2017年06月05日

終わりの見えないデスマッチ(22)

次の試合が決まった。相手は当日にならないと分からない。これは事前に相手と接触を試みるのを防ぐためでもあり、怖気づいてドタキャンされても困ると言うこともあるからだが、当日急に出場する者や、逆に体調不良等で都合が悪くなる者もいるから、事前通知する意味があまりないのが実情であった。全ては賭けが成立するかにかかっていて、誰が誰とという試合を見に来ているわけではないのだから。ただ、今回は2人だと聞いている。賭けが成立するかどうかなので、例えば相手がいかにも弱弱しい感じで体力差があったら、そもそも賭けが成立しない。また、急に相手がキャンセルしたからといって、不戦勝とかいうシステムはない。もちろん、全く勝運がないとはいえないが、オッズが高ければイカサマを疑われるだろう。今日も高校帰りの智哉を呼んで、実践トレーニングをしようとしたが、今日はその気力が起きなかった。「どうしたんですか?」智哉に訝しげに尋ねられるまで、考え事をしていて放心状態だった。というのも、2,3ヶ月前になるか、やはり1対2の試合を観たときのことが思い出されるのだった。

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2017年06月04日

終わりの見えないデスマッチ(21)

「治まりました?」智哉が、先ほど拳で突き上げた玉を優しく揉みほぐす。「強くなったな。」智哉の長い髪を掻き分けるように撫でる。「ケツの方がズキズキする。」元々、弘一はバックの経験がほとんどない。しかし、智哉だけは受け入れるのだった。そもそも、智哉とは、このタワーマンションに附設されているジムで知り合った。当初は黙々とトレーニングをこなしていた二人だったが、ミストサウナで一緒になったときに、お互いがお互いを見つめあい、磁石の如く惹かれるようにキスを交わしたのだった。お互いのカラダが何かを嗅ぎ取ったのだろう、そこで試合のことを聞き、そして観覧をして、試合そのものよりも弘一と言う存在に深く入り込んでいったのであった。「なぜ、試合をするんですか?」弘一に聞いたことがある。「分からない。」それが答えだった。答えになっていないようで、答えを出しているのだろう。金が稼ぎたいわけではない、もちろん名声でもない。自分の可能性をとことん試してみたいからなのだろう。ただ、優勝とか最強とか称号や権利がもらえるわけではない。試合の積み重ねにしか過ぎない。ただ、経験値の蓄積が答えで、智哉の存在はその答えに包含されている。ふてぶてしくシャープな腹の上に乗っかっている弘一のモノを手の平に乗せてみた。その先からは5分ほど前に噴水のように飛ばした後に遅れて溢れ出してきた液体が染み出していた。さっきまで静かに横たわっていたものが、また徐々に重みを増して硬直していった。「風呂、入るか。」「はい。」そして、二人は温かいぬくもりの中で、また一つになった。

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2017年06月03日

雑記帳(2017/06/03)

「終わりの見えないデスマッチ」、一応Ⅲに入りましたけど、実は今のところ42章あるので、本当に終わりが見えないです(笑)。ま、書き終わっているんですけれど書き足したりしているんで。「登場人物」「概略」はその都度書き足しています。これ、自分で見ておかないと設定を忘れてしまったりするんで、どっちかというと自分用だったりします。あと、「終わりの見えないデスマッチB」を書き始めています。泣ける金的物語?だいたいこれもストーリーの骨格はできているんで、後は書き進めていくだけなんでね。ストックばっかり溜まっている感じですね。。

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toppoi01 at 09:17|PermalinkComments(0)雑記帳 

2017年06月02日

終わりの見えないデスマッチ(20)

汗で大理石のように筋肉の一つ一つが光り輝いて見える。股間に与えられた打撃に抗うかのように、その筋肉の一つ一つが万華鏡のような蠢きを見せる。それを見ながら、智哉は、野生のバナナのようにしなって固くなったものに透明な液体を塗りたくり、弘一の両足を持ち上げて拡げ、入るべきところへと滑り込ませた。二人は一つになり、静寂の中を互いの吐息だけが響き、メトロノームのような規則正しいリズムで、しかしときに激しくそのずっと奥にある何かを探究するが如く、ときに優しくシロップのような甘いけれどしつこくもない感じで互いの熱を交換し合った。それぞれ別々の動きをしていた筋肉の一つ一つが、統制力を持って均整の取れた芸術作品として融合していった。そして、荒々しい鼓動でお互いが包まれ、全身が紅潮し刻むリズムの間隔が短くなり、咆哮と共に熱情を迸らせた。また二人の個性に分かれ、甘い口付けでその別れを惜しんだ。

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2017年06月01日

終わりの見えないデスマッチ(19)

「まだまだ。」智哉は自分に言い聞かせるように言い、また、距離をとって向かい合った。間合いは智哉には踏み込まなければ弘一に当たらない距離ではあるが、リーチのある弘一には十分射程距離内だ。智哉は肩で息をしているが、目はさっきよりも鋭くなった。若干腹を庇っている様子がとれる。弘一が左フックを繰り出してきたので避ける。本気ではないフックはフェイントだ。若干足がふらついているのが自分でも分かるが、悟られないようにしている。また左フックか。次に何か来るなと直感した。右のフックが来たのでカラダを後方に倒れこませて攻撃を防ぐと共に、右足で蹴り上げた。弘一の左はやはり智哉の左脇腹を狙ったが僅差で避けられ、逆に智哉の右足が弘一の金的を直撃した。「ガッ」弘一の動きが止まるが、踏みとどまった。あの20cm近い、白いフランクフルトのようなモノが緩衝材となったのだろう。智哉は、頭から弘一に突進し。弘一の腹へ頭突きを喰らわせた。弘一の右は智哉の頬を鋭く打ったが、智哉の右は、それ以上に弘一の玉を抉っていた。仰向けに膝から崩れるように倒れて左腕をマットに付き、苦悶の表情を浮かべる弘一を見下ろす。「かわいいですね、弘さん。」
 
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2017年05月31日

終わりの見えないデスマッチ(18)

「トレすんぞ。」「もうっすか?」弘一は着ていた服を全て脱ぎ捨てる。智哉もそれに倣った。正面で向かい合う。2週間ぶりに会ったが、智哉は日に日に成長している様子が分かる。腹筋なんか、前は高校にあがりたての初々しい、板チョコのような見た目もきれいな感じの腹筋をしていたが、今では洗濯板のようなエグイ彫りをみせている。その下に垂れ下がったモノも、最近はちょっと右に曲がって蛇のようなグロテスクな形をしてきた。予め、黒いマットが2枚敷いてあり、そこが自宅兼練習場だ。先に手を出したのは智哉だ。さっき蹴りを喰らった左脇腹を狙ってフックを喰らわした。嫌がってバランスを崩したところを両足で挟み込んで倒そうとする。しかし、弘一は智哉の方へと倒れ込み、肘をその鍛えこまれた腹筋にめり込ませた。思わず両手で腹をかばうが、そのときには既に智哉の玉は弘一に握られていた。「何だ、その腹筋は見せ掛けか?」玉から離して、また等距離を取った。ゆっくり呼吸を整えつつ、智哉は立ち上がる。今度は弘一がミドルキックを智哉に喰らわせるが、それをがっしりと捕まえる。しかし、弘一の拳がまたも智哉のみぞおちの下あたりに喰い込んだ。たまらず持っていた足を離して崩れ落ちる。鈍痛がカラダの中央部から広がるように苛む。「おい、これで終わりか?」足の裏で智哉の股間をいたぶる。
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2017年05月30日

終わりの見えないデスマッチ(17)

思えば最初の試合、弘一は油断から負けを喫したのであった。練習を積んでいて、初戦の相手を見た途端、余裕で勝てる、そう思ってしまったのが敗因だった。相手はごく平凡な、髪が長めで若干痩せ気味の、どうしてここに出てきたのか分からないくらい凡庸な相手だった。瞬殺だな、そう思うのも無理はなかった。デビュー戦でもあり、華々しく勝利を飾りたかった。だから、練習していたハイキックで華麗に決めよう、そう思って臨んだ。しかし、実際始まってみると、相手の警戒は凄まじく、距離を取られた。何度か試みたが、全然当たらなかった。距離を詰めなければならない、そして廻し蹴りを喰らわすか、そう思い、踏み込んで、勢いをつけて廻し蹴りを試みたところ、相手はそれを察してしゃがみ込み、さらに踏み込んで弘一の股間へと拳を打ち込んだ。弘一にとって、初めて喰らう金的だった。ドリルで下半身を下から抉られるような、そんな鈍痛が急激に襲い、後ろに倒れこんだ。相手がさらに襲い掛かってくる素振りを見せたので、戦意喪失した弘一は自らタップをした。帰り際、浴びせられる罵声、そして飲み終わったワンカップやら空き缶やらを投げつけられ、惨めな形でのデビュー戦となったのである。振り返れば大した試合ではなかったが、今でもまざまざとその光景が思い浮かんでくる。しかし、それがあったからこそ、今があるのだ。
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2017年05月29日

終わりの見えないデスマッチ(16)

「ギャッ!!」下腹部からキリッと抉られるような痛みが全身を貫いた。「スキあり、ですよ、弘さん。」またもやニヤリとする智哉の顔が。想いを馳せていたら背後から智哉に玉を握られたのだ。智哉を軽く小突く。汗も引いて既に肌寒くなっていた。シャワーはあるがお湯が元々出ない。さっと浴びると素早く着替え、ファイトマネーと賞金を手にして、智哉と車に乗り込む。「何食べます?」「いや、今日の反省をしてからだ。」川崎市M駅前にあるタワーマンションの36階が弘一の住まいだ。東京タワーとみなとみらい地区の観覧車がどっちもよく見える。広いワンルームマンションには必要最低限の物しか置いていない。弘一が入ると、智哉はいきなりキスをしてきた。濃厚なキス、智哉はうっとりした目を浮かべている。「あっ!!」智哉は跳ね飛んで、「今日はスキ多いっすよ、弘さん。」キスをしつつ、拳で弘一の股間を殴りあげたのだった。手加減したとはいえ、やはり急所は急所である。特に油断しているときの金的は堪える。弟分の前で情けないような声をあげてしまった。「そういう弘さん、かわいいっす。」7歳も年が離れている奴にバカにされたような口調で言われると、悔しいけれど寛容な気持にもなる。

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2017年05月27日

終わりの見えないデスマッチ(15)

眉がほとんどなくて顎がしゃくれた男は、またさっきと同じことを言うと、同時にかがんで思いっきりその毛むくじゃらな股間へと正拳突きした。「グッ。」そして次に控えていたシンナーのせいで前歯が数本欠けた奴が、すぐにエナメルの白い靴を振り上げて股間を蹴り上げる。「あっつー。」定岡は甲高い声で痛みをこらえる。「止めて、ここだけは止めてくれ。お願いだ。」涙声でそう喚く。「何だよ、お前それでも男かよ。」「根性見せろや。」3発目もやはり股間を狙って蹴り上げられた。とっさに腰をクッと引いたが、逆にモロに入ったようだ。「あー、汚ねえ!!!」羽交い絞めをしていたリーゼントが定岡を振り解く。定岡は小便をジャバジャバと放出し出し、そして頭を地面につけて土下座して「ごめんなさい、ごめんなさい、許してください。」そう、泣きながら叫ぶように言った。さすがに見ていて、情けない思いがした。いくらなんでもこんなすぐに根を上げるのか。この程度の奴にいろいろ指導されていたのかと思うと、何やらこっちも悔しかった。「何だよ、コイツつまんねーわ。相手すんのがだせーよ。もう、行こうぜ。」ケツを出したまま、自分の撒いた小便の水溜りの上で、頭を濡らして土下座する定岡に愛想が尽きたのか、4人は揃って築山の向こうへと消えていった。見えなくなっても、なお定岡は泣き喚いて土下座を続けていた。
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2017年05月26日

終わりの見えないデスマッチ(14)

「顔は止めとけ、サツにチクられても面倒だからよ。」さほど焼きを入れられたようには見えないが、殴られて若干唇が切れたらしく、定岡は口から血を垂らしながら言った。「お前ら、こんな卑怯な真似して恥ずかしくないのか?男だろ?」「うっせーな、テメーに言われたかねーんだよ。」また殴られる。「おい、コイツが男かどうか、試してみようぜ。」と、合法ドラッグの吸いすぎなのか、甲高い声を出してフラフラとしていた金髪が言う。ヤンキー共はそれで全てが分かったのか、何やらニヤニヤしていた。タバコを吸っていたヤンキーの一人が、定岡のウェットに手をかけると、いっぺんにずり下した。課外活動の帰りかどうか知らないが、そんな格好で現れるのがそもそも不用心だったといえる。全てを一気にずり下ろされて、毛むくじゃらなモノがボロンと露わになった。結構毛が濃く、剛毛に隠れて、正直そのモノはよく見えなかった。「アハハハ、ご開チーン。」「やべえ、定岡、笑える。」「超小さくね?」「何だよ、これ、おもしれー。」ヤンキー共は、意外と小さかったモノを見て、口々に囃しだした。「お前ら、止めろ。止めろ。」定岡はその恥ずかしさからか、さっきより声を抑え目にして言い放った。「おい、定岡よ、お前が男かどうか、試してやるよ。」

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2017年05月25日

終わりの見えないデスマッチ(13)

まだ、あの色黒のセミロングはエッエッとえづきながら泣いている。鼻血と鼻水が入り混じったものを無様に垂れ流しながら。この光景、そういや4年前の地元の成人式でも似たようなものを見た。成人式が終わって、久々に開かれる高校の仲間との懇親会まで時間があったから、トイレのついでに裏にある小学校に行ってみた。校舎が増築工事の最中で、時折ドリルでコンクリを砕く音が聞こえた。「おい、オラァ」と工事とは違う方向から声が聞こえた。半分埋まったタイヤの向こうの築山からだ。「分かった、お前らのことを誤解していた。謝る。」鼻血を出して詫びを入れているのは高校のときの数学講師の定岡だ。まだ30そこそこの若い教師で、俺が3年の時にD高からH商に赴任してきたから、正直あまり馴染みがない。ただ、門で毎朝服装や髪をチェックしていたり、カバン検査をしたりと生活指導に力を入れていた印象がある。特に不良の取締りには厳しかった。パーマをかけてきた奴をバリカンで刈ったり、タバコを吸った奴を一列に並べて殴っているのを見たことがある。だから目をつけられたのだろう。「テメー、何目線なんだよ?」「反省してねーだろ。」成人式とは思えない派手な服装の男4人が取り囲んでいた。イケイケな教員だから、まだ教師気分で指導しようとしているんだろう。この街の成人式後の一大イベントを知らないようだ。金髪に染めたリーゼントをカッチリ決めた細身の奴が背後から羽交い絞めにする。「やっちまおうぜ、コイツ。」
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2017年05月24日

終わりの見えないデスマッチ(12)

「あれはラッキーだったな。」「狙ってましたよね?最初から。」弘一はそう言ってニヤリとする智哉の頭を撫でた。智哉は弟分でもあり、弘一のスパーリング相手でもあった。いくら裸同士だからと言って、そう簡単に金的は狙えるものでもない。そして、こっちにも同じ弱点が残念ながらついている。弘一のモノは若干被っているとはいえ膨張時には軽く20cmくらいはあって、普段服を着ているときでさえとぐろを巻いたようなシルエットが相当目立つ。俺が狙うように、相手が狙ってくるのもお互い様だ。互いに急所を曝け出して戦っているのだから。かといって、守ってばかりでは勝てない。金的すらも反則ではないのだから、もうルールなんて全くないようなものである。それに、ルールって何だ?試合ではなくて、喧嘩だったらルールなんてそもそもない。試合でいくら強くたって、実際は金的打ったら反則負けだなんて過保護なルールで守られている勝者だ。金的打たれてのた打ち回って、結果反則勝ちしてそれが勝ったと言えるのか?自分の急所すら守れないようで、何が何に対して強いと言えるんだ?そんな疑問が常々あった。いや、誰だって普通に考えればそうだろう。それに、それを餌に勝機をつかむのも作戦のうちでもある。普段から持っているモノなのだから、日頃から急所は誰だっていつだって曝しているのだ、それも無防備に。それが奇跡的に、平和理に危険にさらされないという日常が、偶然にも継続しているだけのことである。不特定多数がルールを守ってくれるなんて保証は一つもないのだから。

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2017年05月23日

終わりの見えないデスマッチ(11)

戻ると、帽子をかぶった、まだあどけなさを残した顔をした少年が、タオルとタバコを持って待っていた。「また出ましたね、玉潰し。」弘一は試合が終わってホッとしたのか、クスって笑った。「またって何だよ。俺が卑怯者みたいな言い方だな。」「だって、この前もだったじゃないですか。」3週間前、今回の相手よりも腕の太さとか比較にならないほどの筋肉量を誇る、口ひげを生やしたハゲた重量級バルクマッチョと戦った。腕を上げて、何とか掴みかかってこようとする。こんなデカイ相手に押さえ込まれでもしたら、とてもじゃないが逃げられないし、力任せに何されるか分かったものではない。バカ力で骨を折るくらい軽いものだろう。それに、打ち込んだところでこの筋肉の厚さでは効きそうにない。相手を目潰しでひるませ、顔を上向きにして避けたので目を直撃しなかったにせよ、顔を背けようとして集中力が削がれたところを、膝で思いっきり金的を狙って振り上げたのだった。功を奏し、見事に膝で玉を潰され、厳つい顔立ちのバルクマッチョは苦悶の表情を浮かべて股間を押さえ、スローモーションでも見るかのようにゆっくりと座り込み、正座を崩したような状態でずっと重低音のようにジワジワと襲い掛かってくる痛みをこらえていた。10カウント後もずっとこの姿勢のまま、涎を垂らしながら沈黙し、ずっとその痛みをこらえたままだった。

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2017年05月22日

終わりの見えないデスマッチ(10)

「あっ、ああぁぁぁ!!!」俺のかかとは今回はしっかりと急所を直撃した。相手は仰向けのまま股間を両腕で押さえて足をばたつかせ、七転八倒している。さっきまでの威勢はどこに消えたのだろうか。喉の奥から絞り出すような声がまだ聞こえている。大の大人が、人前で急所を押さえて苦悶する姿ほどみっともないことはない。まして、見た目からして屈強な男が、たかが股間への一撃でこのような醜態を晒すのは滑稽で無様である。今まで何をそこまで鍛え上げてきたのかと問わずにはいられないような醜態だ。相手は、片手で股間を押さえつつ、もう一方の腕を振り上げた。タップしようとしているのか、させるか。二つ目のタップする手を捕え、俺のもう一方の拳はアッパーを喰らわすかのように、片手では庇いきれていなかった玉を正確にえぐった。「ひゃぁぁぁ。」気管支から息が抜けたかのような声が聞こえ、そして、「あが、あがっ」と痙攣しながら息も絶え絶えに断末魔をあげて、エビのように背を丸くしている。俺が股間を守っている両手を無理矢理剥ぎ取ろうとすると、「無理、無理、やめてくれぇ。」と哀願され、かばうように手で股間を守っている。「避けると余計痛い思いをするからさ。」そんな願いは聞くわけもなく、先ほど言われた言葉を小声でつぶやくように反芻して言うと、手をはがして現れた相手の玉を細長い指でしっかりと握って包み込み、指の先を立てて爪をめり込ませて一気に力を加える。「ギィヤァァァァ!!!」と切り裂くような悲鳴を上げ、もう自分の玉を守ることなくリングに仰け反った。大きな悲鳴の向こうでコングが三回鳴った。タップしたのか。これからだったのにな、と汗ばんで一段と白く輝いているカラダを反転させて、リングを降りて行った。相手はリングの中央で、股間をずっと握りしめたまま蠢いていた。弘一とは違った汗で、黒い肌が照らされて輝いていた。対角線上のコーナーには無傷のジャンパーがかけられたままだった。
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2017年05月21日

終わりの見えないデスマッチ(9)

相手はアナウンスの間、ロクにこちらを見ることもなく、コーナー附近を落ち着かない様子でずっとうろついていた。コングが鳴る。相手はよく聞き取れない雄叫びを上げつつこっちへ向かってくる。その声の大きさに圧倒され、俺は中央に出る間もなく、一気にコーナーに追い詰められた。フェイントで相手の突進をとりあえずかわすが、右、左と相手はパンチを交互に打ち込んでくる。足のステップは前のめり気味に、目は俺の顔面をずっと見据えていたが、相手は顔面狙いと見せかけて俺の左脇腹に打ち込んできた。「ガッ。」相手は前につんのめって惰性で俺の左脇へとよろけた。俺は脇腹を腕でガードし、同時に相手の金的に蹴りを入れたからだ。そんなクリーンヒットと言うわけではなかったが、足の甲が相手の玉にめり込む感触があった。すぐさまカラダをひねって後方回し蹴りを喰らわすと、相手はそれを避ける余裕がなかったからか肩の辺りに入り、その勢いで仰向けに倒れた。俺は、相手の左足を持ち上げた。相手は関節を決められると思ったのか、すぐに起き上がろうとして俺の手を放そうと試みたが、俺のかかとは相手の無防備に曝け出した股間にめがけてふり下された。

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2017年05月20日

雑記帳(2017/05/20)

2年前から書いていて、まあ、気の向くままに書いているので途切れ途切れというか、未完成のものも多く、何ていうかね、別に読まそうと思って書いているわけではないので、面白くも何ともない小説ばっかりで申し訳ないのですが。
個人的には「耐えてみろ!」あたりがよく書けたなって思っているのですが、アクセス多いのは「デリバリー」なんですね。佐川人気?全然エロい場面が出てきてないんですけど、まあ読んでくれるのは嬉しいですね。っていうか、執筆途中で、しかも終わりをまだ考えていないんでね。
「堕ちるところまで堕ちて」は長編だったからかアクセス良かったです。終わりがちょっとグロくなってしまいました。堕ちていく「途中」のストーリーを書いてもよかったんですがね。端折ってしまいました。アクセスの状況とか見ながら考えたいと思います。
あと、今書いている「終わりの見えないデスマッチ」もアクセスは順調ですね。もう実は書き終わっていまして、小出しに出しているんですが。金的系はいろんな人が書いていて、人気テーマなんですけど、あえて参入してみました(笑)。ま、まだ金的出てきてないか。乞うご期待ってことで。

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toppoi01 at 08:47|PermalinkComments(0)雑記帳 

2017年05月19日

終わりの見えないデスマッチ(8)

裸足なので鉄独特の冷たさが伝わってくる。階段を下りた後、リングまでは一応赤いじゅうたんが敷かれている。これは、さすがに裸足だと木のささくれが刺さったりするからなのだろう。しかし薄汚れてところどころがめくりあがったり大きなシミがあったり、決して花道と言う感じではない。弘一はリングに上がると、対角線のコーナーに寄りかかり、時を待った。名前、スペック、そしてオッズを読み上げる。どよめきが起こる。まあ、高オッズだからな。弘一のカラダは透き通るような白さで、服を着ていればガリガリに痩せた真面目な青瓢箪のようだが、脱ぐとカラダから脂肪という脂肪を削ぎ落としたかのような、シャープで筋張ったカラダが浮き出てくる。183cmと長身で、手足も長く、鉄筋でできているかのような鋼鉄の肉体ではあるが、相手のレスラーのようなカラダを見ると、体格差は歴然としていた。写真よりも実物の方が胸の厚みがえげつない。胸囲は1mを超えているのではないか。そして、胸全体にうっすらと、そしてその厚い胸に刻まれた谷間に密集して生えている胸毛から臍、そしてその下へと延びていく腹毛が相手をさらに厳つく見せている。最終オッズは1対4.4だった。多数が俺の負けを願っている。周りの客も言ってみりゃ敵ばっかってことだ。
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2017年05月18日

終わりの見えないデスマッチ(7)

タバコを吸い終わり、更衣室に入ろうとすると、俺の対戦相手は既に裸でジャンパーを羽織って座っていた。俺がロッカーで着替えていると、背後から「オイ。」と声がかかった。部屋にいるのは、一戦目の勝者を含めて3人だ。「オマエ、俺に勝つ気でいるのか?」俺は無視して無言で服を脱いでいると、背後から一方的にしゃべってくる。「避けると余計痛い思いするからよ、ちゃんとしろよ。意地を張るのもいいけどよ、俺、実際、弱いものいじめとか好きじゃねーんだ。チャッチャと終わらせれば悪いようにはしないからよ。」脅しているつもりなんだろうが、口数多いのは不安の裏返しだ。「俺、怒らせたら自分でも何しでかすか分かんねーからよ、そこんとこよく考えておけよ。」一戦目の敗者と二戦目の勝者も戻ってきた。色黒の奴はまだグズグズ何やら言いながら泣いている。勝者の方は既に着替え終わって携帯を弄っている。アナウンスが聞こえる。リングに上がれとマイクで言われたので、階段を下りていく。


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2017年05月17日

終わりの見えないデスマッチ(6)

メッキのはげかかった手すりに手をかけて、タバコを吸う。俺の対戦相手らしい奴が個室に入って行った。皮のジャンパーに金色の龍の刺繍が入っているのが遠目で見える。髪もチラシが白黒で分からなかったが金色だ。彼の対戦成績は三戦全勝。俺も1回だけ試合を見たけれど、さっきの色黒の奴とやり口は大差ない。ただ、力が強くてバランスが崩れず、当たれば一発で相手をダウンさせる破壊力を持っている。2回戦が始まった。随分と今度は背が低い同士。一応、賭けだからそういうバランスも配慮しているのだろう。オッズを見ても1対1.6だ。そういや、青いバンドの方が二回りくらいずんぐりした感じで、重心が安定してそうだ。手数はしかしスリムな赤バンドの方が多い。どっちも牽制しているというか様子見をしている感じだ。この試合はラウンドとかはない。どっちかが勝つまでずっと行われる。左右のパンチを繰り出すけれど、微妙にずんぐりの方に届かない。上手いこと足を使って避けているようでもあるし、スリム側のフェイントのようにも見える。スリムな方が蹴りを尻のあたりに喰らわせたが、それをずんぐりが掴んで、体を預けて引き倒した。スリムはリングに倒れて全身がバウンドする。後頭部を打ったんじゃないか?すかさずマウントを取り、両腕すら足で押さえ込まれて、防ぐ手立てがなく顔面に容赦なくパンチが打ち込まれる。コングが3回鳴った。よく見えなかったが、きっとタップでもしたのだろう。顔とか殴るのはいいけど、素手なんで、殴る方もダメージ喰らうと思うが。後先考えずだなんて素人だな。
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2017年05月16日

終わりの見えないデスマッチ(5)

会場はざわつきだし、ブーイングも聞こえてきた。何人かがそいつを取り囲んでリングに戻そうとしている。賭けている奴らだろう。リングは2回まで降りていい、ただ、1分以内に戻らなければ負けになるというルール。もしくはダウンして10秒間立ち上がらないか、3回リングをタップすれば負け。セコンドがいるわけではないから、傷の手当ても水の補給もしてくれない。負けたものにあるのは野次と罵りだけ・・野次だけならかわいいものだが、大抵裏で焼きが入ったりするんだけどさ。どうも色黒は号泣しているらしい。こんなんじゃいくら説得したって試合にならないわ。新人と言っても、別に俺みたいに金に執着せず、ただ試合をしたいから出てきているわけではない。その筋の下っ端だったり、借金かさんだポン引きだったり、詐欺グループの金の受け取り役だったりと、訳アリの人たちが集まる。ま、ボクサー崩れとか相撲部屋を抜け出してきたデブとか、体重体格差すら関係なく千差万別だけど、裏組織とのつながりがある以上、金を賭ける人、試合をする人、ここにいる人全てが裏ルートから何らかのつながりがあって来ている人だった。片輪のじいさんがリングを掃除しているから、ケリがついたのだろう。勝者の青いバンドをつけたのが戻ってきた。眉毛細いし色白と言うよりも青白くて喧嘩が強そうにも見えないけど、あのパンチはボクシングでもちょっとはかじっていたのかもな。
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