2021年05月05日

疑心暗鬼(3)

昼を挟み、作戦本部会議が開かれた。実効支配地域の警邏が主題であったが、皆原はそれを上の空で聞いていた。斜め向かいに座っている郡は積極的に意見を言っていたが、薄笑いを浮かべつつチラチラとこちらを見ているような感じを受けた。そうか、と合点がいった。俺のポストを狙っているのかと。そして俺が今まで築き上げた諜報活動の成果を横取りし、俺を陥れることで昇進を狙っているのか。狡い奴だ。郡は俺より年は3つも上だが取り立てて軍功をあげた話など聞いたことがない。人を貶めて褒賞を得ようとは軍人の風上にも置けない。
「皆原中尉、皆原中尉。」
副班長の喜屋武が耳元で頻りに囁いた。我に返ると皆がこちらを凝視している。
「はい、あの、第一班といたしましては、この度の滄州南進の件でございますが、」
「中尉、その話は喜屋武少尉から既に伺いました。今は保定への進軍の策定をしておるのです。」
「は、失礼しました。保定、軍閥の拠点となっておりまして、保定、現状の兵力ですと、ええと、」
「もうよい!」
主任参謀長の小岩井が声を張り上げた。
「共産ゲリラの侵攻と軍閥に挟まれ、のっぴきならない状況にあるにもかかわらず危機意識が希薄である。喜屋武少尉。」
「は、失礼ながら私が説明をさせていただきます。保定南東部50kmにおきまして、共産ゲリラによる襲撃がここ数日にわたって起きております。我が軍は・・。」
主任参謀長の叱責にもかかわらず、皆原は結局この会議に集中できなかった。

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toppoi01 at 06:30|PermalinkComments(0)疑心暗鬼 

2021年04月29日

疑心暗鬼(2)

二重スパイ、か。部屋を出るとき、皆原は誰にも聞こえないくらいの声で呟いた。特殊諜報部第四課の班長である皆原は、複数の中国人スパイを抱えていた。報酬として金銭も与えるが、そのスパイが周囲に信用されるよう、少なからずの情報も与え、その中には軍務の機密情報も含まれているのだった。背中を嫌な汗が流れ落ちた。二重スパイ、そんな嫌疑にでもかかった日にはそれこそ銃殺刑だ。3か月前、日本人の商社で出入りしていた者の一人が八路軍と通じていたことが発覚し、突然拘束されて特高の拷問を受けた末に郊外で銃殺刑に処せられる場面を目にしたことがある。フラフラになりながらも自分でスコップで穴を掘り、目隠しをされて後ろ手に縛られ、至近距離から背後を打たれてそのまま自分が掘った穴へとつんのめる姿。あんな惨めな最期を遂げるのは真っ平だ。心当たりはあった。第四課には三つの班があるが、第二班の郡の班は実績をあげようと焦り、かなり手荒いことをすることで有名であった。ただ、いくら拷問で自白をさせたところで、ないものをあることにすることなどなかなかできない。謀議、嫌疑などいくら積み上げたところで、こちら側が作った絵空事が事実にはなるわけではない。むしろ、地道な諜報活動が成果を上げるのはごく当然で、ただ課で断トツの検挙数を誇る第二班にとっては面白くない話ではあった。

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toppoi01 at 08:30|PermalinkComments(0)疑心暗鬼 

2021年04月26日

疑心暗鬼(1)

「中尉、あなたがなぜ、ここに呼ばれたか、分かりますか?」
「いえ、後藤少佐、私には皆目見当がつきかねます。」
そう言いつつ、皆原中尉は、この前の騒擾の取り締まりにあたっての褒賞のことだろうと思っていた。つい10日前に、露西亜の遺産でもあるロータリー附近で起こった中国人同士の諍いについて、先に新聞にリークして、取り調べもまだ終わっていないのに、結論ありきで軍医局送りを決めてしまったのである。当然少佐の耳に入っていることだろうが、まだ報告書が途中であったために、課長には草稿程度を見せていただけであった。しかし、特殊諜報部長である後藤少佐から直々に言われるということは、栄転の可能性もあるか、そう思うと自然と口元が緩んだ。
「中尉、しかし、君がこんなことをするとは私はいまだに信じてはいないんだがね。」
「少佐殿、これは支那人のスパイを潜り込ませ、この反日騒擾の謀議を事前に聞きつけ、精鋭部隊を張り付けていたのです。二重スパイというご懸念を抱いているようでしたらご心配なく、その者は・・」
「いやいや、そのことではないんだ。」
半ば嘘とはったりで塗り固めた真骨頂ともいうべき語りを手を交えて遮って言うには、
「というかだな、君のことを二重スパイなのではないかと疑う者がいるんで、俺も弱っているんだがな。」
「自分が、ですか?」
「まあ、君に限ってそんなとんでもないことをしでかさないとは思うが、こういう世界だ、知らぬ間に罠にかかることだってあり得る。重々気を付けたまえ。」
「ありがとうございます、少佐。」


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toppoi01 at 15:51|PermalinkComments(0)疑心暗鬼 

2021年01月23日

雑記帳(2021/01/23)

「台南の風に吹かれて」は、書きためてあったのを一部修正して載せてみました。俺ってね、金的ばっか書いているわけではないんでね。俺は好きなんだけど、こういうのってアクセス数伸びないんだよね。コメントが付くのも金的ばっかだし。まあ、長々と書いたBとCもそろそろ終わります。ってCは公開していなかった。出しておきますかね。あと、できれば思いっきりファンタジーみたいなものも書いてみたいんだけど、なかなかイメージが湧かなくて。小説をオマージュしてもいいかなって思ってるんだけど、著作権に引っかかってもなんだし。ま、考え中です。ま、何かね、バディとかもそうだけど、エロ小説って途中で何だこれってなるんだよね。文体とか言い方で冷めちゃうってのがある。なかなか難しいものなんですよ、皆さん。勝手に書いて載せているだけなんでいいんだけど。

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toppoi01 at 15:45|PermalinkComments(0)雑記帳 

2021年01月12日

台南の風に吹かれて(10)

俺の方が先に起きた。俺を抱き枕のように抱きしめて寝ている。裸のまま、治文のモノが俺のケツに引っ付いている。昨日の余韻だね。寝顔すらカッコいい。隙が全然ないや。口元が寝ていてもキリッとしている。唇を触ると何やら寝言を言ったよ。そんなことより、昨日はシャワー浴びないまま疲れて寝てしまったから、浴びてこないと。俺なんて欠点ばっかりで少しもいいところがないからな。シャワー室を出ると、もう治文は起きていてパソコンでカタカタ何か打っている。
「おはよう、治文。何しているの?」
「おはよう、健一。日記を書いているよ。」
「へえ、えらいね。」
「僕たちのことを忘れないように。」
絶対忘れないよ、治文、俺はね。死んでも忘れないと思うわ。・・中国語で、俺が枕に涎を垂らしたと書いてある。完全に恨み言じゃないか。日本人だから分からないと思っているんだろうけれど、何となくは分かるんだから。ビキニのままパソコン・・エロい。そんな格好でパソコン打ったりする?恥ずかしながら、朝から元気になってしまった。と、パタンとパソコンを閉じて、俺の棒を軽く握ると、
「シャワー、浴びるね。」
とタオルを持って行ってしまった。・・あの、更に猛々しく行き場をなくした俺のこの棒はどうしてくれる??
短かった台南の旅、というか台南の短い生活も今日で最後。不思議だわ。治文は全身静脈が流れているんじゃないかってくらい淡々と落ち着いていて、笑顔なんて殆ど見せない。この暑い台南の中で、秋を感じさせる風に当たっているかのような、こういう冷菜のような愛の形もあるんだなってね。帰り際、携帯を見せられた。日本語・・北欧のフリマ?が何?で、中国語で何か言っているけれど、よく分からない。聞き返すと、どうやら「下北沢」を中国語読みしているらしい。それが何か?
「この日、東京に行く。」
え、もしかして、東京で北欧グッズのフリマに行くってこと?俺の両手首を掴むと、いきなり口に軽くキスをして、
「一緒に。」
と言って、こちらを振り替えずに先に歩き出した。照れるね。こんなことされたことない。顔、絶対赤くなっている。携帯もう一遍見せてよ。その日、休暇の申請出さないといけないからさ。

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2021年01月10日

台南の風に吹かれて(9)

出てくると・・美しい。濡れた髪といい、その髪を拭く姿といい、無駄のない均整の取れたカラダといい、バランスの取れたスタイルといい、神の領域じゃない?あれ、ビキニ?ビキニだったっけ?で、もうベッドに入っている。
「寝ないの?」
いや、いや、俺、歯を磨かないと。慌てて磨く。でも念入りに。で、布団に・・寝息が聞こえる。そうだよね。そりゃそうだわ。俺の考えすぎ。疲れているしさ。こっち向きで腕を枕の上に伸ばして寝ている。そっと音を立てないようにしてベッドに入ると、急にガッて抱きしめられた。で、足も絡めてきて顔と顔が猛接近。口・・イケメンって本当にうっとりととろけるようなキスをするのね。俺でさえギリギリの狭いベッドで、そしてこんなに小さな小さな空間で、モデルみたいに抜群のスタイルをした治文とこうして異国で抱き合っているなんて、夢のようだ。裸・・、いや、そういやビキニ履いているんだった。手で探る。腹筋がモコモコしている。直で触るとちょっと湿っている。その下、・・何かビキニから固くて熱いモノが出ちゃっている。布団の中でモゾモゾしている場合ではないや。タオルケットのような薄い布団をはぎ取るけれど、ほとんど見えない。間接照明とかないから、窓から差しこむ月の明かりが頼り。でも、窓も小さいから全然明かりが入ってこない。まあ、いいや。そのビキニの下で窮屈そうにしている固いモノを握りながら、いつまでもいつまでもキスを交わしていた。

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2021年01月08日

台南の風に吹かれて(8)

「出かけるよ。」
あの、またも展開が急だわ。予定を先に教えておいて。近くなのかな?バイクを使わない。歩きながら、こっちをチラッて一瞬見て、それから前を見たまま、
「僕のどこが好きなの?」
って。やだ、直球な質問。どこって、どこから言えばいいの?いろいろ好きなんだけれど。ひとまず全部っていうのが無難か。というか、なぜ俺なの?俺なんて全然いいところがないのに。
「優しいところ。」
・・そっか。そんなところだよね。意外に普通だったので、ちょっと意気消沈。彼は俺の方を振り返ることもなく颯爽と歩いている。全部好きって言ったけれど、強いて挙げるとすれば、その切れ長の瞳から滲み出ている、ちょっと涼しげであるけれど悲しげと言うか、切なさの漂う感じかな。会ったときから別れを予感させる、そんな瞳。その瞳に俺は魅せられたんだよ。
ん?コンビニの脇にある露天に来た。黒々とした煮物が。内臓?
「食べられる?」
怪訝な顔をしているのを察したのかな?いや、治文が言うものだったら何でも食べるさ。
「これ、豚のここ」
唇をめくって自分の歯茎を指している。何か歯茎までひっくるめてイケメン。うーむ。こんな真っ黒な鶏の足とかどこ食べたらいいんだろう。ま、さっき決意したじゃないか!で、テイクアウトする。またマンションに戻る。・・どこで食べるの?と思っていたら、段ボールを組み立てている。これで食べるんだ。何か、貧乏学生みたい。何か俺が食べるところをジッと見つめられている。食べないの?
「食べるところを見たい。」
恥ずかしいわ。何とか食べた。食べたよ!
「シャワー浴びてくる。」
俺は部屋に取り残される。本当に何もない部屋。本も日本語検定の本しかない。床だって、よく見るとカーペット敷いていないところはコンクリートじゃない?台南だって冬の夜はこれじゃあ寒いんじゃないかね?入口のドアだって、よく見ると下、開いているよ。猫入ってこれそうなくらい。覗けちゃうよね。

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2021年01月06日

台南の風に吹かれて(7)

ってなことで、高雄のホテルは既に料金も払っているんだけれど、当然キャンセル。荷物を駅から運び出す。ちょっとこの荷物じゃバイクは無理だよね。一緒に歩く。この信号を右とか橋の下を通るとかいろいろ言っている。一緒にいるんだから分かるけど?と思ったら、そっか、一人で来るときのために道順教えてるんだ。やばいやばい、急いで復習。大学病院の向こうにコンビニ見えてきた。治文のマンションにまた入る。1階だから便利だけど、人の声がうるさいね。あ、窓開けているからじゃんね。
「シャワーあるよ。」
ああ、浴びろと?ビショビショだもんね、俺。風呂はなくてシャワーとトイレがついている。もう小さな小さな部屋で何もない。背の高い治文にとってはもっと狭いよね。経年でそんなにキレイとはいえないシャワー。味が出ているっていやそうだけど。日本製のシャンプーが置いてある。日焼け止めにニキビの薬か。ニキビなんてどこにあるよ?やっぱちょっとでも肌が荒れると気になるのかな?ドアが開く音が。タオルを渡される。おー、まだアンダー履いたままで良かった。鍵がないんだよね、ここ。トイレとか、ドアノブ・・つかめないけど?入ってきちゃダメじゃん。大していたらどうするよ!?シャワーを浴びて出ると、またパソコンを見ている。・・ところで夕食は?
「何食べたい?」
何ってこともないけど、中華かな?治文は腹減っていないの?
「減っていない。」
・・俺はすっごい減っているんだけどさ。

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2021年01月02日

台南の風に吹かれて(6)

ってことで、街中をブラブラ散策することにした。暑いけど。リュックを背負って来たから、背中がもう汗でビッショリ。服もなんか湿って臭くなってきたし。腋汗・・どころの騒ぎではないや。全身がもう汗だく。うーん、こんなんで彼に会える気がしない。
高雄国際空港で買ったSIM CARDの調子が悪くて、つながらない。それに携帯の電池も運悪く急になくなりかけてきた。バイトが終わったら連絡をくれるって言ったけれど、分からないじゃんか。いつ終わるとか決まってないんだろうか?で、wi-fi使えそうなところを探し回るけれど、こういうときに限って全然ない。台南だもんな、ここ。台南駅に来たら、急につながった。連絡が入っていた。1時間前?!もう辺りも暗くなり始めていた。うーん、暑いから携帯のバッテリーの減りが速いのかな?電池なくなってしまった。どうしよう。待つか。会える気がしないけど。って、こっちに近づいてくる人影が。台湾人にしては背が高いから、ロータリーの向こうからもう治文だって分かるわ。もしかして、結構な時間待っていた??
「荷物は?」
駅の一時預かりに。高雄にホテルを予約しているんで、夕食を一緒にとってから取りにいくからいいよ。
「今、取りに行かなければならないよ。」
え、待ち合わせたのに、一緒に食べる時間がないの?
「僕のところに泊まればいいと思う。」
やだ、マジで?そうなの?照れるわ。

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2020年12月31日

台南の風に吹かれて(5)

「これからアルバイトがあります。」
は、はい?
「僕と一緒に来る?」
バイト先に??何のバイトよ?
「日本のお茶とか出すレストランです。」
定食屋?トンカツとか?あ、吉野家じゃない?
「説明は後ね。一緒に。」
全然有無を言わさないわ。時間がないのか?ま、さらっていくような強引さがまた素敵。駅前の民家の前でバイクを停める。矢印で小さな看板が出ているけど、見た感じ奥も平屋の民家だけどね。3軒目の平屋の引き戸の閂を開けて入っていった。古民家カフェ?
「座って待ってて。」
んー、手持ち無沙汰なんですけど。畳に座らされて、前には木製の古めかしいテーブル。棚には薬剤の瓶とか戦前の学術書とか置いてある。ま、飾りなんだろうけれど、使用済みっぽくて何が入っていたか分からない緑色の瓶に、学術書だって東京市の衛生事情とかナチスの刑法とか、あんまり食欲をそそりそうなものではない。縁側があって、その先の小さな日当たりの悪そうな庭にひょろっとした木が生えていて、横に中ぐらいの壺がある。ボウフラとか湧きそうだけど。
「これ、食べて。」
目の前に置かれたかき氷は、どう見ても宇治金時。台南に来て宇治金時か。俺って日本人なんだけど。まあいいんだけどさ、ってその紺の甚平、超似合う。イケメン着るとこんなにもさわやかに見えるもんなんだ。どこで買ったの?
「何?」
なぜにさっきまで分かっていたのに、こんな基本的な文になると急に分からないかね?うーん、マンゴーかき氷食べたいんだけど。このバイトって何時まで?
「夕方まで。」
あの、それまで何して過ごしたらいいんでしょう。

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2020年12月29日

台南の風に吹かれて(4)

で、コンビニ横の細道を通って、・・どこに行くかと思ったら、彼のマンションに!?え、何、そういうの言っておいてよ。暑いからクーラーをつけるんだけれど、窓に取り付け式の古いタイプだからか、ガタガタガタと結構な音が出る。聞いたこともない台湾のメーカー。でも、小さな部屋だから、すぐに涼しくなる。ベッドの横に備え付けられた小さな机で、治文はノートパソコンを見ている。え、というかいつの間に上半身裸に!?セクシー過ぎる。広い背中には全面に薄めの青一色で大きく書かれた龍、筋肉質な腕には古代語で書かれたのタトゥが。何て書いてあるのか聞いたけれど、チベット語で全ての人に幸あれなんだそうだ。美しい。美術館に飾りたいくらいに美しい。前に回り込んで・・あれが俺がさっき触っていた腹筋か・・超ボッコボコ。直で触りたいんですけど。口を半開きにしてみていたら、パソコンをパタンと閉めて、こっち来るじゃん!超心臓がドキドキ、って思ったら、白いシャツを手に取って羽織った。

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2020年12月26日

台南の風に吹かれて(3)

治文は日本語が多少できる。文藻外語大学で日本語を専攻したんだって。だとしたら、もう少しできてもいい感じもするけれど。顔がカッコいいのはそうなんだけれどクールというか、月の光がよく似合うような、言うなれば黙っていてもいい男って感じ。チェックアウトを済ませてホテルで待ち合わせた。だって朝一緒に食べようって言うからさ。朝とか学生の街だから近くにいくらでも食べるところあるのに、わざわざバイクでシャレたパンケーキの店とか行って食べるんだけど、・・俺、日本人だからパンケーキよりも豆漿に粥とか油条食べたいんだけどね。ま、いいや。風に吹かれてバイクに乗るときが一番幸せ。メットを借りて後ろに乗る。日本だとバイクにそもそも乗る機会がないじゃない?まして、後ろなんてね、どう乗ったらいいのっていうより、人前でこんな密着しちゃっていいのかね?治文の腰に手を回して台南の街を走る。台湾ってバイクやたら走っていて、2人乗りもいるけど・・皆こんなラブラブみたいな乗り方してないや。水泳が趣味だけあって広い背中でね。腹に手を回したら、ま、もうコリコリした腹筋がすごい。どのパーツを触ってみてもコリコリしている。これって何パックの腹筋なの??バイクに乗っている間はずっとその腹筋のコリコリ具合をいじってるんで、何か朝食なんかどうでもよくて、ずっと乗っていたいって気分になるんだよね。鼻血出そう。信号待ちしているときに、ふと振り向いて手を握ってきたりすると、俺も年甲斐もなく顔が赤くなる。流し目というか横顔がきれいなんだよね。

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2020年12月24日

台南の風に吹かれて(2)

出会いは、前に台南に観光に来たとき、ゲイバーでイベントがあるって告知を見てふらって入ったときのこと。イベント自体は大して面白くもなくてね。ゴーゴーボーイもボーイと呼べないくらい年のいって腹の出たオヤジが、踊っているのかさえ微妙なダンスを披露しててね。高木ブーの雷様みたいな緑色したカツラがまた泣ける。でも、この場末感が台南に来たなって感じがしたよ。なんか、こういうバカバカしい時間もたまにはいいよね。たまにはだけど。
で、ふと横見たら、ジーンスでTシャツの上に薄手の黒いパーカーを着た、背の高い切れ長の目、そしてキリッとした眉をした男が炭酸水を飲んでいた。俺はポーっと見とれてしまった。かっ、カッコいい。もしかして、これが一目惚れって奴なのかなって。で、「日本人ですか?」って話しかけられるではないか。「は、はいっ。」って上ずった声を出してしまったよ。「お一人ですか?」「は、はいっ。」上ずった声が治らない。「僕と一緒に飲みませんか?」っていくらなんでも、俺は100%夢だと思った。そんなこと言われることなくない?俺、梅酒とか訳分からないの飲んでたし、あの昼間の暑い中をずっと観光して回っていてホテル寄らずに来たから、きっともの凄い汗臭いしさ、ヨレヨレのTシャツだし、髪とかベタベタ・・もしかして台南で有名なマネーボーイとか・・って、ちょっちょっ、何してんの?「髪、いい匂いしますね。」きゃぁぁぁぁ、考え事してたら彼が俺の頭に顔を近づけて、汗でベタベタになった頭の臭い嗅いでるじゃん。ああ、もうちょい離れて。嗅がないで、嗅がないで・・なんてのが出会いだった。でも、もうその夜は高雄に帰らなければならなかったから、あんまりしゃべれなかったんだ。そしたら、「これ、僕のlineのIDだから。」ってカード渡されちゃって。
ホテル帰って、wi-hiで携帯つないだら、彼からメッセージが。「また会いたいな。今度、いつ台南に来るの?」で、1ヶ月も経たないうちにすぐまた台南に来たんだ。

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2020年12月22日

台南の風に吹かれて(1)

ベッドの上でテレビを見ている。治文は俺の膝の上でずっと寝ている。
で、俺は「HERO」というキムタク主演のドラマを見ている。台南で。もう治文さ、膝の上で寝られると、俺、何もできないんだけど。治文は185cmあるんで、この据付のベッドは頭がつかえてしまう。だから、普段は足をちょっと上げて寝るか、折り曲げて寝ている。
いや、そもそも治文は実家から通っていたんだ。実家のお父さんは台南で高校の国語の先生だったんだけど、定年でずっと家にいるから、大学を出てから週3くらいのペースでバイトを入れたりしてで自由気ままに過ごしていた治文は急に居づらくなったようで、台南駅の裏にある、成功大学の学生向けのマンションの1階を借りて住み始めた。ま、お金がないみたいで本当に貧乏学生が住むような4畳半程度のスペースで、部屋にはシャワーとトイレが一緒になった小部屋と居室だけ、ベッドがもう部屋の半分を占めているような、そんな部屋。
それにしても、こんなスヤスヤ寝るんだね。この前も、腕枕をしてテレビを見ていたら、もう寝ていた。見るなよ、テレビ。俺に気を使って日本のドラマのチャンネルをわざわざつけているんだろうけどさ、俺一人だったら別のことしたいんだけど。
「んー、健一、おはよう。」おはようじゃねーよ、20分以上寝てたぞ。

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2020年12月11日

終わりの見えないデスマッチB(32)

試合の日、会場にはデビュー戦では姿を見せなかったシディークと健の姿があった。応援しに行くと言っていたが、少なくとも健は賭けに来たにちがいない。元々、皆生活は保障されているのであるが、現金を持っているわけではない。試合に出てようやくファイトマネーをもらえるが、健たちの場合は一般の人と違って勝とうが負けようが、もらえるお金は同じだった。また、試合に出る出ないについても、こちらで決められるものではなかったし、体調が悪いからとか怪我をしているからと言った理由でも出ろと言われたら出なければいけなかった。そうした場合は早々に負けるようにするのだが、成績が芳しくなければここにはいることはできず、いつの間にか消えていく運命にあるのであった。最初の試合であり、さすがに実来は0勝1敗で6秒KO負けと書かれていたこともあって、相手が初戦だというのに3倍近いオッズになっていた。実来は前回と異なり、試合時間ギリギリになって現れた。対戦相手は毛先が金髪で逆立っていて、目つきも悪かったが、カラダつきはあばら骨が見えるほどまでに痩せ細っていた。そもそも、この格闘場では武器は持ち込みできない。また、全くの裸であるから防具も何もない。シューズやマウスピースどころか包帯やサポーターも禁止されている。それに体格差も考慮されているとはいえ、全然違う体格同士が組まされることもよくある。オッズも賭ける人の数に全く比例してつけられているわけではない。意図的に一方に高いオッズがつくこともある。また、八百長ももちろんあるのだけれど、先ほど言った賭ける人の数に比例しているわけではないので、ここは良心的に八百長を「示唆した」オッズになっている。賭けている方も八百長があると言うことは織り込み済みで、どれが八百長の試合なのかを楽しむというのも上級者の賭け方なのである。

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2020年12月09日

終わりの見えないデスマッチB(31)

既に、次の試合も組まれていた。今度は相手も初めてのようだった。そもそもが、こうした賭け試合に出るというのは、金目当てであることが多く、勝てばもちろんのことだが、負けてもファイトマネーがもらえることから、意に反して出させられるという例も少なくはなかった。だから、初めてというのは珍しいことではなく、最初で最後である者も多かった。当然、その殆どが敗者だ。なので、初出場にオッズが厳しい数値を出すのはむしろ当たり前で、新人に期待をしようなんて思うのは、ここの常連だったら馬鹿げたことであった。対戦相手の情報を見ていると、シディークが脇に座った。「これ、相手はなめてかかってくるね。」え?「デビュー戦、わざと負けた?」いや、そんなことは絶対ないんだけど、って思ったが、それも織り込み済みで、「おそらく、一発で倒せ的な指示があったね。普通だったらデビュー戦って勝たせるし。」トレーナーとして何人も送り出しているシディークは言った。「八百長はないんだ。それってどうせ大根役者同士だからバレるからね。けど、オッズは調整できる。オーナーの采配で何ともできるんだ。次はおそらく勝てるようになっている試合だよ。」白黒のコピーで全身写真も服を着込んでいるから様子は分からないが、細身のワルってことは一見して分かる。実来も、賭けの対象になっていることはうっすらと理解しているつもりだったが、自分の知らないところでいろいろ蠢いているということまでは理解が及ばないでいた。

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2020年11月17日

終わりの見えないデスマッチB(30)

結果はあっけなかった。瞬時で決まった。乾いた金属音を聞き、実来は相手に向かっていった。足か腕かどっちを先に出そうか躊躇していたら、相手の拳が実来の顎を的確に打っていた。ただそれだけで、あとはしばらくマットに倒れていたのを両足をもたれてリング外へと引きずっていかれただけだった。オッズは間違っていなかった。どよめきも何もなく、予想通りのことがただ起こったのだった。瞬時のことだったので、負けたという実感もなく、着替えるとすぐに外に出た。試合は、他の者はその日に試合がある者以外は見ないという暗黙のルールがあった。そもそも賭けをしている人、関係者と試合をする人しか入れないのであった。この前も下見とはいえ、賭けたから入れたのであった。賭け金は競輪競馬のような少額からでも楽しめるようなものではない。試合にもよるが、一番安い試合であっても入場料を除いて一口3000円からだ。外に出ると、先ほどのサングラスの男が近寄ってきた。「惜しかったな。」と、慰めになっているのかどうか分からないことを言ってから、「出すのはまだ早いって俺も思ったんだけどさ、オーナーが言うから。」と、ここでもオーナーの名が出てきた。タバコを口にしたが、咽せてロクに吸わずに火を足で消すと、「けど、あの人は目を細めて喜んでいたよ。」と告げると、また中に戻っていった。

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2020年11月16日

登場人物(2020/11/16)

登場人物

基本的に、誰が主人公とかはありません。小説ごとに主人公も違いますし、設定も全然違います。
ただ、同じ名前なら同一人物です。大抵は架空ですけれど、実在の人物をモデルにしているものもあります。(ま、俺しか知らないけど。)あと、年齢は悩ましいところで。アップした当時の年齢ってことでお願いします。

高梨 啓太郎(たかなしけいたろう)
売れない劇団員で主にバイト生活。33歳。「川辺にキラリ」で登場。

大戸見 邦史(おおとみくみふみ)
世田谷区図書館でアルバイト。特技はフルートが吹けること。28歳。「川辺にキラリ」で登場。

池尻 翔太(いけじりしょうた)
大学を出てフリーターだった。享年23歳。「短かった夏」で登場。

中村 敏夫(なかむらとしお)
中堅企業の派遣社員だったが、鬱病を発症しリストラをされる。享年42歳。「短かった夏」で登場。

馬淵 昇平(まぶちしょうへい)
妻も子どももいるが、実態はセックルレスの仮面夫婦。享年36歳。「優先順位」で登場。

住谷 和明(すみたにかずあき)
昇平のセックスフレンド。世話好きで料理が趣味。享年33歳。「優先順位」で登場。

高坂 悟(こうざかさとる) 
コンビニでバイト生活。29歳。結構ドSで茂人に様々な要求をしていく。けど、実はネコ。「愛しているって言って」で登場。

北村 茂人(きたむらしげと)
悟に言われるがままに従うドM。だけどタチ。「愛しているって言って」で登場。

鈴木 克利(すずきかつとし)
フリーター。資格試験を受けると言う名目で定職に就かず、コンビニ等でバイトをして暮らす。32歳だが、長年の不摂生が祟り中肉中背キューピー体型。しかし、本人はイケている、モテると思い込んでいる。「ハサミムシ」で登場。

加藤 光男(かとうみつお)
フリーター。人とコミュニケーションをとるのが苦手で定職に就かず、ハッテン場でバイト生活をする31歳。「栗の香りに囲まれて」で登場。

柄谷 努(からたにつとむ)
県立高校の数学講師。28歳。曲がったことが大嫌い、神経質で凝り性の完璧主義者。「とことん付き合って・・いけるか、俺?」で登場。

小林 圭一(こばやしけいいち)
百貨店で経理を担当している。努の彼氏。31歳。「とことん付き合って・・いけるか、俺?」で登場。

坂上 明(さかがみあきら)
IT会社SE。31歳だが外見は20代前半と言っても通るくらいの童顔イケメン。「夜明け前」で登場。

新庄 智幸(しんじょうともゆき)
ゲイバーのママで、そこでは幸子という名で通している。まだ26歳と若いのだが、夜の生活が祟り、30代に見える。「夜明け前」「堕ちるところまで堕ちて」で登場。

北村 慎吾(きたむらしんご)
法政大学スポーツ健康学部の学生。寮生活をしている。バレー部員。19歳。「耐えてみろ!」で登場。

伊藤 陽一郎(いとうよういちろう)
法政大学スポーツ健康学部の学生。寮生活をしている。ウエイトリフティング部員。21歳。「耐えてみろ!」で登場。

横溝 崇(よこみぞたかし)
法政大学社会学部の学生。ボクシング部員。大学のスポーツ施設でアルバイトをしている。21歳。モデルはセクフレ。「耐えてみろ!」で登場。

丸山 恭太(まるやまきょうた)
法政大学経済学部の学生で、寮では慎吾の隣の部屋で暮している。陸上部員。19歳。「耐えてみろ!」で登場。

鈴木 浩輔(すずきこうすけ)
明治大学商学部の学生。水泳部員。23歳。「堕ちるところまで堕ちて」「スプラッシュ」「一石二鳥のアルバイト」で登場。自分がM体質だということに気付かされる。

若松 太一(わかまつ たいち)
51歳。アル中で肝臓を患っていて、常時赤い顔をしている。表の顔は廃品回収業の社長だが、ゲイの裏社会に精通している情報屋として暗躍する。モデルは某社の営業部長。「堕ちるところまで堕ちて」「終わりの見えないデスマッチC」で登場。

沢村 耕太郎(さわむらこうたろう)
佐川急便の配達員。朝から晩まで弱音も吐かずに働く、武骨でまっすぐな好青年。28歳。「デリバリー」「デリバリーC」で登場。

一条 達彦(いちじょうたつひこ)
一部上場企業の課長。ジムが日課で、高級スーツの下にはマッチョなカラダが隠されている。35歳。「デリバリー」で登場。

門田 淳平(かどたじゅんぺい)
佐川急便の配達員。朝から晩まで働かされて待遇に不満を持っている26歳。人知れず、実はかなりの巨根。「デリバリーB」「デリバリーC」で登場。

苫米地 篤(とまべち あつし)
33歳。4年間結婚生活を送っていたが、性の不一致により2年前に離婚。男に興味を持ち始めたのは最近。自動車修理工。「デリバリーB」で登場。

齋藤 信明(さいとうのぶあき)
中堅企業の営業マン。営業成績は振るわず、課長に怒られてばかり。43歳。「そんなに仕事が大事?」で登場。

権 基哲(クォンギチョル)
明治大学商学研究科に通うイケメン韓国人留学生。26歳。日本語はまだまだ勉強中。とても短気で自己中だけど情熱的。モデルは元彼。「僕の彼氏は韓国人」で登場。

宮下 健一(みやしたけんいち)
ギチョルの彼氏、32歳。韓国人のギチョルに何とかついていこうと必死。一方で単身旅行中に台湾人の治文にも恋してしまうし、エリックにも手を出してしまう浮気者。モデルは恥ずかしながら俺自身。「僕の彼氏は韓国人」「台南の風に吹かれて」「ブルースリーに恋して」「眠らない街バンコク」で登場。

金 大権(キムテガン)
韓国の左翼系新聞社の記者。31歳。「灰色の空間」で登場。

三反園 弘一(みたぞのこういち)
IT会社契約社員。資産家の息子で駅前のタワーマンションに一人暮らしをしている。24歳。「終わりの見えないデスマッチ」で登場。

西條 智哉(さいじょうともや)
川崎工業高校3年だが、後に中退する。弘一のトレーニング相手。17歳。「終わりの見えないデスマッチ」で登場。

坂井 亘行(さかいのぶゆき)
中堅企業の技術マンで趣味が筋トレ。33歳。モデルは俺のセフレ。「終わりの見えないデスマッチ」では弘一に金的を執拗にやられる筋肉野郎として登場。「ゴーグルマン」「黄昏に包まれて」で再登場。

定岡 光和(さだおかみつかず)
川崎市H商業高校の数学講師。当時30歳くらい。「終わりの見えないデスマッチ」で登場。

三上 洋一(みかみよういち)
スカウト兼カメラマン兼ディレクター。43歳。「ゴーグルマン」で登場。

謝 治文(シェジーウェン)
台湾の和風喫茶で働く長身イケメン台湾人。27歳。モデルは前彼。「台南の風に吹かれて」で登場。

西条 実来(さいじょうみくる)
ソープランドで産まれ、親を知らずに育つ。「終わりの見えないデスマッチB」で登場。

宇津木 健(うつぎたける)
母子家庭で育つが、小1のときに母親が若い男と蒸発してしまう。実来の5歳上。「終わりの見えないデスマッチB」で登場。

ジャナバル・インジェ(いんじぇじゃなばる)
トルコ人。人間だが、生まれたときから腕が4本あり、育児放棄をされてここにやってきた。実来の4歳上。「終わりの見えないデスマッチB」で登場。

ナデート・メーキンタイ(めーきんたいなでーと)
タイ人。全身が黄金色の毛で覆われていて尻尾もあるが、れっきとした人間。カラダの構造上2足歩行があまり得意ではない。実来と同い年。「終わりの見えないデスマッチB」で登場。

サムット・ポープラムック(さむっとぽーぷらむっく)
普段はバーで働く24歳のタイ人。「眠らない街バンコク」で登場。

シディーク・カシュバル(しでぃーくかしゅばる)
インド人。見た目は華奢だが、動体視力や瞬発力、記憶力に長けている。実来の5歳上。「終わりの見えないデスマッチB」で登場。

末次 高志(すえつぐたかし)
不動産業を営む40代。バブルの余韻が残り、茶髪でロン毛を未だに守り続けているが、髪の量は当時と比べて薄くなり、額も後退した中年男性。「一石二鳥のアルバイト」で登場。

佐埜裏 茂樹(さのうらしげき)
死刑判決を受けて執行の日を待つ24歳。「こんなはずではなかった」で登場。

下田 航翔(しもだかずと)
私立暁星高校2年生。受験を控えているが、思春期で勉強に手がつかず、成績が低迷。「家庭教師」で登場。

窪塚 撤平(くぼつかてっぺい)
国立B大学理工学部2年生。普段は無口でクール。趣味はプラモデル作成。高校時代は水泳部に所属。「家庭教師」で登場。

星野 一樹(ほしのかずき)
何でも屋だけれど実は裏の顔を持つ。「仕置人」で登場。

星野 泰平(ほしのたいへい)
何でも屋を手伝っている。一樹の異母兄弟。「仕置人」で登場。

アブディエル
熾天使で、ルシファーの配下だったが大戦争の時に神につき、ルシファー(物語中ではサタン)の怒りを買った。「熾天使アブディエル」で登場。

サタン
元々はルシファーと呼ばれていたが、神に背き地獄に落とされた堕天使。「熾天使アブディエル」で登場。

ダヴィデ
数多くの武勲を上げてイスラエル王となったがサタンにそそのかされる。「イスラエル王ダヴィデ」で登場。

塩月 徹平(しおつき てっぺい)
江ノ島の高校生。非行グループの一員であり、東京からやってきた観光客をターゲットに小銭を稼いでいる。「黄昏に包まれて」で登場。

三島 幹生(みしま みきお)
東大法に入ったばかりの前途有望な少年。しかし兵役に就けないほどの貧弱なカラダつきがコンプレックス。「ブルーボーイ」で登場。

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toppoi01 at 19:26|PermalinkComments(0)はじめに 

概要(2020/11/16)

概要

初めて読む人のために、この小説集の概略を書きます。全部にゲイが主人公で登場しますが、タイプはいろいろです。「構想中」っていうのは書いているのですけれど、まだアップはしていないです。「執筆中」はアップしているのですけれど、まだまだ続きます。

「川辺にキラリ」
一応、処女小説。短篇です。別れを自分の中で消化しようとする過程を描いたつもりです。

「短かった夏」
これも短篇です。別れ話がこじれ、何も言わなくなった相手に思い出話をするっていう話です。

「優先順位」
中編小説です。家庭と不倫の両立ができなかったって話です。主人公は中年のマッチョです。

「愛しているって言って」
中編小説です。一話一話で完結するように書いています。恋愛小説であり、SMの話ですけれど、そんなにエグい感じではないです。(たぶん)

「ハサミムシ」
これも中編小説です。一話一話で完結する感じです。この小説だけ、特に取り柄のないクズ人間が主人公です。いろいろなクズを集めて書いていけたらなと思っています。

「僕の彼氏は韓国人」
中編小説です。「愛しているって言って」と同じく一話完結の恋愛小説ですが、韓国人の特性みたいなものも織り込んだつもりですんで、韓国人の彼氏が欲しいという人はご参考までに。一応、これは実体験に基づく私小説的なものですんで。

「夜明け前」
短篇小説です。深夜のゲイバーで繰り広げられたちょっとした恋愛小説です。

「そんなに仕事が大事?」
短篇小説です。失恋を中心において、仕事で追い詰められていく様子と織り交ぜて書いてみました。

「とことん付き合って・・いけるか、俺?」
中編小説です。完璧主義でシンメトリーが大好き。神経質で疑問点はとことん探求するという主人公とそれに振り回される彼氏との関係を描く、一話完結型の恋愛小説です。

「耐えてみろ!」
長編小説です。スジ筋とマッチョの二人を、主人公を入れ替えたりして書き進んでいます。腹筋ベースでちょっとSM小説チック、主として腹責めです。

「落ちるところまで堕ちて」
長編小説です。一応SM小説で、主人公はマッチョな大学生で、金をきっかけにして自ら進んで壊れていく過程を書いていきます。

「終わりの見えないデスマッチ」
長編小説です。SM小説で、中でも金的メインです。主人公は二人ともスジ筋で、マッチョが脇役で出るって感じです。

「終わりの見えないデスマッチB」(執筆中)
長編小説です。基本、金的メインとかは変わらないんですが、主人公や登場人物が大分入れ代わります。

「終わりの見えないデスマッチC」(構想中)
中編小説です。「終わりの見えないデスマッチ」の話の続きですが、主人公は弘一だけになります。Bと登場人物は違いますけれど、時系列ではパラレルで進んでいきます。

「デリバリー」
中編小説です。主人公二人ともマッチョです。ま、焦らし系小説ですね。全然話が進まないじゃないかってくらい時間が止まっているような話ですけれど、これが小説の醍醐味だと思ってもいます。時間がもっとゆっくり進むといいのに、と思っている人向けですね。

「デリバリーB」
中編小説です。宅配便の巨根スジ筋が拉致られるけれども、立場が逆転してって話です。

「デリバリーC」
中編小説です。宅配便の巨根スジ筋が気のいい青年マッチョを無理矢理手籠めにするって話です。

「灰色の空間」
中編小説です。SM小説で、拷問系ですね。これも韓国を舞台に書いています。

「代償」(構想中)
中編小説です。ゲイ差別を受けるけれど、立ち向かっていく話です。

「台南の風に吹かれて」(構想中)
中編小説です。イケメン台湾人と旅先で恋に落ちてしまうという恋愛小説です。これも「僕の彼氏は韓国人」に引き続き、実体験に基づく私小説のようなものです。

「ゴーグルマン」(執筆中)
長編小説です。マッチョなノンケがゲイビデオに出演する過程を想像で勝手に描いています。ノンケと言ってもね、ですけど。

「スプラッシュ」
中編小説です。マッチョがいびられる話です。

「眠らない街バンコク」(構想中)
中編小説です。イケてるタイ人と旅先でイチャイチャする話です。これも、実体験的私小説です。

「ブルースリーに恋して」(構想中)
中編小説です。イケてる香港人と旅先で・・そればっかですけどね。どれもこれも、恋多き、そしてイケメンマッチョ好き筆者の実体験に基づく私小説です。

「まだまだ若い者には負けんぞい」(構想中)
中編小説です。ジジイばっかりが登場しますんで、面白いかどうかは俺も疑問です。

「よくあるファミレスでのできごと」(構想中)
中編小説です。2丁目にあるファミレスという設定でオムニバスな感じで書いていきます。

「栗の香りに囲まれて」
中篇小説です。ハッテン場の従業員のつぶやきです。

「一石二鳥のアルバイト」
中篇小説です。趣味と実益を兼ねた、M的要素の強いマッチョが金的調教をされる話です。

「こんなはずではなかった」(構想中)
中編小説です。ある事件がきっかけで人生が大幅に狂ってしまった人の回想記です。

「家庭教師」
中編小説です。勉強そっちのけで悶々とする思春期高校生と家庭教師の危ない情事です。

「サイマル商事」(構想中)
中編小説です。急にカミングアウトしたOLとその周囲の戸惑いを書いていきます。

「女子大」(構想中)
短編小説です。女子大がなぜかゲイを受け入れる、その経緯説明と学生との質疑応答を書いていきます。

「疑心暗鬼」(構想中)
中編小説です。日中戦争中にある中尉が巻き起こした事件の顛末を書いていきます。

「熾天使アブディエル」
中編小説です。ちょっとファンタジーな感じですけれど、アブディエルの数奇な物語を描いています。

「イスラエル王ダヴィデ」
短編小説です。「熾天使アブディエル」の続きです。これも史実に基づいているわけでもなく、全くのファンタジーです。

「仕置人」(構想中)
中編小説です。世の中の理不尽を解消するための裏家業を書いていきます。

「ブルーボーイ」(構想中)
中編小説です。戦後まもない東京を舞台にしたウリ専の話です。

「ダッハウ収容所」(構想中)
中編小説です。ドイツの実験的収容施設の中で起こった出来事を書いていきます。

「黄昏に包まれて」(構想中)
中編小説です。都会者をターゲットに小銭稼ぎをするワルの話です。

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toppoi01 at 19:22|PermalinkComments(0)はじめに 

2020年11月09日

終わりの見えないデスマッチB(29)

客がまばらなときから会場入りしていた。オッズが出たが、18倍と客からは全く期待されていない数字が出ていた。ジャナバルもナデートも、実来より年上で実来が来る前からいるのにも関わらず、まだデビューはしていなかった。それに、確かに出ることは夢でもあったのは確かだけれど、だからといって健もまだデビューして間もなかったので、皆が驚いていた。どうやらまだ会ったことのないオーナーの意向らしい。しかし、リングは遠目で見ていたけれど、近くで見ると結構汚く、観客席も薄暗かったから分からなかったが、こうして明るいところで見ると、本当に金をかけていないというか、パイプ椅子なんてゴミ捨て場から拾ってきたのかと思うくらいさび付いていたりクッションから緩衝材が飛び出ていたりしていて、階段状になった観客席も、いかにも素人が作ったような、ただ座る場所さえあればいいくらいに作られた簡素なものだった。「下見?でも、そんなところを見ていても何もならないんじゃないか?」と声をかけられた。サングラスに黒いスーツ姿だが、どうしても着せられている感が否めないくらいにまだ幼いように見えた。「リングに上がってみたら?」「いや、勝手にそんなことをしたら怒られます。」「俺が許可すれば大丈夫だから。」容貌を見ても、まあ裏社会の人間ではないが、裏を知った感じでもあるような、そんな印象だった。折角言うのだからリングに初めて上がってみた。ここは思ったよりも明るく、場所によっては眩しかった。サングラスの男の方を見ると、実来よりも興味を持っていろいろ見ているようだった。「今日、デビューだろ。頑張れよ。」と、ロープの外に出て、こっちを見つめていた。

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