2015年08月19日

愛しているって言って(4)

夜22時、近所の公園で、いつものように、悟はベンチでDSに夢中、その間、茂人は日課である懸垂をする。
最初のうちは20回、腕立てを50回、スクワットを30回、と繰り返すが、懸垂だけは2回目、3回目とどんどん回数が落ちていく。4回目には7回がやっと。
と、筋トレをしている間、悟は素知らぬ顔でDSをしている。果たして悟が筋トレに付き合っているのか、それともDSに俺が付き合っているのか。
汗でベトベトになったから、そろそろ帰りたいんだけどね。というか、DS、家でもどこでもできるじゃん。
悟の横に腰かけて5分くらい経って、ようやくDSを閉じた。
「懸垂は20回しかできないの?」
「どうだろ。もう少しできると思うけど。」
「30回は?」
「ちょっと微妙かな。」
ま、調子いい時は30回できるけど。
「ふーん。」
その日は、まっすぐ家に帰った。

2日後、夜22時半、近所の公園で。
今日は悟にもらったグレーのタンクトップを着て。折角逆三角形のカラダしているんだから、もったいないって。俺は、肩日焼けしたくないのと、腋毛が濃いから実はタンクトップ苦手なんだけれど、夜人気のないところなら。まあ、愛する悟からもらったものだし、見せるのは悟だけだし。
いつもの藤棚の前に座る。
「懸垂30回、挑戦する?」
「え、今日?30回ねぇ。微妙かな。」
「んー、じゃあ、サービスで25回、25回できるかできないかで、帰りのマックを賭けよう。」
ん、なんか悟は機嫌がいいみたい。もらったタンクトップ、早速着てきたからだな。
「じゃ、やるから数えて。」
一番高い鉄棒に茂人はぶら下がった。肩幅よりこぶし2つ分広めに握る。その方が筋力アップにつながるから。
普通の人より多めの腋毛が外灯に照らされて光り輝く。タンクトップも上方に引っ張られて、ヘソと、そこから直下に伸びたヘソ毛、そして深く刻まれた腹筋が現れた。
普段ほぼ放置状態だから、いざ見られていると意識すると、ちょっと緊張する。手が汗ばむ。
「顎が鉄棒の上にいったら1カウントだから。」
・・なんか、あんまり興味なさそう。自分から言い出したくせに。
「じゃあ、始めるよ。1,・・2,・・」
出だしは好調で、顎を鉄棒の上まで上げる必要があるので、顔は終始上向き。ちらっと悟の方を見ると、こっち全然見てなくて、バッグごそごそしてるし。
まあ、いいや。でも、後で見てなかったからノーカウントとか言わないかな?
「7,・・8,・・,9,・・」
悟がカウントしだした。何かチェックでもしているんだろうか。近づいてきたし。
「10,・・11,・・」
「あっ!!」
胸にビリってきた。見ると、悟がディルドの形状をした電気あんま器を手にしている。
「んんー!!!」
悟が俺の左の乳首の当たりに電気あんま器を当てる。
「んー、卑怯だぞ、悟。」
「過少申告したろ。何、嘘ついてんだ?」
俺の腹に当たるか当たらないかの距離で、悟は立ち止まった。
「あ、ダメ、そこはぁぁぁ・・!」
茂人の股間に電気あんま器を当てると、鉄棒から手を放すまで2秒もかからなかった。砂場で転げ回り、
「やめろ、やめて。」
と懇願する茂人の声に一切耳を貸さず、電気あんま器を股間に当て続けた。
「マック、おごりな。」
「分かった、分かったからやめてぇぇ。」
柴犬を連れた中年のおばさんが何事もなかったかのように、足早に通り過ぎた。ただ、柴犬だけが何度も振り返り、こっちを見ていた。


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