のバカ。。
 

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