2018年03月31日

終わりの見えないデスマッチB(14)

実来は健に相談してみた。すると、ナデートについていたシディークがその役を買って出た。シディークは見たところ虚弱体質であるかのように線が細く、風が吹けば倒れるんじゃないかと思われるくらいだった。健と比べれば明らかに力の差があり、実践の相手だと聞かされるとからかわれているのかとムッとした。きっと見くびられているんだ、俺がこいつを打ちのめして突き返してやれば、俺の実力が分かるだろうと思い、早速シディークと実戦を行った。打って来いと一丁前に言うので、軽くローキックを放ったら避けられた。あんまり強めに蹴って相手を怪我させちゃってもなと思って様子見で健に徹底的に教わったジャブを繰り出すが、全然当たらない。フットワークがかなり軽くて避けられてしまう。シディークはケタケタ笑っている。余裕なんだ。しかし、あまりに当たらないと練習にもならない。こういうのは実力差がはっきりしている相手だったら分かるが、明らかにシディークの方が体格的に劣っているし、それでいておちょくられている。実来は、分かった分かったと手振りで示して、近づいていって、細い二の腕を掴んだところにボディを食らわせた。本気で殴ったわけではないが、うずくまって倒れ込み、エビの字になって呻いていた。さすがにやり過ぎたなと思って近づくと、実来の肩に手を乗せて、立とうとしたところにボディを食らった。取るに足らない相手だと思っていたし、そもそも腹筋には自信があったのだが、結構鋭いボディで、平静を保っていたが実は結構効いていた。「なかなか強いね。」とシディークはまだ腹を押さえていたが、ニヤッと笑った。
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2018年03月28日

終わりの見えないデスマッチB(13)

ジャナバルは腕が4本あり、指も6本それぞれ生えている。そのせいか、上半身の発育が尋常ではなく、おそらく実来の2倍はあるのではないかというくらいの肩幅で、胸ももの凄く厚く、肩幅もアンバランスに広かった。ただ、腕は上腕の方が太くて、普段はその上腕の方だけ使っていて下段の腕は垂れ下がったままだった。そのためか、下段の腕は2周りくらい細かった。ナデートは、ヒマラヤの雪男と言われても違和感がないくらい、ふさふさでやや硬めの黄金の毛に覆われていた。夏の間はその毛が薄くなって首や胸、内股の辺りは毛が全くなくなるが、その他の時期はその毛で皮膚が全く見えなかった。顔と尻は毛がなく、さっぱりとした顔つきをしていた。なので、ジャナバルと違って長袖シャツとジーンズをはいていれば気づかされないが、尻尾が足より長く、そしてその尻尾は手よりも自由自在に、そして素早く動かせるらしく、缶ジュースなどは尻尾を使って飲んでいるくらいだ。あと、口を開くと、糸切り歯が牙のように鋭く生えている。ひどい猫背で、聞くところによると四足で走った方が速いようだ。奇形と言われればそうなのだが、普段は実来に対してとても優しく接してくれ、普段から精悍で厳しい顔つきをしている健と異なり、いつもニコニコしていた。ジャナバルとナデートは、それぞれ別の専従の相手がいて、その人とトレーニングを積んでいたのだった。
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2018年03月25日

終わりの見えないデスマッチB(12)

終わった後、ハッとするとすっと鼻血が一筋垂れて、ジーンズを赤く染めていた。そして股間はずっと硬い状態を維持していた。一対一の喧嘩、それも誰にも止められることもないし、ルールに縛られずに強い者が勝つという単純明快なルール。今までずっと意味も分からず、時には理不尽なルールで雁字搦めに縛り付けられていた実来にとって、内から解き放たれた、とても爽快で弾け飛ぶような強い衝撃だった。こんなにも高揚とした気分は初めてだった。これが探していたものかとカラダに電気が貫通したかのようにビリビリという感覚が走った。帰ると、自分の気持ちを率直に仲間に伝えた。目標を持った実来は、それからは率先して暇さえあればトレーニングをこなし、そして健とスパーリングをした。というのも、他の者が全然相手にしてくれなかったからだ。頼み込んだがダメの一点張りだった。このデスマッチを選んでいるのはジャナバルとナデートだけだった。二人とも、今まで会ったことのない人間だった。人間には違いない。しっかりとした日本語をしゃべっているのだから。ジャナバルはトルコから、ナデートはタイから子どもの時に買われてきた、というよりは親に見捨てられて引き取られたというのが正解だろう。そもそも、風貌が人間とはいえず、親から忌み嫌われて生まれたときから孤児だったのである。


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2018年03月24日

終わりの見えないデスマッチB(11)

というか、ずっと気にはなっていたが、そのうち一方は片手で股間を握り締めているのか隠そうとしているのか、恥ずかしいのか防御なのかしらないけれど、どうも自分の股間を守ることで必死なようで、手数はどうしても股間を隠していない方が多くなっていった。殴る力も大したことはないけれども、片手が塞がっている以上攻撃も防御もままならず、結局は一方的な展開となった。やられっぱなしだったが、そんなにも股間が大事だったのか、負けた後も股間から手を離さなかった。健と目が合った。「何か、やる前から分かっていましたね。」「何が?」「勝敗の行方が。」「ん?そうか?俺にはわからんかったけどな。」え?まさかの答えだった。健より優位に立ったように思えた。健に勝てそうな気がしてきた。次の試合はデブ対デブの、これまた見ごたえのない試合だった。殴られて鼻血は出すわ、最後に歯が折れたのか、口から血と一緒に何か噴き出して、慌ててリングを去って行った。
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2018年03月21日

終わりの見えないデスマッチB(10)

それから、基礎体力に加えて、健がスパーリング相手になった。ただ、なんかこう、束縛感というか物足りなさが拭えなかった。ボクシングというのは如何せん制約が多すぎる。足が使えないし、拳はグローブでコーティングされている。メニューは淡々とこなして日に日に上達していったが、決められたことしかできないもどかしさが逆に募っていった。週1回、この会場で行われる賭けの試合をこの前、初めて観戦した。もちろん、総合格闘技やボクシング、レスリングやムエタイなど、格闘系の試合はDVDで何度も繰り返し、それこそスローで見たり巻き戻してみたりとそれこそ何度も何度も繰り返し穴が開くくらい見ていたが、生の試合を観るのはこれが初めてだった。試合、といっても、最初の対戦はガリガリに痩せた方が大声をあげて腕を振り回したり、狭いリングの中を逃げまどい、遂にはリングから自ら降りると言う、全然試合になっていない試合だったので、これはこれで衝撃だった。リングは2つあって、1つは低い賭け金でできる、古びたリングにパイプ椅子やベンチが無造作に周りに並べられた安普請なもの、しかし、もう一つは照明が眩しいくらいに照らされ、古代ローマ帝国のコロシアムのように、賭けに参加する人たちがゆったりと自宅でテレビを見ながら観戦しているかのように、前の方はテーブルがあってその後ろにゆったりとした一人がけのソファが並べてあった。観戦したのはもちろん安い方だ。それも立ち見で後ろの方から。次の試合も、いかにも弱そうな二人が上がってきた。喧嘩をしたことがあるのかどうかすら怪しい二人、つかみ合ったり手で殴りあって、絡み合って倒されて、また絡み合ってって勝敗がいつになったら決まるのだろうと思うくらい互角で決定力の欠く試合だった。
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2018年03月18日

終わりの見えないデスマッチB(9)

そんなことを続けて6ヶ月が経った。実来の顔はどちらかというとちょっとあどけなさの残る愛嬌のある顔だったのだが、ロードワークのおかげで引き締まって、日焼けで黒くなり、なかなか精悍な顔立ちになった。カラダつきもむしろほっそりしてきて、ボクシング体型になってきた。金髪で金のネックレスをした健が、「ちょっと上がってみるか?」と実来を誘った。その頃にはリングというものがいかに神聖なものであるか、実来にも経験で分かってきていたので、上がるだけでも緊張と感動で、実は泣きそうだった。「打ってみろ。」健が自分の腹を指して言う。「自分がですか?」健は軽くうなずいて、来いと手振りで示す。右脇腹に打ち込んだら、同時に健は実来の左頬を思いっきり殴った。その勢いでカラダがバランスを失って吹っ飛んだくらい強かった。「おい、それで本気か?本気で来ないと殺すぞ。」今まで優しかった顔しか見せなかった健の凄んだ声に正直驚きを隠せなかった。健は唖然として立ち上げれずにいる実来に蹴りを入れ、「来い。」と、さっきと同じく仁王立ちになって言う。殴り掛かるが、やはり蹴られ殴られ、リングに叩き付けられる。腹を蹴られて動けなくなった実来の髪を掴んで、無理矢理立たせ、「いいか、実来。俺たちは誰も助けてくれる奴がいないんだ。分かるか?誰一人として手を差し伸べてくれる奴なんていないんだ。自分の身は自分で守れ。それしか生き抜く道はないんだからな。」と説いた。実来は涙がこらえきれず、ワンワンと声をあげて泣いた。こんなに泣いたのは、朧気に記憶の片隅にある母親と死に別れたとき以来な気がした。

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2018年03月17日

終わりの見えないデスマッチB(8)

実来が選んだのは「格闘」だった。それは、腕っ節に自信があったわけではないが、複数の仲間が選んでいたからだ。そして、皆優しかった。まずはボクシングをやっていた金髪オールバックの5つ上の少年が、基礎から教えてくれた。基礎体力が重要だからとロードワークを延々と行った。倉庫が立ち並び、周りはフェンスと海で囲まれていた。そこから出ることは禁じられていたので、ただ延々と倉庫の外周を走り続けるだけだった。逃げようと思えば逃げられない環境ではなかった。しかし、ここから逃げて、今よりいいことがあるはずがないことは皆分かっていた。そもそも社会から捨てられた人間の集まりだ。表の社会には縁がない。腕っ節にかけるというのもごく自然なことだった。実来は中3「相当」になり、背は150cmくらいに伸びたが、まだまだ小柄だ。ただ、スパーリングなどせず、毎日毎日基礎体力作りだけ。普通であれば嫌になって投げ出すところだが、実来はそんなことをおくびにも出さなかった。

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2018年03月14日

終わりの見えないデスマッチB(7)

好きなこと、この空間にはいろいろな「モノ」がいた。ずっと朝から晩までコンピューターを弄って何やら作っている「モノ」、外国語の勉強を毎日毎日飽きずにしている「モノ」、それぞれが独特だったが、身体障害者が目立って多いのが何よりもびっくりした。腕が2本ともないが、口で筆を持って字を書いたり絵を描いたりしている「モノ」、足が1本しかなくて、ずっとケンケンで倒れもせずに動き回っている「モノ」、頭から火傷のケロイドがものすごい状態で残っていて、顔はもう髑髏に目があるようなひどい有様で腕もカラダに一部くっついているがアコーディオンを必死に弾いている「モノ」、中でもすごいのが、雪男かと思うくらい毛の量が半端なく、しかもなぜかずっと四足で歩いていて、尻尾まである「モノ」、そして他は特段変わらないのだが、ただ腕が4本ある「モノ」・・。兎に角、普通の人、特別な人に共通することとして、ここでは何か技術を身につけなければならないようだった。そして附加価値を付けて、他へと「売る」。だから、価値がないと判断されれば、後は悲惨だった。逃げて日雇い暮らしのホームレスになるか、暴力団に拾われて鉄砲玉として短い一生を終えるか、「養育費」という名の、実に覚えのない借金を背負わされて死ぬまで一生重労働に従事することになか、そんなところだ。

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2018年03月11日

終わりの見えないデスマッチB(6)

そして、いじめられることがなくなると、今度は不思議なもので張り合いがなくなった。もし、誰かが肩を小突いてきたら、因縁を吹っかけてきたらといつも気を張り詰めていたのだけれど、そんなことがピタッと止まったのだ。そして、そんな毎日に飽き足らなくなり、むしろこっちからきっかけを作っていくようになっていき、施設内外でいろいろいざこざを起こすようになった。そして、「売られた」。いや、表向きは引き取り手が見つかったというべきなのだが、実際は厄介払いであった。ただ、決して嫌で行くわけではなかった。最初は更生施設に行くのかと思っていたが、そうではなくて養成施設であり、そこでは仲間と切磋琢磨して好きなことをすればいいというものだった。元々居場所なんて初めからなかった実来にとって、新たな挑戦の場でもあった。

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2018年03月10日

終わりの見えないデスマッチB(5)

ときどき、どうしても寂しくなったときは、ベッドと布団の間に隠してあったそのシールを眺めた。ピンク色のハートに囲まれて笑いかける両親。どっちも会ったことは一度もないし、きっと会うことも永遠にないのだろうが、そのシールを見ると、不思議と寂しさが消えるのだった。その大切なシールを、奪われてしまった。2年上で、育てていた祖父母が死んで、幼い頃から施設に預けられ、この施設のリーダー格になっていた奴だった。
「なんだ、このシール。誰、コイツ?」
「返してください。」
奪おうとしても、背が高いので届かない。周りの奴らは皆嗤って見ている。
「誰って聞いてんだけど。」
「返してください。」
「言えば返してやるよ。」
「・・お父さんとお母さん。」
皆、笑い転げた。
「お前、バカじゃねーの?お前は誰でも股開く名もないソープ嬢と薄汚いハゲたエロオヤジの子なんだよ。」
そう言って、そのシールを丸めて投げ返した。何かプツリと切れる音がした。
「うおぉぉぉぉぉ!!!」
気づいたら、そいつがうずくまって呻いていた。怒りに任せて股間に蹴りを入れたのだ。普段からいじめている奴がまさか反撃するとは思っていなかったからか、不意を喰らってモロに急所を直撃した。痛烈な痛みにもがき苦しみ、痛みに耐えかねて声をあげて泣いていた。シールをまた伸ばしてから周りを見ると、皆目を反らした。実来はシールを元の場所に貼って、固くひんやりしたベッドの上に寝転がった。


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2018年03月07日

終わりの見えないデスマッチB(4)

しかし、ふとしたことでいじめられることがなくなった。実来がソープランドから施設に移るとき、年齢は分からないがおそらく60くらいは優に超えているおばあさんの現役ソープ嬢が、小さなシールをくれた。プリクラのシールで、おそらく携帯か何かに貼ってあったのだろう、写真はこすれて擦り切れていた。しかし、笑って写っている若い二人の姿は確認できた。
「これが、あんたのお父さんとお母さんなんだ。こんなのしかなくてごめんね。かわいいだろ?あんたのお母さんは本当に性格のいい子でね。子どもができたってのが分かって、皆堕ろせって説得したんだけどさ、結局産んだんだよ。その中国人のことが好きで好きでしょうがなかったんだね。でも、そんなあの子も産んですぐに殺されちゃってさ。死ぬ間際まで実来、実来って口走っていたっけ。だからみんなで遺言だと思って大切に育ててきたんだけど、サツの手入れが入って、・・そんなこと言ってもさ、まだ、分かんないよね。可哀相に。お父さんとお母さんの生きた証、これしかないんだよ。これしかなくてごめんね。」
そういって、老ソープ嬢はシクシク泣き出した。実来は泣かなかった。今まで自分にはどうしてお父さんとお母さんがいないのか、誰も教えてくれなかった。そして、通帳と印鑑を渡された。殺された母親が残したものだった。肌身離さず持っていたのか、通帳には血痕が残っていた。

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2018年03月04日

終わりの見えないデスマッチB(3)

「えーん、えーん。」
うずくまって泣いている子どもの脇に女の養護教諭がいる。
「だめでしょ、こんなことをしちゃ。」
実来は自分が悪いことをしたとは思っていなかった。施設でTシャツにアイロンで貼ってもらったワッペンを剥がされたので、相手の股間を蹴ったのだ。
「ここは子どもが生まれてくる大事なところなのよ。ここを蹴ったりしちゃダメなの。分かった?」
そんなことを小4に言ったところで分かるはずがない。施設での生活は正直馴染めなかった。今まで売春婦たちからチヤホヤされて育ったのだが、施設ではそんな愛情を示してくれる人はごく少数で、いじめられても誰も助けてくれなかった。いじめを受けても誰にも相談できなかった。食事に虫やゴミが入っていたりしても、除いて食べた。味噌汁から消毒液のような臭いがしたときはさすがに食べなかったが、後で無理矢理飲まされて、トイレでしこたま吐いた。ルールでがんじがらめにされた施設の中で、いじめるのがいわば遊びだった。遊びだから、顔なんか殴ったりしない。後ろから蹴られてつんのめって机の角に頭をぶつけたり、とび蹴りの練習代になったり、絞め技で何度も落とされたり、肩を思いっきり殴られたり、腹にすれ違いざまに国語辞書をぶつけられたり、プロレス技をかけられたり、ホッチキスを後頭部に投げつけられたり、トイレで用を足しているときにホースで水をかけられたり、椅子に画鋲を置かれたり、枚挙にいとまがなかった。それが普通でそれが日常だった。いじめや嫌がらせを訴えればそれだけまた仕返しが来るだけで、何の解決にもならない、絶望的な閉じられた世界だ。それがワッペンを剥がした相手が明らかに悪いのに、なぜ俺が怒られるのかが理不尽だった。何もかもが不条理から成り立っていた。

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2018年03月02日

終わりの見えないデスマッチB(2)

西条実来もその一人だった。中国人留学生と新宿歌舞伎町のとあるソープランドで働く売春婦との間にできた子どもだが、男女関係のいざこざで生後まもなく母親は同業者にナイフで惨殺され、父親は実来が生まれる前に既に帰国して、そのまま行方知れず。本名を隠して働いていたために身寄りもなく、戸籍さえもない実来は、住み込みで働いていたソープランドの売春婦たちに囲まれて育った。ただカラダを好きでもない相手に捧げ、そうして稼いだお金は服や宝石、不特定多数の男にすぐに吸い取られていく、そしてそんな金回りがいい生活も一時だけで、新人が入ってくれば急に収入が減り、生活するのがやっと、ソープランドから放り出されればホームレス同然の生活をするしかないような最底辺の女が集まった場所、そこで実来は心のすさんだ売春婦の心を癒すのにうってつけで、ほぼ全員の売春婦から可愛がられ、逞しく育ったが、警察の一斉摘発によってソープランドは営業停止となり、売春婦は新しい住処を探して方々へ散っていった。実来は唯一の住処を奪われて、警察を通じて、多摩郊外にある施設に移ることになった。
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2018年02月28日

終わりの見えないデスマッチB(1)

世の中には、必ずしも両親に愛されつつ産まれてくる者ばかりとは限らない。何らかの理由で子どもの存在を知られたくない者、経済的理由で育てられない者もいる。そういう子どもは親から離れ、祖母兄弟がいればまだしも、遠い親戚に預けられるとか、子どものいない家庭に養子として引き取られることもある。それだけではなく、金欲しさゆえに売られる子どももいる。それに、五体満足で産まれてくる子どもばかりではない。生まれながらにして何らかの欠陥を有している子どもは、もちろん腹を痛めた子供だからということもあるが、一方でこれから先の長い人生のことを悲観して育てることを放棄する親もいる。公にはならないが、こうした人に言えない事情によって育てることを放棄された子どもたちを集めている組織がある。人身売買。女の子は売春婦、身体障害者は乞食として搾取される運命である。しかし、中には類まれな素質を見出され、英才教育を施され、新たな価値を付与されて世に出る者もいる。

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2018年02月25日

デリバリー(12)

そっと抱きかかえられる感じがした。力強い左腕で耕太郎を抱き寄せる。
「ここからの夜景、見せたっけ?」
首を振ると、達彦は腕を達彦の首に巻くように誘導した。すると、抱きかかえる形で、下はつながったままソファから窓の方に移動した。そしてそのまま歩いて、大きな窓へ抱えたまま移動した。足は達彦の腰に回し、そして腕は首に巻き付け、そして達彦の硬直したままの形を保ったモノが光太郎のカラダの一部になったまま、二人は眼下に広がる天の川とそれを横切る無数の流れ星のような東京の夜景を眺めた。耕太郎は、体勢を入れ替えて達彦と後ろからつながる形になり、達彦は後ろからそのゴツゴツした抱きしめた。そして、耕太郎の背中に口をつけて、
「好きだ。」
とはっきり言った。
「好きだ、付き合ってくれないか?」
ともう一度繰り返し言った。耕太郎の全身に稲妻が走った。達彦のそれはまだ耕太郎の中にあり、一段と固くなって奥深くへ入り込もうともがいている。耕太郎はカラダを捻って振り向くと、達彦とキスを交わした。
「好きです、俺も。」
と言うと、またキスを交わした。煌めく夜景が溶けていくように二人のカラダへと降りかかり、二人が発した蒸気が光を攪乱させて無数のダイヤのように輝いていた。下で行われている強いつながりに負けないよう、二人の舌は絡め合って口腔の感触を探り舌の形をなぞり、延々とその行為が繰り返された。

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toppoi01 at 13:58|PermalinkComments(0)デリバリー 

2018年02月23日

雑記帳(2018/02/23)

「デリバリー」がようやく書き上がりました。なぜか一番人気の「デリバリー」。もっとできのいいエロゲイ小説なんかいくらでもあると思うけど(苦笑)。あと、「終わりの見えないデスマッチB」と「ゴーグルマン」も途中まで書いたものが大分溜まったので、そろそろアップしようかなと思っています。「終わりの見えないデスマッチB」は前書きがやたら長い(未だに前書きを書いている)んでね、面白いんだろうかこの話って感じです。「ゴーグルマン」は「デリバリー」に似てるかな。「終わりの見えないデスマッチ」で出てきた、やられ役を使いました。思いっきりエロ小説ですけどね。。

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toppoi01 at 18:03|PermalinkComments(0)雑記帳 

2018年02月06日

デリバリー(11)

下とは逆に、上の方ではキスを止めて、恍惚に浸る顔を眺める耕太郎の姿があった。 「痛くない?」 「平気です。」 と、また耕太郎は今度は軽く口づけをすると、腰をゆっくりと振り始めた。腰を振るたびにそのくっきり割れた腹筋が波打ち、そして熱く熟れた胸の筋肉が揺れ動く。胸から上は熱を帯びて赤くなり、また腰遣いは最初はゆっくりだったが徐々に速くなっていき、腹筋が忙しそうに蠢いていた。「すごくいいぞ。」 と、達彦が耕太郎の頭を撫でる。耕太郎は達彦の一方の手を重ねて、絡めて握り締める。達彦のもう一方の腕は耕太郎のゴツゴツした岩盤のような不揃いで荒々しい腹筋の上に置かれ、そして日頃の労働の蓄積によって筋張った胸の上にある乳首を刺激するかのように指がそっと乗っていた。時折、まるで耕太郎のより深いところまで貫くドリルかの如く、先端が怒張してねじ込むように入る。その到達した箇所は、先ほど指で丹念に、そして執拗に責められた敏感な部分でもあった。先端部の張りが、一番敏感な部分を刺激するたびに、耕太郎は今までとは異なった、もっと喉の深いところから発せられるようなくぐもった、そして甲高い声を上げる。 「ううん、ああん。」 と、自分でも意識して発せられないような奇声が自然と漏れる。カラダを後方にエビ反りになって、指よりも数段に太くて硬いけれども、その動きとはまた異なったリズムカルな動きが、まるで押し寄せる波のように波状的に耕太郎に伝わり、快楽が脳へと達するのである。耕太郎のカラダが不規則に震え出した。リズムカルな吐息と漏れて聞こえてくる奇声、そして出し入れするときの潤滑油との摩擦音だけが、この空間の音全てだ。まるでホールで交響曲を聞いているかのようなストーリー性を持ち、そして隅々まで響き渡りカラダの筋肉が解れていくようなこの三重奏。いつまでもこんな状態が続けばいい、薄れゆく意識の中で耕太郎はそう思った。
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toppoi01 at 08:00|PermalinkComments(0)デリバリー 

2018年02月04日

デリバリー(10)

達彦は、たぎれんばかりにささくれだった自分のモノを宥めるかのように、入念にローションを塗り込んだ。まるで焼けたフランクフルトにハチミツでも塗ったのかと思うくらい、重量感にあふれてしゃぶりつきたくなるような栄養たっぷりの代物だった。ネチネチとそれを塗り込みつつ扱く音が聞こえ、そして間もなくしてそっと耕太郎の両足が上げられた。いや、耕太郎が自ら両足を上げたようなものだ。耕太郎も、こんなのを受け入れるのは無理だと思う一方で、達彦と一緒になりたいという願望が頭をもたげてきて、今や大きさがどうこうというのは頭の片隅に追いやられ、早くその猛々しくそそり立っているものを入れて欲しいという一心であった。達彦はキスをしたまま、その閉ざされた部分へと、まるでそこに眼があるかのように押し当てて、そしてゆっくりとその閉じられた部分へ圧力を強めていった。耕太郎は、その熱くなった鋼鉄のように固くなっているものが刻一刻と迫って来るのを肌で感じてきた。そして、スッと中に侵入していくと、耕太郎のカラダが携帯電話のバイブレーションのように震えた。「あ、入ってる、入ってる!」そして、その侵入物は拒むものが何もなく、その中を突き進んでいき、その末端まで全てが耕太郎の中へと溶け込んでいった。
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toppoi01 at 12:57|PermalinkComments(0)デリバリー 

2018年02月03日

デリバリー(9)

「あっ。」 達彦は、電気でも走ったような刺激でカラダをビクつかせた。指がそのポイントを探り当て、そして感度の高い部分を刺激した。 「ああっ。」 「どうした?」 達彦がにやついた顔を浮かべて言う。指からは、トクトクと小さな鼓動が伝わってくる。指を小刻みに振動させると、耕太郎のカラダもそれに応えて大きく震える。こんなゴツいガタイからは想像もできないくらいの感度の良さだ。上も下も、達彦によって塞がれている。そして、優しくしかし時に凶暴になって耕太郎の中でくねる。耕太郎は自分が浜に今さっき打ち上げられた魚のように、右に左にカラダをくねらせてその快感に浸った。 「ああっ。」 耕太郎が2本目の指を入れた。そして、その部分へと行きつくと、バタ足をするかのように小刻みにそのスポットをなぞった。耕太郎はギュッと達彦のカラダを引き寄せた。息が止まるほど強く抱きしめ、小刻みに震えている。2本の指がキュッと締め付けられる。 「入れていい?」 耕太郎の耳元で囁くように言われた。改めて握ってみると、達彦のそれは、それ以上硬い状態はないのではないかというくらい硬く、そして溶鉱炉の鉄のように熱くなって次の指令をジッと根気強く待っていた。耕太郎の方も受け入れ態勢はできていて、後は耕太郎の意思表示だけだった。こんなに熱くて硬いものを入れられたら、俺はどうなってしまうのだろうかという不安があった。しかし、耕太郎のカラダは既に達彦の前に無抵抗に曝け出され、そして一緒につながってみたい、一緒の体温を共有したいというもう一方の自分がいて、最後の砦も空前の灯であった。 「優しく、優しくしてください。」 こんなゴツいカラダをしているくせに優しくはないだろうと達彦は思ったが、そんな耕太郎を可愛らしいと思った。たっぷりとローションを塗り込んだ。その間も、ずっとキスは交わしていて、どちらも湿潤で抗うことなく従順に受け入れていた。
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toppoi01 at 08:00|PermalinkComments(0)デリバリー 

2017年12月09日

スプラッシュ(9)

「キャー。」さっきまで手で顔を覆っていた目の細い女が叫んだ。何事かと思うと「変態!!!」とまた叫んで後ずさりしている。見ると、浩輔のイチモツは先の方が赤銅色になって硬直し、ビクついていた。「うわー、本物じゃん。」「蹴られて興奮するってマジか?」さっきのデブ女も明らかに嫌悪の表情を浮かべてこちらを見ている。「おい、これ、シコれよ。」「えー、無理っす。」「やれよ、時間ないんだからよ。」金髪の男は病的に青白い顔で、いかにも嫌そうに浩輔の硬くなったモノを握ったが、すぐに手を放した。「チョーヌルヌルしてる、無理っす。」すると、口髭が荒々しくそれを握ると、機械的に扱きだした。「オッ、オッ」ゴツゴツとして乾いた手、そして外でギャラリーありといういつもと違う光景、「やだぁ、やだぁ」と喚いているデブ女、少女のように手を口元にやって忌まわしそうに見ている金髪、もういいとでもいうように後ろ向きで座り込む髪の長い女、そしてただイカせるところを見せるためにひたすら人のモノを扱く口髭男、「オーッ、オーッ」「いやぁ、いやぁ。」そして青く透き通った空に向かって勢いよく水しぶきが飛んでいった。それは今までで一番飛距離があったのではないかと思われるくらい美しい放物線を描き、太陽の光に照らされてダイヤモンド型の光を放ちながら重力に抗うことなく落ちていった。「ギャー、ギャー。」デブ女に白濁して粘着質の水しぶきが次から次へと怒濤のようにかかり、鶏を絞め殺す直前の断末魔のようなけたたましく、そして刹那的な声が辺り一面に響いた。皆、その凄まじい光景を見て、為す術もなくただ突っ立っていた。そして、浩輔は浩輔で無意識に涎を垂らし、恍惚に浸って突っ立っていた。用の済んだイチモツは粘っこい液を垂らしながら、また元のサイズへと縮みこまっていった。

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toppoi01 at 08:00|PermalinkComments(0)スプラッシュ 
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