2019年12月18日

イスラエル王ダヴィデ(9)

「ひやぁぁぁ!!!」
またカラダを突き抜けるような痛烈な痛みは、ダヴィデが気を失うことさえも許さなかった。アブディエルから授かったモノは青黒く膨れ上がって倍以上になり、玉はそれにも増して赤黒くバスケットボール大にまで腫れあがっていた。蹴られる度にその顔もカラダも血の気を失って青ざめていった。静脈が至る所に浮き出て、カラダの緊急事態を訴えていた。戦いに戦いを重ねて培ってきた自慢の筋肉は、この場面で役立つことはなかった。ただ今まで経験したことのないほどの苦痛に悶え、油のような汗が盛り上がった胸の谷間を濡らし、そして凹凸のくっきりとした腹筋をジグザグに伝っていった。筋肉はそれぞれが意思を持っているかのように不気味にうごめいていた。3日目の夜、ダヴィデは目を真っ赤に充血させて見開き、舌をこれでもかというほど出して涎を垂らし、カラダ中は脂汗にまみれて硬直し、苦悶の表情を浮かべたまま悶死した。その瞬間、ゴリアテの息子の股間はそれはもう、亡きゴリアテにも見せてやりたいほど威風堂々と勝利の凱歌を揚げていた。その死骸はバビロン市内を引き回しにされた後、首は切り取られて広場に晒された。同じ頃、サタンはアブディエルと約束通り結合し、子を産み落とした。それが双子の兄弟である「断末魔」と「絶望」であり、生まれるとすぐに二人してアブディエルの玉を蹴り上げるほど闊達な子であった。

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2019年12月15日

イスラエル王ダヴィデ(8)

「がぁぁぁあ!!!」
内臓の奥深くから絞り出されるような雄叫びが広場を揺るがせた。これはダヴィデも未だかつて経験したことのない、死にも勝るような痛みであった。腰巻きから大部分がはみ出したそのモノは、どうしたってその鋭い攻撃から逃げおおせるはずがなかった。そして、それから三日三晩、ゴリアテの息子は憎しみを込めて、ありったけの力でダヴィデの下腹部だけを狙って蹴り続けた。その度に、人間の声とは思えない咆吼がバビロンの街の隅々まで響き渡った。カラダに響き渡る重低音のような痛みに耐え、ようやく収まってきたかと思われる頃に、ゴリアテの息子はまたも渾身の力を込めて下腹部を痛打した。ひたすらその繰り返しだった。アブディエルによって畏怖すべき程に巨大化した下腹部は、痛みもそれに比例して筆舌尽くしがたいほど壮絶なものであった。時には二つの大きな玉は勢いよく上方に跳ね上がって剛毛に覆われた臍の上辺りまで達し、棍棒のように不敵にぶら下がるモノも思いっきり跳ね上げられ、その衝撃で、バチンという激しい音と共にタマと一緒に汗まみれの引き締まった腹に叩きつけられた。また、時には玉が二つして足の甲と股との間に見事に挟まれてゴム毬の如く扁平に変形して潰された。折角アブディエルから賜ったモノがかようにしてまで苛まれるとは。ダヴィデは涙を流し、後生だから止めてくれるよう惨めに懇願したり、また王であることを忘れたかのように泣き叫んだりもした。前王が下腹部を蹴り上げられるという屈辱よりも今ここにある尋常でない痛みがそうさせたのである。しかし、ゴリアテの息子は父親の惨めな最後を聞いて育ったので、醜態を晒して許しを請うダヴィデの願いを聞き届けるどころか、決して下腹部を蹴り続けるのを止めようとはしなかった。

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2019年12月13日

イスラエル王ダヴィデ(7)

そして、ダヴィデは実行の翌朝に目が覚めると、その8つに割れた腹の上にずっしりと重く、そして自らが誇る鋼の腹筋よりも硬いのではないかと思われる棍棒状のモノが堂々と横たわり、そしてヒクヒクと蠢いているのを見て歓喜した。神が我が呪いを解いてくださったのだと。しかし、ダヴィデは致命的な勘違いをしていた。そこがクピドのままであれというのは神の意志であったのだ。世の中の慢心や驕り高ぶりの元凶をクピドのままにしておくことで、イスラエルの国を安泰に末永く治めさせることが神の意志であった。ダヴィデは自分は神に匹敵する姿を身につけた、そう思うことが背徳であり神の忌避することであった。神は激怒し、首都エルサレムに疫病を流行らせた。急激な人口低下により治安は急速に悪化し、首都エルサレムのみならず、旧ユダ王国も反乱を起こした。バビロニア王ネブカドネザルは、旧ユダ王の導きによりエルサレムに入城すると、ダヴィデ王を難なく捕虜としてバビロンに連れて帰った。ダヴィデはバビロンの中央広場にある大理石で造られた建造して間もないネブカドネザル像の脇に、ただくすんだクリーム色をした皮の腰巻きだけをまとった姿で、鉄の鎖で両腕を上げるようにして、また脚には重りで両足首がつながれていた。鍛え上げられた肉体に、両腋からはみ出るように生える腋毛と、臍から下腹部にかけて密生する臍毛が、勇猛な戦士であったダヴィデの、しかし王になった今でも健在であるという姿をまざまざと見せつけた。すると、まだ髭も生えそろわないくらいあどけない顔つきだけれども、まだまだ育ち盛りではあろうが既に一人前の大人程まで背が伸び、健全に育ってきてはいるものの、陰鬱で眉間に深い皺を寄せた目つきの鋭い少年が現れた。よく見ると亡きゴリアテにそっくりだった。その少年は、ダヴィデを憎々しい表情で見つめると、簡素な腰巻きでは到底隠せきれずにその大きさを見せつけているモノにめがけて勢いよく蹴りつけた。

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2019年12月11日

イスラエル王ダヴィデ(6)

こうしてユダ王は隣国バビロニアへ亡命し、ユダ王国を滅ぼしてエルサレムに遷都して統一イスラエル王になったダヴィデには、人知れぬ悩みがあった。ゴリアテ亡き後、このような神にも紛うほどの神々しいまでの美貌、長年の肉体作業によって培った著しく発達した胸板、そしてくびれて神秘的な凹凸を刻む腹筋を持ったダヴィデであったが、残念なことにこと下腹部においては到底ゴリアテに及ぶべくもなく、クピドの持つようなとても愛らしい、イボか何かと間違えてしまいそうな残念なモノしか付いていなかった。ゴリアテの下腹部を執拗に痛めつけたのは、潜在的にそうした理由があったからである。服属した旧ユダ王国の地には、新王ダヴィデの像が建てられたのであるが、筋骨隆々な誰でも惚れ惚れせずにはいられないカラダに、どのようにして知ったかは分からないが何とも可愛らしいモノが付いていて、道行くユダの民から失笑されていた。すぐに王に相応しいモノに付け替えても、翌日にはまた元の姿に戻ってしまっている。ダヴィデは傷心して眠りにつくと、また枕元で囁く声が聞こえてきた。アブディエルの神々しい姿が現れた。アブディエルのカラダはダヴィデによく似ていたが、一つだけ、何とも猛々しいモノを具有している点が違っていた。囁き声は、やがてはっきりと聞こえてきた。「ダヴィデよ、よく聞くがいい。お前はある呪いによって、あるべきところが発達せずに赤ん坊のままになっていることはお前も知っているだろう。今こそその呪いから解き放たれるときが来たのだ。これからいうことをすれば、あるべきところはあの宿敵ゴリアテをも凌駕する、お前も持て余すくらいのモノが自然と今のモノに取って代わることであろう。それはお前なら容易いことだ。ユダの民のうち、3000人の頑健な男を選び、全て殺害せよ。2999人でもなければ3001人でもない。女は含んではならぬ。そうすれば、お前は誰からも軽んぜられることもない、誰もが認める王になるであろう。」ダヴィデはその声を繰り返した。そして、程なく実行に移した。

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2019年12月09日

イスラエル王ダヴィデ(5)

ところで、神の祝福を受けていたダヴィデではあったが、アブディエルの邪悪な思いは渦を巻いてダヴィデの耳元までたどり着いた。神の目を盗んで、ガマガエルのような形になると、枕元で囁いた。その声が細く煙のようになって耳の奥深くに吸い込まれて行った。ダヴィデは夢を見た。神が怒り狂い、雷を落とし、バベルの塔が粉々になって崩れ去っていく夢を。翌日、ダヴィデは神官を引き連れて、神に向かって背信の輩のふるまいを訴え、また自らの忠誠心を誓った。ユダ王国は神の怒りを待たずに、民が反乱を起こして首都エルサレムをも蹂躙した。ダヴィデが混乱の中を進軍すると、民はダヴィデを快く迎え入れた。ユダ王が塔から逃げ出すのとほぼ同時に、バベルの塔は音を立てて崩れ去っていった。予知夢が正夢になったと、ダヴィデは神に感謝の祈りをささげたのであった。

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2019年12月07日

イスラエル王ダヴィデ(4)

ダヴィデは巨人ゴリアテの首を切り落とし、名声をあげた。そしてバビロニアと屈辱的な領土割譲条約を結ぼうとした旧王を退かせ、新たにダヴィデを新王に据えたのである。一方で、隣国ユダでは、神が古に起こした大洪水の教訓から民の安全を確保するため、バビロニアの支援を受けて通称バベルの塔の建設に取り掛かっていた。多くの人民がこの一大プロジェクトに駆り出されたが、ユダ王エホヤキンの狙いは、そんなところにはなかった。人間がアダムとイブしかいなかったころ、アダムは天使ガブリエルに尋ねた。人間は果たして天使になれるのかと。ガブリエルは、神に仕えていれば、天国へ上り、そして天使の道が開けると確かにこう言ったと伝承されている。しかし、アダムは神が定めた掟を破ったために地上に落とされたのだ。エホヤキンは考えた。天使に翼があり、アダムとイブは落とされた、つまりは天空に天国があるのは間違いない。我々は翼がないから天国に行けないのだ。であれば、天高い塔を作ればいいのではないか、そして天国に限りなく近づき、そこから支配するものは自然と聖的な力を与えられ、民は自らを神と同一視するに違いない。そうすれば、敵国イスラエルを倒し、神聖ユダ王国を建てることができるのだと。

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2019年12月05日

イスラエル王ダヴィデ(3)

そして、ゴリアテの目に、やはり頑健なカラダつきで周囲からも卓越して見えたダヴィデの姿が止まった。両手に刀を持ち、イスラエル兵の死骸を踏みつけながらゆっくりと進んできた。その前にいたイスラエル兵は果敢に立ち向かったが、ゴリアテの敵ではなく、ただ一太刀で致命傷を受けて次々に倒れていった。だが、ダヴィデは神から祝福されており、その運命は神によって決められていた。大きな岩のかけらを持つと、その類い希な力でゴリアテめがけて投げつけた。さすがにこの至近距離では避けきれず、かといって剣で受けては刃がこぼれてしまうので、ゴリアテはその鍛え込まれた腕で、そして胸で受け止めた。むしろ岩の方がその硬さに耐えることができず、無数の欠片となって砕け落ちていった。「化け物だ。」ダヴィデはそう思ったが、背を向けては殺られる以外に選択肢はない。ゴリアテは大きな刀を煌めかせながら、殺意を持って近づいてきた。武器を持っていないダヴィデには、ここに落ちている岩が唯一の武器であった。黒く輝き、小さいながらも結構な重量のある石を取り上げて、その石に願いを込めて投げつけた。
「あうぅぅ。」
その石は、ゴリアテの頭附近を狙って投げたようだったが、ある時点で急に降下して、弧を描いてゴリアテの腰に巻かれた帷子をものともせずに下腹部に命中した。ゴリアテはたまらず二つの刀を放りだし、実にあっけなく仰向けに倒れた。ダヴィデは何重にも巻かれた帷子を力任せに剥ぎ取ると、先ほどの石でその巨人に見合った立派なモノへと渾身の力を込めて叩きつけた。
「うがぁ、うがぁ!!!」
その石を下腹部に振り下ろす度、ゴリアテのカラダは大きく跳ね上がり、その振動がダヴィデにも伝わってきたが、次第に声も小さくなって反応も薄れてきた。見たこともないほど巨大なモノだけに無我夢中で叩き付けたため、その立派なモノは内出血で真っ赤に充血してただでさえデカかったのにさらに太さを増し、その背後にある二つの玉は、あまりの衝撃で一つは袋に入りきらないほどにパンパンに膨れ上がり、もう一つは潰れてしまっていた。すっかり意識を失ったところで、ダヴィデはそこに落ちていた大きな刀でゴリアテの首を切り落とし、禍々しく彩られた首を上に掲げた。すると、そのゴリアテの死に恐れをなしたペリシテ人は、一気に兵を引いたのであった。

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2019年12月03日

イスラエル王ダヴィデ(2)

宿敵ペリシテ人の度重なる襲撃を受けて、ダヴィデはそれはもう誰もが認めるほどの働きぶりであった。しかし、味方であるイスラエルの劣勢は日に日に濃くなっていき、イスラエル兵もいつしか厭戦ムードが漂い、日が暮れると明日限りともしれぬ命を背景にして酒や踊りに明け暮れた。ダヴィデはそこでも黙々とただ兵士のために働いていた。イスラエルの地を熱波が襲い、太陽の日差しがこれでもかというくらい大地に注ぎ、あらゆる草木でさえもその光の前に平伏し、大地がひび割れるほど空気が乾燥したある日のこと、ペリシテ人がそんな暑さをものともせずに来襲した。イスラエル兵はその勢いに押され、戦う前から退却していったが、ペリシテ人はそれよりも速く戦陣の中に入り込み、戦いが始まった。その中でもひときわ目立ったのが、ゴリアテである。身長が2m以上あり、顔は5色の彩色が施されていかにも異形で、なおかつ戦士でありながら鎧を着けずに周囲の兵士をドンドンなぎ倒していった。鎧はなくともその盛り上がった肩や腕、そして誰よりも厚い胸が無数の傷跡にも増して圧倒的でとても人を寄せ付けるようなものではなく、凹凸のはっきりした腹に至っては生半可な鎧よりも丈夫なのではないかと思われるほどであった。卓越した力、そして高度に発達した筋肉、そして大柄なカラダで向かうところ敵なし、そしてゴリアテの通った後は屍が累々と積み重なっている有様であった。

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2019年12月01日

イスラエル王ダヴィデ(1)

ダヴィデは幼くして兵士としての教育を受けた。ダヴィデは眉目秀麗であったが、剣術はあまり得意ではなかったために戦いに際しては後方から食料を前線に補給する役目を担わされていた。カラダの弱いダヴィデはその役目でさえもなかなか果たすのが難しいと思われていたが、しかし、ダヴィデはその美しさ故に神の祝福を受けて、災禍に見舞われることなくその役目を果たしていたのであった。また、成長するにつれていつしか身も心も戦士にふさわしいものになっていった。これも神のご加護を受けていたからであり、背はいつしか他の戦士たちよりも高くなり、肩幅も誰よりも広く、そして生えるべきところには黄金色の毛が生えて、しかし生えずともよいところには全く生えずにその純白な肌を晒していた。誰よりも重い物を持ち、そして率先して作業を引き受けるという献身的な姿勢が皆から好感を持たれ、いつしか人望はダヴィデに集まるようになった。兵士のような鎧をつけていないが、その胸は厚い筋肉に覆われて刀さえも跳ね返しそうなほど硬く、そして腹はと言うと無駄な肉など少しばかりもなく、石をノミで粗く刻んだかのようないかにも肉体労働で培った野性的な筋肉で覆われ、やはりどんな槍でも貫くこともできなそうな硬さなのであった。

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2019年11月30日

雑記帳(2019/11/30)

「熾天使アブディエル」を書き終えました。まあ、気ままに書いた「よくあるファミレスでのできごと」の方がアクセス数多かった。実際にはよくあるわけがないし、「栗の香りに囲まれて」の姉妹編みたいな感じなんだけど。次は「熾天使アブディエル」の方の姉妹編、「イスラエル王ダヴィデ」。あまりアクセスが期待できない・・かな。ま、懲りずに今はナチスドイツの空想小説を構想中です。話になるほど固まっていないんだけれど。そういや、「疑心暗鬼」という日本軍のこれも空想小説も結構書いたので、そのうちアップしたいと思います。もうちょっとなんだけれど、最後のところまで来て途中のストーリーをやっぱり変えようと思って手直しをしているので・・次はちょっと間が空くと思いますが、どうぞよろしくお願いします。

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toppoi01 at 08:30|PermalinkComments(0)雑記帳 

2019年11月29日

熾天使アブディエル(10)

アブディエルは苦悶していた。まさかあのサタンに。これもサタンが仕向けたことなのだろうか?液を何度も繰り返し天空に向かって勢いよく放出した後、ようやくそのモノは穏やかな日常を取り戻し、元の状態に徐々に戻っていった。その間、アブディエルは、サタンから取引を持ち掛けられていた。
「アブディエルよ、もしお前が地獄の長、サタンの子を望むのであれば、条件があるぞ。人間のことをお前は知っているだろう。あの、アダムとイヴの子は、楽園を追われたものの子孫を増やし、国を作るまでになった。しかし、神への挑戦をしたことで神の怒りを買い、ユダの国は滅ぼされてしまうのだ。イスラエル王にはダヴィデがなるであろう。アブディエルよ、人間界の勇敢な王であるダヴィデを唆して来い。神は信頼していたダヴィデにまで裏切られれば、さぞかし憔悴することだろう。さすれば、アブディエルよ、私はお前の子を喜んで産もう。お前の子であれば、さぞかし立派な子が生まれることだろう。」
「神に背く行為を私がすると思っているのか、馬鹿にするな、サタンよ。私は天使だ。そんなことをするくらいなら死を選ぶ。」
「死を選ぶだなどと、死が神の大権であることさえも忘れているようだな。私は要求しているわけではない、お前はしないという選択もできるのだからな、アブディエル。神と私と、どちらを取るのか、じっくり考えるとよいぞ。」
「考えることなど何もない、私の前からすぐに去れ、性根腐りきった悪魔、サタンよ。」
「ハハハ、去れと言われれば去るが、アブディエルよ、遠い昔、お前は私の忠実な部下であったことを私は忘れていないぞ。」
サタンはこう言うと、徐々にその姿が陽炎のようになって、闇の中に消えていった。ダヴィデ・・アブディエルの翼は、うっすらと青みを帯びていった。そして、邪な念は、遠くイスラエルに馳せ、そして青く渦巻いていた。

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2019年11月26日

熾天使アブディエル(9)

「嘘を言うな、サタン!!!」
「ほほう、アブディエルよ。私は確かに地獄の住人になってから嘘もつくが、これは嘘ではないぞ。自分の目でしっかりと見るがいい。」
怒張して天に歯向かうかのようにそそり立ったそのモノからは、光り輝く透明な液体が、次から次へと止めどもなく流れ落ちていった。あたかもそのモノを覆い尽くすように、踏み込んで言えばあらゆる摩擦力を削ぐ潤滑油のような役目であるかのように溢れていくのであった。
「アブディエルよ、これは私には説明ができかねるが、お前はどう解釈しているのか?」
「畏れ多くも神紛いな真似をするな、サタンよ。神以外に意味を与える者など存在しないのだ。」
「ほぉ、では私が解釈してやろう。ここまで堕ちるとはな、アブディエルよ。お前のこのイチモツはどうしてこんなにそそり立ったのだ?誰に欲情したというのだ?ハハハ、言ってやろう、この私にだ、アブディエルよ。」
「なんてことをいうのだ、サタン!!!」
「背信の輩よ、お前も地獄の色に染まっていくようだな。」
と、アブディエルの鋼のように固い胸にある、そこ一点だけが柔らかい突起物を軽く弾いた後、滝に打たれて砕かれた険しい岩のようにボコボコとそして規則正しく配列された腹筋の深く刻まれた溝を冷ややかな指先でそっとなぞった。
「くっ」
「おいおい、アブディエルよ。お前のイチモツが歓喜して左右に激しく揺れ動いているではないか。これを何と表現すればよいのか?あの誰よりも敬虔で、武勇に優れたアブディエルの今の有り様を神が見たら卒倒するのではなかろうか。」
「私が崇拝しているのは神、ただそれのみだ。」
サタンは、アブディエルを見つめながら、そっとずっしりと重みのある二つの玉を握った。
「すごい重さだな。これではお前の子でこの地獄は溢れかえってしまうぞ。そんなにも俺の子が欲しいか?」
という言葉と同時に、天空を突き上げんばかりにいきり立ったモノからビュッという鋭い音と共に大量に純白な液が放出された。それはかなりの高さまで飛んでいき、サタンを、そしてアブディエル自身の頭上を濡らし、辺り一面に粘着質の液溜まりを作った。アブディエルは、脱力感から全身をガクガク痙攣させて、息も絶え絶えになっていた。
「私は嬉しいぞ、アブディエル。まさかサタンの子を欲しがるとはな。門番とは「死」を儲けたが、果たして私が母親となったら何が生まれるのか、楽しみだな、ハハハ。」

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2019年11月24日

熾天使アブディエル(8)

ドオーン、ドオーンと、遠くから衝撃波のような音にならない音が近づいてきた。普段は顔を出さない門番と「死」が出てくると、朧気ながら黒い影がユラユラと蜃気楼のように現れ始めた。サタンか。まだ姿を見せないうちからこちらに近づいているのが気配で分かる。
「ハハハ、アブディエルよ、様になっているじゃないか。」
サタンはカラダもすっかり黒くなり、漆黒の闇によりも暗いのではないかと思われるほどだ。あんなに美しく羽毛に囲まれた翼は薄くマントのようになってしまっている。天国にいた頃は輝きを発していて眩いばかりであったのに、今では暗闇を引き込んで姿がまるで影を引き連れているかのように、少なくとも常人には見えなくなっている。しかしそれでいてそこからオーラのような妖しい揺らめきをもつ炎がカラダを取り巻いていて輝いても見える。それでいて、目は地獄の業火のように、メラメラと燃え滾って爛々とこちらを見つめている。
「堕ちたものだな、サタンよ。昔のお前とはえらい違いだ。」
「お前は変わらないな、アブディエルよ。」
と、重戦車のような固くて厚い筋肉に覆われた胸を揉みつつ、サタンは蛇のように細く赤く尖り、先が二つに割れた舌で、その厚い胸の下方にある敏感な部分をチロチロっと舐めた。すると、普段は重力に逆らうことなく垂れ下がった太くて長いモノが、徐々にその活力を漲らせ、そして自らがかつて過ごした天空を指し示した。
「くくく、アブディエルよ、お前もあの堕落した人間と同じく、恥と言うものを知ったようだな。」
アブディエルが恥ずかしさのあまり、大理石のように純白なカラダが、まるで乙女のように熟したリンゴのような赤みを帯びていく様子をまざまざと観察していた。天使は元々恥じらいだけでなく、恨みや妬みなどといったものを知らない。これを「知っている」のは堕天使の証であることを、サタンに指摘されたのだから、アブディエルは歯ぎしりをしてその屈辱的な言葉を聞いた。
「お前だ、サタン、この私にそのような忌まわしいことを吹き込んだのは。サタンがあのような騒ぎを起こさずにいれば、私もこのような運命を辿ることはなかったのだ。」
「フフフ、よくしゃべるな、アブディエルよ。お前の恥じらいの部分をよく見よ、たかだかあれだけの刺激であんなに液が滴っているではないか。」

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2019年11月21日

熾天使アブディエル(7)

「くぅぅぅ、この私が・・。」
アブディエルは神に背いて地獄に堕ちてきたのではない。なので、神罰である地獄の苦しみ、串刺しにされたまま放置されたり、マグマでカラダを焼かれたり、極寒に晒されたり、飢えや渇きに苦しんだりといった数多の地獄絵図を経験していない。これは神罰ではなく、サタンによる罰なのである。そして、サタンは天使はもちろんのこと堕天使にもない、特別なものをアブディエルに与えた。これこそが急所である。あらゆる痛覚をこの股間からぶら下がる、何からも守られず、また鍛えることさえもできず、なのにそこを狙われれば一たまりもないという急所を作ったのであった。数ある天使の中でも鋼のような筋肉を誇るこのアブディエルでさえも、痛覚を一転に集めた急所を狙われたら動くこともままならない、これがサタンの生み出した罰である。そして悪鬼はちょうど程よい高さにあるそのモノを、殺伐とした地獄の中でいいおもちゃにしているのであった。
「があぁぁぁ。」
ズンとまた下部から上に突き上げるような痛みが走った。悪鬼が順番に玉をめがけて頭突きを喰らわせているのだ。言ってみれば、棘のついた鉄の塊で玉を打たれているようなものだ。悪鬼はキャッキャ言って指さし合ったり自分だと主張したりして、小競り合いを始めた。どっちがダメージを与えたのか競っていたのだろう。その間に、他の悪鬼がフランクフルトのように長く若干湾曲したモノにガブッと齧りついた。
「あぁぁぁ・・。」
しかし、見た目とは異なり、天使のモノは硬く筋張っていて噛み切ることはできず、粗末な鉱物でできた悪鬼の歯がボロボロに砕けてしまった。またも悪鬼の集団は門番のところに戻っていった。その間に玉に突き刺さった棘は抜け、そしてモノについた歯型もジュウジュウと出てくる細かな泡によって元通りになった。

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2019年11月19日

熾天使アブディエル(6)

アブディエルの大理石のように輝かしいそのモノも、おぞましい焼け跡からブクブクと気泡が生じて、傷跡さえも残らずにまた元のようなふてぶてしさに戻っていった。知ってのとおり、神は傷ついてもその聖的な力が作用することによって治癒してしまう。もちろんしばらくはズキズキとした鈍痛のような痛みは残るが、祝福された天使は驚異的な治癒力を持っているのである。しかし、そのことは地獄では徒になる。地獄と言うのは未来永劫苦しみが絶えず、光もなく夢も希望も何もない、あったとしても無に帰してしまうような場所であった。また、天使は死ぬことはない。死なないのだ。言い換えれば死の苦しみを味わおうと死ねないのだ。無に帰することが天使のいう死なのであろうが、それは神にしか行使できない大権なのである。手の再生した悪鬼がまたこちらにやってきた。そして、今度はしゃがみこんで跳ね上がったと思うと角の生えた頭でそのユラユラ揺れている股間へと頭突きを喰らわせた。
「かはぁぁぁ。」
鋭利な鉄の棒を突きさされたときはこんな感覚なのだろうか、ズキンと言う鋭利な痛みが玉を通じて瞬時にカラダの中を駆け巡り、脳天へ衝撃波のように抜けていった。。悪鬼が重く垂れさがっている棒を持ちあがて見ると、悪鬼の頭に生えていた黒くて小さな棘が複数、白く艶やかな玉に刺さりこんでいた。悪鬼はギャッギャと笑い転げてた。

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2019年11月17日

熾天使アブディエル(5)

「ぎゃぁぁぁ!!!」
見ると、さっきの悪鬼がまた玉をその錆びた鉄のような手で鷲掴みにして潰しにかかっている。
「あぁぁぁぁ!!!」
アブディエルは身を捩って悶えるが、全く力を緩めることはなく、ギリギリと潰しにかかっている。輝くばかりに美しく逞しいカラダをした天使が、身悶えして身を捩る姿に悪鬼たちは乾いた声を上げて笑っていた。しかし、アブディエルの玉は悪鬼の握力ではものともせず、やがて悪鬼の指先がボロボロと折れていくのであった。次の悪鬼は燃え滾った池の中から錆びた金属の棒を持ってきた。それを躊躇せずにその眼前にふてぶてしく挑戦的に垂れ下がったモノへと押し当てた。
「ぎゃぁぁぁ!!!」
と叫ぶ声に、またも悪鬼たちは喝采した。棒はメリメリとその透き通るように美しいモノにめり込んで、棒状の火傷跡を作っていった。他の悪鬼もそれを真似して棒を次々にマグマの噴出で真っ赤になってぶくぶくと泡立っている池につけて、アブディエルのモノを苛んだ。圧倒的な存在感を示してきた神々しいばかりに輝いていたモノは、無残にも赤く腫れあがり、皮もめくれ上がってしまっていた。しかし、悪鬼たちの方も無償ではすまず、手は焼け爛れてボロボロになっていた。先ほどアブディエルの玉を握って負傷した悪鬼は、母である門番の元に戻り、門番の臓物にムシャムシャとかぶりついていた。すると手がまた再生してきた。門番は蛇のような足では到底逃れることはできず、悪鬼のされるがままになっていた。そして後から次々と悪鬼がやってきて、門番の臓物を食いちぎっていった。

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2019年11月15日

熾天使アブディエル(4)

地獄の門は複数の鍵によって厳重に管理され、上半身は人の姿をしているが、下半身がとぐろを巻いて蛇のような姿をした門番と、その子、サタンの子でもある「死」がそこを管理していた。入口の前には、その門番から生まれた、「死」の弟にあたる悪鬼数匹が飛び回って遊んでいた。そして、その横にある、そう簡単には崩れなそうな、垂直に立つ鉄よりも重い重金属でできた岩にアブディエルはなす術もなく括りつけられているのである。地獄には草木は一本も生えておらず、灼熱か或いは極寒の荒野がただ広がるだけで、身もよだつような生き物が辺りを這いずり回り、そして飛び交って、苛まれたカラダの傷口に卵を産み落とし、腐臭にまみれながらもその傷口を食い千切ってまた新たな餌を探しに這いずり飛び回る。時折漂う腐敗臭と阿鼻叫喚がむっとするような風に乗って聞こえてくる。アブディエルも当初は天国におられる神がそのうち天使の軍団を使わして救い出し、きっと我が身を天国へと導いてくれる日が訪れるに違いない、そう思っていたが、ここ地獄ではそうした希望と言うものは虚しいものだと分かり、そのうち絶望へと変わるのにさほど時間はかからなかった。神は自分に試練を与えているのかもしれないと思うときもあったが、次第に自分は神に見捨てられたのではないかと思うようになった。そもそもサタン配下の天使が天国に来たところで、スパイかもしれないし、いつ寝返るかは分かったものではない。天国に行ったところで、地獄の門の見張り番をさせられるのがオチだ。そしてさらわれて、ここにいるのだろう、結果同じことだ。

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2019年11月13日

熾天使アブディエル(3)

アブディエルがこうなったのも無理はないことであった。サタン、いや、天国にいた頃はルシファーと言う名で呼ばれていたのだが、神の服従を拒み、自ら天使の3分の1を引き連れて神に反逆することを選んだとき、アブディエルはサタンに向かって一人、気炎を吐いたのであった。
「ルシファーよ、お前は神に背くというのか。お前が神から与えられてきた恩恵を忘れたというのか。恩知らずが。神は偉大なり。お前ごときが束になってかかろうとも負けるわけがない。神の前ではお前は虫けらも同然だ。お前は神によって造られた創造物の一つにすぎず、神は全てをお見通しだ。おそらく神にかかってはなす術もなく奈落の底に落ちていくことは必定、そんなお前の独善的発想に到底ついていけない。俺はお前の指図は受けない。俺は俺の道を行くのだ。」
「お前というのは誰に対してものを言っているのか、アブディエルよ。そもそもお前がそのような誤った判断をするとは考えにも及ばなかった。神はこのような欠陥品をも作ったと言うことがこれで明らかとなった。皆の者、よく聞け。神はそのような誤謬を犯す存在なのだと言うことを。神に隷属し、毎日を安穏と惰性で過ごしている輩に、この鍛え抜かれて意気軒昂とした我々が負けると言うことがあるだろうか。勝利は近い。どうだ、皆の者、呪われたアブディエルに賛同する者は名乗り出るがいい。傲慢不遜な神の所業に未来永劫付き従うという者は立ち上がるが良い。」
そのような勇気のある者は誰もいなかった。アブディエルは神の軍隊へ合流するためにこの場を立ち去ろうとしたが、周りには憤怒に燃えた天使が取り囲み、声に出すのも憚る呪文によって拘束された。そして、神に完膚なきまでに叩きのめされて奈落の底に落ちていく際、アブディエルも道連れにされたのであった。

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2019年11月11日

熾天使アブディエル(2)

アブディエルは切り立った岩壁に張り付けられ、サタンによる邪悪な呪文によって幾十にも目には見えない鎖で手首と首を縛り付けられていた。空を飛ぶための大きな翼が人間で言う肩甲骨あたりにつき、それを白くて大きな羽が幾層にも重なって覆っている。胸板はこれでもかというくらい厚く、そして鋼鉄のように硬く厚い筋肉で覆われて、その表面をうっすらと黄金の毛が覆っている。神の子であるアブディエルは、言われなければ神かと見紛うくらい美しく、そして気品がある出で立ちをしている。無駄な贅肉など一切ないその腹は、8つのそれぞれのブロックに分かれ、それぞれがそれぞれとその硬さを競い合うかのようだった。カラダの中央を通る胸の割れ目から臍を通じて下に伸びた黄金の毛が、その下の神々しく揺れるモノへと誘った。そのモノと言えば、高貴な出で立ちにふさわしく、輝くばかりにその大きさをこれでもかというくらい主張して、引力に逆らうことなく垂れ下がっていた。また、その奥に、隠そうとしても隠しきれるものではない大きさの、収穫間近のたわわに実った果実を彷彿させるような堂々とした玉が二つ、きっと赤ん坊だったらすぐに眠りに着くのではないかと思われるくらいにいかにも柔らかそうな袋に入れられて、心持ちユラユラと揺れていた。強靱な腿といい、そして足のつま先まで何の欠点もなく作られた偉大で唯一絶対である神の創造物は、こうして今、地獄の門から程ないところで責め苦を受けているのであった。

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2019年11月09日

熾天使アブディエル(1)

アブディエルは天空にいた頃のことを思い出していた。背についた純白の翼を自在に操り自由に空を飛び回り、毎日が雲一つない晴天で眩いばかりの光を遮る物質は全くない。木々は花が咲き乱れ果実もたわわに実っているが、食べる者がいないので、甘く香しい匂いが辺りを漂っている。名をまだ与えられていない鳥の囀りに囲まれながら時折吹いてくる心地よい風に当たる。まだ宇宙というものが渾沌に支配されていた頃、ガスが渦を巻いて一つの輝きがまた生まれようとしている頃のことだ。太陽もまだできていないが、その光よりも遙かに強い光でこの世界は満ち溢れている。鳥の声が聞こえる木の下で一休みしようか。しかし先客がいるようだ。あそこにいるのはガブリエルか?輝いて眩しすぎて姿が見えない、気品溢れるガブリエル・・古き良き友よ・・
「ぎゃぁぁぁ!!!」
この世のものとは思えない悲鳴が辺り一面を揺るがせた。悪鬼がアブディエルの股間をまさぐっていた。そして大声に怯んでいったんは手を放したが、また垂れ下がった二つの玉を探り当てると、先ほどと同じように力任せに握ったのであった。
「あぁぁぁ、止めてくれ、止めてくれ、お前はなぜそのようなことをする?」
悪鬼にはアブディエルの草木がそよぐような声が耳に入らなかった。悪鬼はそもそも言語が理解できないのだった。仕事の一部として組み込まれているかのように、悪鬼はまたもアブディエルの玉を、その茨のような棘が生えた黒い手で潰しにかかった。
「あぁぁぁぁ!!!」
耳をつんざくような声がまたも辺り一面に響いたが、誰も応ずるものはなかった。

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